官能緊縛の道#4~道具はプロの物を使おう!お手入れ編~
M字開脚、脇晒しなど、稽古が進むにつれて使う縄の本数も増えてきた。そこで、新しい縄を買おうとネットで探しているとAmazonで安い縄を見つけた。
なめし済みの縄で1本2,519円!
縄屋さんの縄が1本4,000円近くするので、4割引程度で購入出来る。
こりゃいい!と思い、即注文。
…しかしこれが間違いだった。
届いた縄を見てみると、明らかに不良品であることが分かった。
色染もバラバラだし、ゴワゴワしてケバがすごい。
だいいち縄が固すぎる!
いくらなめしても柔らかくなることは無く、まっすぐ伸びずにすぐくねってしまう。
縄をくぐらせる時もまるで鋼の棒を無理やり曲げようとしているみたいだ。指が折れそう…。
とにかく縄が言うことを聞かない。
どれくらい縄が言うことを聞かないかというと、魔女の宅急便のラストでキキがデッキブラシで飛んでる時くらい言うことを聞かない。
『もう!まっすぐ伸びなさい!燃やしちゃうわよ!!』と言いたくなるくらいだ。
商品説明欄には“なめし済み”と書いてあるが、本当にやってるのだろうか?縄に光沢がないし…。
試しにこれで人を縛ってみたら
『タワシで皮膚をえぐられているみたい』
と言われてしまった。
そうだよなぁ~…。
先生に聞くと、この縄ではいくらなめした所で柔らかくならないそうだ。
そもそも麻の材質から劣悪らしい。
荷造りロープとしては使えるが、緊縛のような繊細な縛りを要求されるシーンではとても使えない。
やはり、こういった道具はその道のプロが使うブランドを買わないとダメっぽいな。
鞭も縄も、アダルトショップでジョークグッズとしてたくさん売られているが、見た目だけ真似してもまるで機能を果たしていない。
結局縄屋さんで縄を買い直した。
1万2,000円(送料別)、高い…(߹𖥦߹)
でもそれだけの価値があるものなのだと改めて分かった。これはこれでいい勉強になったかな。
やっぱり縄屋さんの縄は手触りも質感も上質だ。
そして柔らかい。手に馴染む。
気持ちいい~~~~~!
とは言っても縄屋さんの縄もある程度は自分で手入れをしなければいけない。
手入れの方法はざっくりこうだ。
擦りなめし
↓
ケバ焼き
↓
縄尻の処理
↓
油入れ
ここらへんの処理の順番は人によるっぽいが、私はこれでやっている。
まぁ、お風呂に入るとき、頭から洗うか、身体から洗うかみたいな微差かもしれん。
①擦りなめし
擦りなめしとは言葉通り、縄をすり合わせてケバを落とす手入れ方法だ。
ホームセンターに売ってるようなカラビナを、家の柱や手すりなどにかけて縄を通す。
それから縄を2~3回ひねって両手でギコギコ。
シーソーのように動かして擦る。
これをやることでケバが落ちる事に加え、縄が細く引き締まる。
家に柱や手すりが無い場合は公園の鉄棒を使うといい、と先生が言っていた。
端から見たら怪しまれるんじゃ…?と心配になるかもしれないが、案外人は他人のことを見てない。
ましてやまさかこの縄が人を縛る縄とは思うまい。
ちょっと変わった運動をやってるんだなー程度にしか思われないだろう。
②ケバ焼き
更にケバを落とすため、火を使って細かなケバを焼いて消していく。
イキな方法だとロウソクの火でジリジリと焼く手法が語られるが、面倒なのでフツーにガスコンロで焼く。
この時、コンロの五徳を外した方が安全に焼ける。
万が一縄が五徳に引っかかってしまうと火事や火傷など大事故に繋がりかねないからだ。
③縄尻の処理
縄屋さんの縄は縄尻が結ばれていない。
なので自分で縛らなければならない。
縄尻の処理の方法はいくつかあるが、私はバック・スプライスという方法で処理した。
この手法だと縄を通す時、スルスルと抜けるので良いのだ。
縄尻が引っかかってしまうと、童話『おおきなカブ』のおじいさんみたいに『うんとこしょ~~!』と引っ張らなければならず、これまで高まっていたロマンチックなムードが台無しになっちゃうからね…。
④油入れ
最後に油を入れて縄をしなやかにする。
これをする事で、縄が肌に当たった時の感覚がより気持ち良くなる。
使う油はお好みで。本当に微差ではあるが、それぞれ特徴があるので書いていく。
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・馬油
比較的安価に手に入る固形油。人の皮脂と似ている性質を持つため、肌荒れがしにくい。ツヤが出てカッコいい。ただ、動物性の油なのでカビなどの管理には注意。
・蜜蝋
皮製品のメンテナンスなどにも使われる品物。ツルツルとした感触になる。馬油と同じく常温固形の油。固形油の方が表面の光沢感が強くなる気がする。
・ホホバオイル
マッサージオイルとしても使われる液体油。軽くて癖の無い油。サラサラしてて油を入れてもそこまで重い感じにならない。
・椿油
サラサラとした液体油。
ホホバオイルよりかは粘土が高い(気がする)。
ドラッグストアなどにも置いてあり、入手しやすい。縄を縛った時にキリキリと音が鳴る“鳴き縄”になりやすいという噂も。
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まぁ何でもいいのだが、私は先生に貰った油を使っている。
聞くとこの油は馬油と蜜蝋、椿油をミックスさせたものなのだという。
特別な配合があるのかと思ったら、単に余り物を寄せ集めて作っただけとの事だ。
あ、サラダ油とかオリーブオイルはやめておいた方がいい。
調理油は酸化しやすいからだ。
他にも緊縛に必要な道具を紹介しておく。
■包帯ハサミ
包帯を切るための医療用ハサミ。
肌に当たっても痛くないよう、刃の先端にセーフティーガードが付いている。
刃がノコギリのようにギザギザしていて布を切るのに最適化されている。
万が一縄が解けなくなってしまった時などの事故回避用に1つ持ち合わせておくべし。
■PEライン
釣りをする人なら分かる、高級釣り糸。
切れにくく耐久性がある。縄尻の処理に使う。
■風呂敷
縄を入れておくための袋。
縄は密閉空間に保管するとカビる危険性があるので、通気性の良い綿の風呂敷で包んでおくのが縄界隈での主流の持ち運び方法となっている。
風呂敷から縄を出すと玄人っぽさもあってカッコいいという理由もちょっとある。
■カラビナ
吊りをする時に使ったりする。
あと擦りなめし時に活用できる。
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先日縄講習の検定で9級合格を頂いた。
次回からは後手を習えるようになる。
後手はあらゆる緊縛スタイルの基本となるもので、吊りプレイの基礎でもあるらしい。
次のお稽古もがんばるぞー。