見出し画像

【日常】定期ミッション「親戚付き合い」

盆と正月が苦手。

正確に言うと、盆と正月に発生する定期ミッション「親戚付き合い」が苦手。

幼少期から苦手だった。

年に数回しか会わない大人と何を話したら良いのか分からなかった。

大きくなったねと言われても、私はその人のこと知らないし、「あなたも歳とりましたね」と返事すると気まずくなるので、いつもなんと返事すればいいのかわからないまま曖昧に笑っていた。

親戚一同が集まると、好きでもないお菓子がいっぱい出される。食べないと「何故食べないのか」とぼやかれた。子どもがお菓子好きだとは限らないと思って欲しかったし、自分の価値観を強要する親戚が嫌だなあと感じていた。

あと、最も嫌だったのが、親や祖父母の兄弟同士で繰り広げられる近況話。
親戚同士の噂話や自慢話、身体の不調話などを聞く度に、ポケモンの攻略方法について話をしたり、最近作った秘密基地や学校までの裏道ルートについて話をしたりする方がよっぽど楽しいのにと感じていた。

そんな風に小さい頃から苦手だった定期ミッション「親戚付き合い」が今年もやってきた。

この年齢にもなれば社会人経験もそれなり踏んでいるので、表面的にいい具合の会話をできるようになったと感じており、少しは定期ミッションの難易度も下がっているだろうと見込んでいた。

結果は相変わらずだった。親戚同士の近況話には上手く対応できず軽く笑うくらいが精一杯で、会話の聞き役になるくらいしかできなかった。

いつまで経っても親戚の中での私は、大人しく人付き合いが苦手で、気の利かない子どもだと思われているように感じた。

祖父母の墓前の前で「今年も親戚と上手く付き合えなかったよ」と、祖父母の生前には一度も打ち明けたことのない本音を吐露しながら手を合わせた。

祖父母からすると、今更そんなことを言われるなんて迷惑だろうけど、まあ死んでいるからそんな声は届かない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?