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目に見えない敵

唐突ですが、マンホールってなんのためにあるかわかりますか? 
マンホールの下はどうなっているかわかりますか?

マンホールは「人の穴」あの金属やコンクリートでできた蓋は人が入るための穴なのです。なんのために?マンホールの下には下水道があります。マンホールとマンホールを繋ぐ形で下水道が通っています。

マンホールの小型のような蓋が住宅の敷地内にもあることはご存知でしょうか?

直径が30cmくらいのものと、10cmくらいのものがあります。両方とも「枡(ます)」と呼ばれ、用途はマンホールと一緒。人こそはいりませんが、下を流れている汚水や雨水の排水管の点検のために地上から掃除道具などを入れられるようにあるのです。

蓋を注意してみると「おすい」とか「うすい」とかひらがなで書いてあると思います。「おすい」と書いてある蓋(枡)の下には汚水が流れています。汚水とはトイレなどの排水です。「うすい」と書いてある蓋(枡)の下には雨水が流れています。

蓋(枡)と蓋(枡)を繋ぐ形で地面の下を配管が通っているのです。そして最後の蓋(枡)から敷地の外に配管が繋がれて、道路の公共の配管に繋がります。

宅地の中ででた水は全てこのようにして宅地の外に排出されます。

だから大雨が降っても安心して暮らせるし、衛生的で快適な水洗便所が使えるし、シャワーの水もたっぷり流すことができるのです。

配管は地下を通っているので、忘れがちですが現代の快適な暮らしにはなくてはならないものです。

でも、これが実は門周りや玄関までの通路の設計をするとき色々な意味でネックとなってきます。

初心者のデザイナーがうっかり見落としがちな盲点がたくさん潜んでいます。

通路などでタイルを貼りたい場所に蓋(枡)があると、せっかくのタイルの中に黒やグレーの蓋(枡)が出て来ると見た目がよくないので、化粧枡と言って、中にタイルなどを貼ることができる蓋にしたくなります。
化粧枡は高いので、予算がない時は、タイルの床に蓋(枡)がそのままに埋まることになります。

また蓋(枡)がある所に階段の蹴上(立ち上がり)を作ることができません。

そして、蓋(枡)と蓋(枡)を繋ぐ形で地中に配管が埋設されています。その上にコンクリートブロックの基礎やカーポート屋根の基礎などを埋めることはできません。

などがざっと上げることができる盲点です。

そうなのです。門周りや通路の設計をしていると、いやっていうほど枡と配管の位置と深さを気にしないとならない場面に当たります。

地中の話で忘れがちだけど、とても大事なもの。それが蓋(桝)であり、地中の配管なのです。建物の計画の初期段階から門構えや通路の計画をすれば、おかしなことになるリスクをかなり下げることができます。

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