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フェイクファー/スピッツ

あんまり暖かくない日が続いてるので、いまいちピンときてなかったですけど。そういえば卒業シーズンなんですね。この前ちょっと外にいたら、なんか卒業式の帰りみたいな人をチラホラ見かけました。

卒業以外にも、進級シーズンでもあるんですよね。ぼくはもうおじさんになって早幾年って感じなので、卒業にも進級にもすっかり縁がなくなってしまいました。が、昔はあったわけで。どうだったんかなーとか思い返してみました。

んー……あまりハッキリと覚えてるわけじゃないですけど、なんとなく、卒業も進級もしたくなかったような気がします。だって、大概のものは、卒業したら新しいとこに入学することになるわけじゃないですか。進級だってそうです。新しいクラスに行くことになるわけで。それがなんとなくイヤでした。だったような気がします。

いや、卒業してそれっきりって場合もあるぞ! と言う方もいるかもしれません。まあそうなんですけど、それでもねえー。なんていうか、卒業したら話がおしまいになるわけじゃないじゃないですか。結局「卒業後の毎日」ってのが続くわけで。まんがみたいに「俺たちの戦いはこれからだ!」で完結しないんですよ。それがねー。
なんかこう、できれば永遠に未就学児みたいなのでいたかったような気もします。まあ無理なんですけど。時間が経過すれば身体とかは否応なしに育っていくんで。それでも。

ですが、別に今が最高に楽しくてしあわせってんでもないんです。これがまた。めんどくさいこともあるっちゃあるんですが、それでもなお時間が経つのを止めたかったような気がします。いやほら、未知のものってなんか怖いじゃないですか。何が出てくるかわかんないですし。

みたいなことを、このアルバムを聞いてるとボンヤリと思い出します。いや捏造した記憶かもしれないですけど。なんかこう、好むと好まざるに関わらず、次のとこに行く羽目になっちゃった、みたいな。そんな印象っていうんですかね。

自分にそんな引きこもり願望みたいなのがあるからか、決意を持って一歩を踏み出す、みたいなのがめちゃめちゃカッコいいって思います。憧れてるんでしょうね。新しいとこに進むのは、100パー自分の意思ではないかもしれない。でも、どのみち行くことになったんだから、だったら気合い入れて進むぞ! みたいな。スピッツさんはそこまで猛々しいわけでもないですけど。

諸行無常っていうか、結局すべてのものは過ぎ去っていくもんなんだろうなって思います。こないだふと思いました。だったらもう、変わっていくこと自体をある意味おもしろがらないと。そうじゃないとしんどすぎるんかなーという気もします。ですが。口ではなんとでも言えますが、そんな簡単に「いやあーオラ、ワクワクすっぞ!」みたいな心持ちになれたら苦労せんです。なんですけど、それでも。ちょっとでも。このアルバムを聞くと、そんな気持ちにもなります。

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