ゾーンに入った経験

今までの人生においてゾーン(超集中状態)に入った経験は何度かあったと思う。
その内の2回は特に鮮明に感じて覚えている。

いずれも小学校時代の事である。
1度目は少年野球をしていた5年生の時。
公式戦の打席でのこと。

私はバッティングがあまり得意ではなかった。
6年生が投げる球が速くていつもビビっていた。
デットボールが怖かったのだ。

しかし5年生となり高学年なのだから、
「もっと打てるようになってやる。」と意気込みだけはあった。

その試合中も1.2打席は凡打か三振だったと思う。
しかし遂にその時がきた!
なんとしてもこの打席にヒットが打ちたい。
ランナーも出てるし、そもそも皆にかっこいいところを見せたい。
打席に立ち構える。何球目だったかは忘れたが
相手ピッチャーが振り構えて投げた。

その瞬間から時間の流れが急にゆっくりになった。
さらに野球ボールがバレーボール位に大きくなり
ボールの模様、そして回転までハッキリ見える!!


「見える!しっかり見えるぞ」と心の中で思いながらバレーボールと化したボールをバットで打ち抜いた。
"カキィーーン"
ボールはピッチャーの頭を超えてセンター前ヒットとなった。

この後からは不思議とバッティングが好きになり
ヒットが量産出来るようになったのである。

2度目は小学校6年生の時。
ミニバスケットボールの試合中におきた。

5年生から始めたミニバスが楽しく、試合に出れるのを楽しみにしていた。特に上手い訳ではなかったが背が高かったので試合に出してもらうことも増えてきていた。

そんな時の試合中、
私にゴール前でパスが回ってきた。

その瞬間から時の流れが変った。急に相手の動きが
遅くなりハッキリと動作が見えるのである。


私は覚えたてのシュートフェイントをとっさに掛けた。相手ディフェンスは見事に引っかかり宙を舞った。マンガのようなスローモーションで。私は1回ドリブルをついて相手を交わしシュート。
”スパッ”とシュートを決めた。

この2回の出来事は30年以上経ったいまでも鮮明に
覚えている。これ以降、ここまでのゾーンは経験していない。
大人になった今、あの感覚をもう一度経験したいものである。



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