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コラム

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制作にまつわること。絵を描くのに向き合った言葉たち。日記。
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#日記

実感をもって言葉を知る

その言葉や物語を知った時にはピンとこなくても、のちに身を震わせるほどその文章を実感する… というような事がある。 1.キッチン 初めてそれを感じた経験が吉本ばなな「キッチン」だった。 私の母は読書が趣味で、文庫で発売された「キッチン」もそうやって母が買ってきたものだった。 それを読んでいた母が文字通りキッチンでビックリするほど泣いていた。 今でも覚えているくらいの泣きっぷりがおかしくて、その原因が「本」だというのも当時の私にはおもしろくうつっていた。 そんなに泣くのが

AIイラストを「使えなかった」2つの理由

こんにちは。つかはらゆきです。 久しぶりに「イラスト・漫画」を描いている人らしいnoteを書いてみようかと思います。 基本的なAIイラストに対する姿勢学習元に使われて著作権うんぬんとかはあるのですが、大枠として特にAIイラストに対してネガティブなイメージは持っていません。 デジタル作画が始まった頃(というか今でもテレビ番組に出ている著名作家でもいますが)アナログ手書きの作画が優れていて、デジタルはダメだという「アレルギー」が強くありました。 それと同じようなことがAIでも起

年始早々、ロックンロール

あけましておめでとうございます。 今年も何卒よろしくお願いします。 ヘッダーだけ新年よろしくウサギにしましたが、まったく新年関係ないnoteです。 12月に発売されて以来、他のアルバムが聴けないほどの良いアルバムに出会ってしまった。 町田直隆「不良の音楽」サブスクは上のリンクからどうぞ。 町田直隆さん、ちょこちょことライブにお邪魔していて、今やっているmoke(s)というバンドは結構な頻度で通っていた。 音楽活動25周年。11年ぶりの全国流通盤。アルバム制作期間3年。

3か月の痛み

猫が亡くなった。 別に飼っていたのではないけれど、家の庭に住み着き私にエサをねだり、家に帰ると構えと呼ぶ。 そういう猫でした。 飼わなかったことをある人は「無責任」と言う。 けれど、野生で育った猫が家の中で「暮らせるか」は難しいのではないか…と感じていました。 それは飼っていた猫を外に放置して野生に帰れるか…と同じくらいに。 なんだろ。 家族じゃないけど、ルームシェアくらいの感覚かな。 そういう存在だった猫が3月に亡くなりました。 ずっと悲しくてさみしくて塞ぎ込んで い

仕事の話:ゴールをきめたその先に

建設業の方が話していたことで気づいたことがある。 いっぽう、クリエイティブな仕事(イラスト・漫画などなど)は一定の「検査基準」というものがない。 これは結構な違いだなと思ったし、基準があることは羨ましいとすら思った。 基準どころかクライアントから「ゴール」の設定が曖昧なことも結構ある。 ゴールとは「何をするためにそれを作り、だから何を必須にクリアするか」という内容である。 たとえば生徒募集のチラシを作って「4月末まで体験入学」を必ず伝わるように、とかそういうこと。 「検

冬季五輪で思い出すこと

母から今朝電話があった。 お風呂掃除してて気付かなくて折り返したら、いつになく早く出た。 「昨日スキージャンプ見たら思い出しちゃってね」 そう、母は言った。それは24年前の長野五輪の時のことだった。 命には優劣がない、という。 でもそれが「明日終わるかもしれない長くない命」と 「これからも続いていくであろう長い命」だった時 優劣はなくとも「選択」はしなければならなくて、選択によって結果的に優劣が生まれてしまうことはある。 何も高度な医療現場の「トリアージ」の話ではない。

自分を豊かにしてゆく歳

コロナ禍だから…というより フリーランスになって以後、困窮している。 とは言っても、使える制度や色々な仕組みをフルに使う能力くらいはある。 結構このお役所の申請関連を自力でできないという話も聞くが、私は何かに困ったことがない。 それと少しずつ何もしないで入ってくる収入…を作れているので、少しずつだけど状況は改善している。 困窮…といってもその状況を本当にわかる人は サラリーマンで月に相応の決まった額が入る生活をしていると、そんなにいない。 経験したことがあるかどうかもあるけ

私、小説化しました…!

こんばんは。 お久しぶりです。 本日はお知らせです。 と言っても、自分自身が何かを作ったとか描いたとかではなくて 私のことを小説のモデルにしていただきました。 こちらの小説、友達が執筆しているものですが、その中の第24イヴェ〜第33イヴェが去年の夏に実際に私が遭遇した【事件】をもとに書かれています。 事件とは…と説明すると、小説の楽しみを奪ってしまうのですが。 記事の最後に当時描いた絵日記(ライブレポ?)載せておきます。 他の章の物語も読むと、あの時この人がこうで〜とか

新学期に言うことば

8月31日。 9月1日は新学期が始まり学校が始まる。 私がいじめに遭っていた頃、夏休みは世間で言われるよりもずっと短くて 少なくとも8月25日くらいには学校に行っていたと思う。 だから新学期=9月1日という感覚があんまりなくって 新学期と共に不幸が起きる感覚はとてつもなくわかるんだけど 8月31日と9月1日に境目があることがいまいち感覚としてわからない。 いじめにあってから30年後。 30年前、世界が丸ごと変わってしまうことを祈り続けていて そうして実際、いま世界が変わっ

「自分は大丈夫」に脅かされた体験から考えるワクチンを打ってほしい気持ち

下書きになかば腹を立てて書き殴った「ワクチンハラスメント」の話があります。 読み返すとこれを公開する気にはなれないんだけど 根本にある思いとしては変わっていません。 その下書きに書いてあるのは、 端的に言えば「ワクチンを打たない人とは友達でいられない」です。 まぁそんなキツい言い方じゃなくもっと理性に落とし込んで同じことを書いていこうと思います。 あ、もちろん友達の中には免疫系にかかわるであろう病気を患っている子もいるので、そういう友達が接種しないのは別の話です。 「伝

推し疲れー鍋に投げ込まれた氷

ちょうど1ヶ月前くらいにこんな記事が「推し」を持つ人の間で話題になった。 コロナ2年目でもう限界… 情熱が薄れ“推し疲れ”するファンたちの声 私の周りでもいろいろな反応があった。 「そんな2年で情熱が薄れるなんて愛情が足りない」なんて言う人もいました。 でも…ちがうよね。 別に愛情の寡多で情熱が薄れるものじゃない。 *** 以前から「推し」への愛情を「鍋を煮込む」ことに喩えて話してたりする。 推しの出演やライブ情報・かっこいい写真…それを「供給」と呼ぶんですが 供給

危機・災害・ワクチンつらつら…

いま、こんな本を読んでいる。 まだ半分だけどじっくり考えながら読んでいる。 「失敗の本質」 大東亜戦争における諸作戦の失敗を、組織としての日本軍の失敗ととらえ直し、これを現代の組織にとっての教訓、あるいは反面教師として活用することが、本書の最も大きなねらいである。 つまり第二次世界大戦に際して組織がどう機能したか(というか機能しなかったか)を分析して、敗戦の実態を描いている本です。 戦争は災害ではなく人災だけど、どちらも「危機」であることは変わりがなくて 日本の近代的

4月2日、個展開催

頭にことばは浮かぶもののそれを書き留めるに至らない日々。 というか、ことばでは書き留めてしまいたくなかったのかもしれない。 そんな言い訳で久しぶりのnote更新です。 表題のとおり、明日より約1か月の個展を開催します。 個展「ハコニワ」 4月2日(金)〜4月30日(金) cafe lamp  東京都豊島区西池袋4-2-13(池袋駅徒歩10分、目白駅徒歩10分) *カフェでの展示となりますのでワンオーダーお願いします *火曜〜土曜 12:00〜18:00(日・月休み) *当

もっと上手くなるために?

ものすごく眠いのだけど、ちょっと書いておこうと思ってnoteを開いています。 寝言だと思って。サムネ画像が本当に関係なさすぎてすみません… 先日Twitterでこんなものを見た。 「絵はすぐに上手くならない」という本と「いきなり絵がうまくなる本」という本が並んでいる写真だ。 ある程度のものの分解の仕方がわかると「いきなり絵がうまくなる」瞬間というのはやってくるのだけど、その「わかる」に辿り着くには「すぐに上手くならない」んだよな〜と思う。 今日、おそらく10時間くらい絵