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Affimed社 | CD30陽性リンパ腫対象のNK細胞エンゲージャー

Affimed社はドイツに本社を置くバイオテック企業です。上市品はまだないですが、注目されている開発品にAFM13というNK細胞エンゲージャーがあります。

*NK細胞:ナチュラルキラー細胞。血液中に存在するリンパ球の10~30%を占め、がん細胞や感染細胞などを攻撃する。


AFM13は二重特異抗体で、CD30CD16Aをターゲットとします。CD30はホジキンリンパ腫などで発現している抗原、CD16AはNK細胞に結合することを目的としています。つまり、AFM13ががん細胞とNK細胞を橋渡し (engage)することで、NK細胞にがん細胞を攻撃させます。


AFM13はCD30陽性リンパ腫を対象に治験をすすめており、AFM13とNK細胞を併せて投与する試験ではRP2D で治療した 24 例はすべて奏効(ORR 100%)CR(完全奏功) は 70.8%(17/24 例)と良好な結果を発表しています。現在のところ特筆すべき副作用は報告されていません。

*RP2D: Recommended Phase 2 Dose、Phase 2以降の開発を進めていく用量。文例:RP2Dは5mg 1日1回投与に決定した。


CD30陽性リンパ腫に対しては、既に免疫チェックポイント阻害剤やアドセトリスが早期ラインで使用されています。先ほど有効性を示した24例は全て前治療のアドセトリスに対し再発難治となった例であり、その患者群でORR 100%, CR 70.8%は勇気づけられる結果と言えるでしょう。

一方、これらの結果は速報であることから、今後CRを獲得した例で再発が出ないかを確認していく必要があると考えています。


また、同社はAFM24という固形がん対象のエンゲージャーも開発しておりこちらの臨床結果もフォローしていきたいと思います。


参考文献

64th ASH Annual Meeting Abstract 168 Innate Cell Engager AFM13 Combined with Preactivated and Expanded Cord Blood-Derived NK Cells for Patients with Double Refractory CD30+ Lymphoma

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