融資型クラファン・不動産クラファンのパッケージシステムまとめ
はじめに
背景
最近、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)、不動産投資型クラウドファンディングというものが流行りつつあるそうです。1か月に1つ以上の事業者が立ち上がっているそうですが、それぞれのサイトを触っているとSEの性か「この一覧画面見たことあるな…あのサービスと同じか。パッケージだな」と気づいてしまいます。だからなんだというわけではないのですが、なんとなくまとめたくなったので、自分用にこのnoteを作成しました。
参考サイト
サービスの一覧(と開始年月)は以下を参考にさせていただきました。
免責事項・補足
あくまで趣味レベルのまとめです。すべて推測です。誤っている可能性は十分あります。このまとめにある情報を鵜呑みにしてあなた・貴社が受けた損害などは関知しません。パッケージに関する正確な情報は各社にお問い合わせください。
投資勧誘でもありません。投資判断なども自己責任でお願いします。ラジオNIKKEIを聞いていたらよく流れる注意事項をそのまま脳内で流してください。
特定のパッケージを推すor貶める意図はありません。あのパッケージが良いor悪い、独自システムにしているのが良いor悪いを議論するつもりはないです。あくまで比較して文化や背景・戦略の違いを想像すると楽しいのではという意図です。自分はどの社の関係者でもありません。いち投資家です。
内容の削除・修正・追加に関しては @yu_20220121 、もしくは t.yu.20220121@gmail.com までお願いします(Twitterのほうが嬉しいです)
全部で18パッケージ。今後増えるかもですね。
CrowdShip Funding
グローシップ株式会社のグループ会社。
不動産クラファンポータル クラファンch (旧 CrowdFunding Channel) も運営中
不動産クラウドファンディング協会の正会員
代表的なサービス:Jointo α、bankers、AGクラウドファンディング、LEVECHY 。
「50社を超える事業者に提供した実績」があるとのこと
各社、画面は自由にカスタマイズしているっぽい。あまり共通点はないように見える。画面で見分けるのは難しいかも。唯一見極めれるとすると、ログイン画面で「次回はメールアドレスを省略」できるのはおそらくこれ。操作感も無骨な感じかなと思っていたのですが、LEVECHYでめっちゃぬるぬる動く感じにしてきました。やるやん(謎目線)
案件一覧画面のURLはhttps://(ホスト名)/investment/fund_list.html
案件詳細画面のURLが特徴的。
先着:https://(ホスト名)/investment/investment_entry.html
抽選:https://(ホスト名)/investment/lottery_application_entry.html
だけど、最近は違うパターンもある雰囲気を感じる
ENjiNE
株式会社Relic のグループ会社(株式会社Relicと株式会社CAMPFIREとの合弁会社)
不動産投資型・融資型だけでなく、購入型などにも対応(おそらく起源は購入型)。
代表的なサービス:パートナーズファンディング、TSON FUNDING、投活
一覧画面のURLは https://(ホスト名)/projects
案件一覧画面のデザインが特徴的。以下のようにカード型で、上部からサムネ、タイトル、応募金額、募集金額、応募進捗と続き、下部が3つに分かれていて、利回り・期間・最低出資金額を表示。
不特法クラウド
提供者:株式会社レプス
不動産クラウドファンディング協会の法人会員(2024.01.01加入)
"これまで累計20サービス以上(非公開含む)のリリース実績があります。"とのこと
採用しているサービスを見ると、書面対応を採用しているサービスが他と比べて多めかも。
「書面対応を"クラファン"に含めるのか」という議論はここでは対象外ということで
代表的なサービス: わかちあいファンド、みんなでシェアファンド、なにわファンド
案件一覧や詳細は自由度高そう
案件一覧画面のURLは https://(ホスト名)/fund
マイページが特徴的か。契約が電子化されていないサービスは利用していないので見れないのですが、この辺り表記はどうなっているのか興味あります
コネクト社パッケージ
提供者:株式会社コネクト
案件詳細画面に掲載される情報が、デザインはまちまちであるものの、「物件概要」「募集情報出資申込」「営業者取扱者」「FAQ」の4つから構成されている点が特徴。
案件一覧のURLは https://(ホスト名)/index.php?app_controller=search&type=items&run=true
PHPとはやるねぇ
BLITZ CFS
不動産クラファンサービス DAIMLAR FUND を運営。
不動産クラファンポータル BLITZポータル も運営中。だがほぼ休止中?
サイトによると18社が採用しているらしい
代表的なサービス:DAIMLAR FUND、ONIGIRI Funding、REISMファンズ
一覧画面が特徴的。カード型。上部がサムネ、下部に「利回り」「募集金額」「応募総額」「募集開始予定日」「募集終了予定日」「予定運用期間」(それぞれ表記は揺れあり)が表示されているのが特徴的。
一覧画面のURLはいろいろ
A's SEEDS
提供者:株式会社エー・ソリューションズ
A funding とは無関係
fundingtool
提供者:J Sync株式会社
旧社名:Robotシステム株式会社
Jトラストグループ。
不動産クラファンポータル OWNERS.COM も運営中。
2022.03.07に提供開始。
社名変更と同時にパッケージ「Robotシステム」も名前変わった?それとも別物?たぶんただしいっぽいけど真偽は不明
代表的なサービス:ライフフィールド ファンド
案件一覧が特徴的。横長。左から、サムネ、案件情報、応募進捗。応募進捗のバーがカラフル
ただ、最近はそこのカスタマイズも実施するっぽい。
一覧画面のURLは https://(ホスト名)/fund/list
GraphQLという技術を使ってるっぽい
ヘッダーは統一(変更余地はカラーリングぐらい
だったけれどもFANTAS fundingやFUNDIなど最近は変更できるようになってきた
GARYO社
CREALシステムOEM
提供者:クリアル株式会社
CREAL以外の導入事例は不明
代表的なサービス:CREAL
サイブリッジ社
提供者:株式会社サイブリッジ
たぶんパッケージにはなってない
代表的なサービス:COZUCHI(参照)
TASUKI TECH FUNDS
提供者:株式会社タスキ
これは立ち消えになったのだろうか
代表的なサービス:TASUKI FUNDS
サイバーブリッジ社パッケージ
提供者:サイバーブリッジ株式会社
こちらもまだパッケージにはなっていないと推測
代表的なサービス:TOMOTAQU
Securitize社パッケージ
提供者:Securitize, Inc.(米)、Securitize Japan 株式会社
アメリカ法人のプラットフォームをもちいて日本法人が開発?詳細は不明。
STO(セキュリティトークンを用いた資金調達)化も可能、STOなしの利用も可能らしい
LIFULL Investment社と協業
代表的なサービス:BATSUNAGU
gro funding
※ HTTPSの証明書が切れています。アクセスは自己判断でお願いします
https://www.gro-funding-pro.com/
提供者①:株式会社グローベルス
同パッケージに関する問い合わせTELはグローベルス宛てのようなのでおそらくこちらが主管。
不動産クラファンサービス 大家どっとこむ を運営。
不動産クラファンポータル CRAMO も運営中。
Jトラスト株式会社のグループ会社。
Jトラストの子会社には上述のJ Sync株式会社があり、fundingtoolを提供中。となるとJトラストは同じグループなのに2種類の不動産クラファンパッケージを持っていることに。どのパッケージを採用するかと、どのグループ傘下になるかは連動していないのでこういうことが起きても仕方がない。でも本パッケージの営業サイトのHTTPSの証明書が期限切れしていることも考えると、Jトラスト(とグローベルス)は店じまいと考えているのかも。大家どっとこむのfundingtoolへの移行の可能性も考えられるけど、さすがになさそう?システム移行って面倒ですからねぇ…ユーザ影響あればなおさら。
提供者②:サムライテクノロジー株式会社
旧社名 株式会社ヴィオ
ロゴはSAMURAI証券とロゴと同じ。18年にグループ会社だった(?)
現在は株式会社コマースOneホールディングスのグループ会社。
代表的なサービスは大家どっとこむ
ヘッダーが特徴的。
案件一覧画面のURLは https://(ホスト名)/fund/index
FUEL社プラットフォーム
提供者:FUEL株式会社
乗るサービスでアカウントが共通となるためプラットフォームとして扱います。各サービスのサイトはあるものの、ファンド一覧はFUELオンラインファンドからも見れる。ただ、すべてのサービスの案件が償還済みで休業状態か。
代表的なサービスはCRE Funding、高島屋ソーシャルレンディング
ソシオクラウド
提供者:株式会社ソシオアンサー
上記に「システムの外部提供を行う計画」とあったので「独自」でまとめず別枠にしてみました。
24年6月現在は新規登録停止状態となってしまったので、頓挫してしまったかもしれません。
代表的なサービス:ソシオクラウド
maneoマーケットプラットフォーム
提供者:maneoマーケット株式会社
乗るサービスでアカウントが共通となるためプラットフォームとして扱います。
代表的なサービス:maneo、グリーンインフラレンディング
FTK-RM(フトクルミ)
提供者:日本橋くるみ行政書士事務所
おそらく業務側のみで、投資家(消費者)側の機能はない
詳細へのリンクが切れていたので、もしかしたらサ終かも
投資家目線では使わないものかもしれないけど、念のため記載。
採用数
サービス開始年月が不明なサービスはカウントしていません。
独自・不明もカウントしていません。
サ終はカウント。
リニューアル(利用パッケージ変更)は両方にカウント。
募集と運用が分かれている事業の場合(不特法1号2号が別、など)は募集側がプラットフォームとなっていると考えて、運用側の数もカウント。
採用リスト(どこがどのパッケージを利用しているかの推測)は最後に付録します。
ランキング
CrowdShipFundingがダブルスコアで1位。その次に、ENjiNE、不特法クラウドと続きます。
CrowdshipFunding:39社
ENjiNE:20社
不特法クラウド:13社
maneoマーケット:11社
fundingtool:8社
A'sSEEDS:6社
コネクト社:6社
BLITZ CFS:6社
FUEL:5社
grofunding:4社
GARYO社:3社
Securitize:2社
CREALシステムOEM:1社
サイブリッジ社:1社
TASUKI TECH FUNDS:1社
ワンエイティ製:1社
サイバーブリッジ社:1社
ソシオクラウド製:1社
推移
融資型クラファンのフロンティアであるmaneoがトップバッター。CrowdShip Funding は2021年頃の勢いがすごいですね。その後もコンスタントに採用数が伸びてます。シェア1位はやはり営業面でも強いのでしょうか。2023年秋ごろにもサービス開始ラッシュがあったのですが、これはENjiNEが強かったようですね。それ以降はどのパッケージも均等に伸びているような感じです。
おわりに
調べてみるといろいろあるものですね。思ったよりも数があったのでびっくりしました。機能比較まではできていないのは少し心残りですが、そのあたりは今後の課題かなと思います。時間があればやります。
付録:採用リスト
あくまで推測です。
CrowdShip Funding
X-Crowd(サ終):ソース
BATSUNAGU(~23年10月。リニューアル)
Mr.FUNDMAKER(サ終)
Bankersをプラットフォームとした募集
Bankersをプラットフォームとした募集
72crowd. をプラットフォームとした募集
GATES FUNDING(24年6月~リニューアル)
ENjiNE
ぽちぽちFUNDING(サ終)
GATES FUNDING(~24年6月。リニューアル)
ADVANCE FUNDING(サ終)
mitasuファンディング(サ終)
不特法クラウド
東京リードファンド(サ終)
コネクト社パッケージ
BLITZ CFS
A's SEEDS
fundingtool
GARYO社
CREALシステムOEM
サイブリッジ社
TASUKI TECH FUNDS
サイバーブリッジ社パッケージ
Securitize社パッケージ
BATSUNAGU(23年10月~リニューアル)
gro funding
大家どっとこむ上での募集
大家どっとこむ上での募集
FUEL社プラットフォーム
CRE Funding(サ終、FUELオンラインファンドに統合)
高島屋ソーシャルレンディング(サ終、FUELオンラインファンドに統合)
DL FUNDING(サ終)
ソシオクラウド
maneoマーケットプラットフォーム
LC Lending(サ終)
クラウドリース(サ終)
スマートレンド(サ終)
アメリカンファンディング(サ終)
さくらソーシャルレンディング(サ終)
キャッシュフローファイナンス(サ終)
アップルバンク(サ終)
プレリートファンド(サ終)
独自・不明
FANTAS funding(~24年9月リニューアル)
エードMYバンク(~24年8月リニューアル)
SBIソーシャルレンディング(サ終)
ラッキーバンク
クラウドリース
みんなのクレジット
TATERU Funding
AQUSH(アクシュ)
FIT FUNDING
ぽちぽちFUNDING
AP Funding
更新履歴
20240602:今更更新履歴を始める
20240602:サービス2件追加(おうちの再生ファンドVIFA、Asset compass)
20240611:見分け方を各パッケージ紹介に内包するように移設
20240611:Re-plan Funding、GATES FUNDING(新)を追加
20240611:募集と運用が別事業者の場合(不特法1号・2号が別事業者の場合など)は別サービスとしてカウントしてみる
20240611:ソシオクラウドのシステムを外部提供する計画があったことを受け、システムとして章を作成
20240611:PRTIMESのリンクを追加
20240919:以下のサービスについて追記。LIFULL 不動産クラウドファンディング、つくるファンド、ヤマワケ、ジャストフィット(電子型)、エードMYバンク、COSMOBANK FUNDING、FANTAS funding、ネット不動産ファンディング
20240919:maneoマーケットについて追記
20240925:各サービスの棚卸