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株価上昇と暴落の予兆
ユーシロです。
2024年から始まる新NISAでテレビ、雑誌で話題になっており、私の会社でも今まで株に興味を持たない人が話すようにまでなってきており、上半期の流行語になる位、世間で浸透しています。
それに合わせて「今後も米国株の上昇は続くのか」「どの銘柄がオススメか」といった議論が、専門家の中で色々なされています。
そもそも株価とは常に企業の実態価値を表しているとは限りません。そのため、割安であったり割高であったりすることは常に起こります。割高が行きすぎると1980年代後半に発生したバブルになります。
株式に関して「絶対正しいこと」とは何でしょうか。それは、
株式の価値=その企業が将来、生み出す全ての利益を今の価値に換算したもの
でも、これから将来にわたって生み出す利益がいくらになるかは、専門家でも分かりません。だからこそ、人によって予想が異なるのは当然だし、多くの人が過剰に悲観的な見通しをすることで安くなったり、逆に過大な期待感で高くなったりします。
よく言われるように「バブルというのは弾けてみないとわからない」ものなので、今がバブルかどうかは本当のところ分かりません。
ただ、「株価が高値でピークになる時」と、「下がって大底になった時」にはいずれも共通点があります。そのサインを見逃さないようにすることが株式投資において重要なことだと思っています。では、そのサインとはいったい何でしょうか?
「週刊・月刊誌の株式特集」です。
マネー誌や経済誌が特集を組んだ時ではなく、週刊・月刊誌や女性誌などが積極的に株の特集をやった時、さらに言えば、「今から買える銘柄100選」「初心者でも儲かる50銘柄」のような、具体的な特集を組んできた時は要注意です。
雑誌は売れなければ廃刊されますので、その時に多くの人が関心を持って読んでくれるものでないと記事には出来ません。逆に言えば株式が記事になるとことは、経済や株に詳しくない素人が株式に関心を持ち始めていることで、そういう時は高値圏であることが多いのです。
1929年のアメリカの株式市場の大暴落(世界恐慌)は知られていますが、その中にこんな有名なエピソードがあります。
アメリカ大統領のケネディの父親のジョセフ・ケネディは、ウォール街で巨万の富を築き、政治家になりました。その彼がウォール街で靴磨きをしている少年が「○○の株がどうやら上がるらしいですよ」と、株の話をしているのを聞いて、おそらく彼は「少年にまで株式の関心が高まっているということは今は高値に違いない。しかし裏を返せば、少年までが株の話に熱中しているから、相場はもうすぐ崩れるだろう」と判断し、即座に自分の持ち株を全て売ったことで、世界恐慌を免れたという話です。
時代が変わっても人間の心理や行動は同じですから、株式投資を前からやっていた人に加えて、それまで興味の無かった人が株式投資に興味を持ち始めることは間違いなく高値の注意信号と言えます。
さらに高値圏で頻繁に出てくる声は、
「今回だけ違う!」という言葉です。
天井が近づいてくると、「今までとは全然違う。環境も変わり、政策も力強い。早く買わないと損になるぞ!」と言う人が増えます。
一方で、下落相場の時は「今度ばかりは違う! 売りはこれからも広がり、当分相場は下げ続ける。早く売らないと大変なことになる!」と言う人が増えます。
普段、株式には関心のない人や縁のないメディアがしだいに関心を高めて取り上げるようになり、「今回だけ違う!」という声がよく聞こえてくるようになります。
今のところ、まだそういう声は聞こえてないため安心ですが、これから新NISAをする人はテクニカルやデータなどの分析からの判断だけではなく、人間の感情と行動が意外と的確な判断に繋がることも忘れないで欲しいです。
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