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激人探訪 Vol.14 Fuki ~人生やり直しても"Fuki"でありたい〜

どうも皆さん、YU-TOです。

大半の方がお気付きであったと思うが、この激人探訪、ここ数回は"あんきもシリーズ"とでも言うべき形になっていた。

実は事前に、紫煉氏から"メンバー全員を取り上げてもらえないか?"という依頼を頂いており、こちらも"是非"という形でその依頼にお応えさせて頂いたのだが、Unlucky Morpheusの全メンバーを取材出来た事は本当に良い経験になったと思う。

メンバーそれぞれ個性が違い、とてもカラフルなバンドであるが、実は向いてる方向や考え方は一緒であったり、バランスを上手いこと取れるメンバーがいたりと、その人間相関図は非常に絶妙かつ見事で、書いていてとても面白かった。

その関係性があってこその、あの重厚かつタイトなサウンドなのだなと痛感させられた部分もあったし、音楽やバンドという存在が持つ可能性や美しさのようなものを感じる事が出来た取材であったように思う。

そんな"あんきもシリーズ"のラストを飾ってくれる今回のゲストは、Unlucky Morpheusのヴォーカリストであり、"首脳陣"の1人でもあるFuki氏だ。

Fuki個人ショット

今まで取材してきたUnlucky Morpheusのメンバーの殆どがそうであったように、自分はFuki氏とは挨拶程度の面識はありつつも、ちゃんと音楽の話をした事は1度も無かった。

もちろん、単純に以前から"凄い人だな"とは思っていた。

圧倒的なハイトーンボイスと抜群の存在感を併せ持ち、バンドの移り変わりがありつつも約13年に渡って国内メタルシーンで息長く活動し続け、Fuki氏のシーンでの存在感は弱まる事を知らず、むしろ年数を重ねる毎に強まっている。

その事実は側から彼女の活動を見ていた自分でも十分に感じ取れていたし、ファンはもちろん、それ以外の方々でも彼女が抜きん出た求心力を持っている事は感じ取れているであろう。

だがそれは、あくまでも蚊帳の外から見た"アーティスト"としてのFuki氏の印象であって、実際の"Fuki"という"人間"がどのような人物であるのかは、当たり前だが全くと言って良い程わからなかった。

しかし、実際にFuki氏と話し、彼女の音楽に対する姿勢や物事の考え方を知れば知るほど、"何なんだこの人は?!"という衝撃が深まるばかりであった。

歌声のパワフルさをそのまま体現したような、絶対にブレない強い姿勢と、確信と説得力に満ちた言葉。

自身が出来る物事の範囲と、出来ない物事の範囲をしっかりと見極められる洞察力。

そして、自分自身を絶対的に信じ切る事が出来る自己肯定感の圧倒的な強さ。

そこに1点の曇りや淀みはなく、あるのはただ眩いばかりに光り輝く"力強さ"のみ。

Unlucky Morpheusという存在感抜群のメンバーで固められたバンドのフロントに立ち、その全てを掌握して力強いハイトーンボイスを響かせる事が出来る彼女の音楽的ポテンシャルをそっくりそのまま写し出したような人間性には、ただ圧倒させられ、自分の価値観がひっくり返されたような気がした。

というよりはむしろ、"やっぱりこうあるべきだよな"と大切な事を再確認させられたような、そんな気持ちの変化が取材後にあった事を覚えている。

Fuki氏はソロデビューも果たしているし、Unlucky Morpheusでは"首脳陣"として様々なメディアに出て発言をしてきているアーティストだ。

それこそ、Fuki氏の辿って来た道や音楽的な経歴などが書かれた記事は、検索したら星の数ほど出てくるだろう。

なので今回の激人探訪では、Fuki氏の辿ってきた道を時系列的に辿っていく事はあまりせずに、Fuki氏のボーカリストとしての姿勢や、楽曲や作詞に対する思いなどから、彼女の事を徹底的に深掘りしていこうと思う。

"Fuki"という稀代のボーカリストが何を考え、日々どう音楽と向き合っているのか、それを読んでくれている皆さんに少しでもお伝え出来たらと思っている。

きっと、何か新しい世界が開けるはずだ。

第1章 "Unlucky"じゃない人生

Fuki氏は学生時代、いわゆる"文武両道"な学生であったようだ。

学級委員や生徒会などにも所属して、人前に立つ事を好み、リーダーシップを発揮するタイプの学生であったらしく、今の"首脳陣"な彼女の片鱗はこの頃から潜在的にあったように思われる。

そんな天性とも言うべき人前に立つ事を臆さない才能を持つFuki氏だが、やはりバンドというものにハマった瞬間に、"自分もやろう"と決意したようだった。

X JAPANを中2の時に友達から貸りて聴いて、そこからロックやメタルが好きな人生がスタートしたんです。その後にCDショップでヴィジュアル系とか色々なバンドを視聴している時に陰陽座に出会って、"あっ女性でこういうの歌ってるバンドがいるんだ!"って思って、それですんなり"自分もボーカルやってみたい!"って思ったんです。当時から学級委員をやっていたり、リーダーシップを取るのが好きだったので、今思うと多分当時から"人前に立ちたい"という気持ちが潜在的にあったと思うんですよ。だからもう手っ取り早いボーカルがやりたいって(笑)そこで楽器演りたいとかは全然思わなかったですね。それで地元の楽器屋に行って、"メンバー募集というものがあるのか" "ここで連絡を取ればバンドが組めるんだ"って分かって、そこで生まれて初めて連絡を取ったのが、LIGHT BRINGERのhibikiだったんです。

この時のFuki氏は、カラオケなどで例えば浜崎あゆみやglobeなどのハイトーンが必要とされる楽曲を同級生の誰よりも歌いこなし、歌う事に自信はあったみたいだが、それでもいきなり"バンドを組もう"とメンバー募集に応募してしまうとは、かなり瞬発的というか、行動が早いように思う。

10代の、それこそまだ"子供"と捉えられるくらいの年齢の少女がいきなり学校外の世界、それもどちらかと言うと"不良"なロックバンドの世界に行くというのは、かなり勇気がいる事だ。

普通ならば、最初は学校内でメンバーを探してみたり、"もっと練習を積んでからにしよう"とか"軽音楽部のある高校に上がってからにしよう"と考えてしまうと思うのだが、、

あー、、確かに(笑)でも受験シーズンだったというのもあるけど、学校内でバンドを組むっていう考えは全くなかったですね。私、1度決めたらすぐに行動に移すタイプなんですよ。"あっ髪切りたい"って思ったらその日の夜に自分で切ったりだとか(笑)そういう謎の行動力があって、"あっバンドやってみたい"ってなったら1番の近道はメン募だなって思って、すぐにそっちに行ったという感じですね。もう"度胸"というか、そういう質(タチ)なのかもしれないですね。

このFuki氏の"思い立ったらすぐ行動"の精神は、彼女を形成する最も大事な気質の1つかもしれない。

何にも臆せずに、自分が"やりたい"と思ったら他の誰よりも自分自身の事を信頼し、すぐにそれをやる為の行動に移す。

それが出来る人の方が結果的にチャンスを掴むことが出来るし、"運"をも味方につける事が出来る。

一番最初に応募したメン募がhibikiで、もう第一歩の出会いからめちゃくちゃ運が良いんですよね。いきなりちゃんとした"良いミュージシャン"に出会えたっていうか。やっぱり、"最初はロクな人に出会えない"みたいな事もあるって聞きますし(笑)だからちゃんとしたミュージシャンに出会える確率ってそんなに高くないと思うんですけど、私はそのhibikiであったりだとか、LIGHT BRINGERのキーボードのMao君だったりだとかと、いきなり地元で10代の時に出会えちゃったんですよね。もう最初の段階から運が良いんです。

"運"という言葉の語源は、実はそのまま"運動"からきているという話を聞いたことがある。

だから、"運"というのは"運動"をしている人、つまりは行動をしている人のところにのみやって来るという話をどこかで耳にし、"ああ確かにな"と感じた記憶がある。

そして"強運"でありたいのならば、"自分は運が良い"と思い続けて生きる事。

私はあんきもの他の皆んなみたいに強い覚悟を持って音楽を始めてないタイプなんです。最初から"何かやってみたい" "オリジナルやってみたい" "CD出してみたい"で、何かメジャー行っちゃったみたいな、本当に全部が"運"だと思ってて。私、めちゃくちゃ運が良いんですよ。もう、人との出会いとかも含めて、"運が良いおかげで今の自分がある"って凄く思ってます。

あれだけの実力を持ちつつも、ここまではっきりと"運のおかげ"と言い切ってしまうところ、それがFuki氏が眩いばかりの輝きを放つ大きな要因の1つなのだと思う。

"運はなかったが、自分の努力でここまで這い上がった"というのも良いだろう。それはそれで泥臭い魅力があるし、そういう人にしか出せない貫禄もある。

しかしFuki氏には、そのようなある種の悲壮感が漂う雰囲気はなく、圧倒的な光を持った、明るくて力強いタイプの人間が持つ魅力を感じる。

Fuki氏本人も"究極のポジティブ人間"と自身を認めており、根底にあるものは"自分を信じる"という強い自己肯定感。

その強い自己肯定感があるからこそ、自分を信じて思い立ったらすぐに行動することが出来るのだろうし、何にも臆せず新しい物事に挑戦することが出来る。

だからこそ、様々な"運"を、Fuki氏は自分の元に引き寄せることが出来るのだと思う。

もう全てにおいて、全然"Unlucky"じゃないではないか(笑)

はははは!確かに!ほんとにそう(笑)バンド名に何の意味も無い(笑)

そんな"Unlucky"というワードを有するバンドで歌っていても、全然"Unlucky"じゃないFuki氏は、その"強運"を使って様々な夢を叶え、数々の実績を作り上げていく事になる。

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