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受け取る力

事実をそのままに受け取ることは、意外に難しいものだと思う。

期待
予想
思惑
逃避
疑念

なんらかのフィルターをかけて、物事を捉えてしまっている。ということに気づくまでにも、だいぶ長い年月がかかった。

「当然こうだろう」と思っていたことがたくさんあった。他の誰にとっても「これがよい」「これは悪い」そう思っていたことも多かった。

そんなのどうでもいい。

大事なのは、そこから何を受け取るか、自分で決めて、その判断に責任を持って受け取ることだ。逆を言うと、受け取りたくないことまで受け取らなくていい。他の誰かの何かを慮って、とか、お母さんにそう言われたから、とか、そんなのどうでもいい。

自分が責任の取れる範囲のことを、責任を持って受け取ればいいんじゃないかな。とはいえ、責任ってのがやっぱり怖いから、誰かのせいにして、いらんものまで受け取っているんじゃないかな。

7月に読み始めて、最近読了した村上春樹の1200枚の長編小説の中で、一番心に残ったフレーズはこれ。

現実はおそらくひとつだけではない。現実とはいくつかの選択肢の中から、自分で選び取らなくてはならないものなのだ。

「街とその不確かな壁」p.623 村上春樹

何を受け取るかは、自分次第。誕生日の志。

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