ドラマ「わたしを離さないで」をみて春馬くんに恋をした


私が春馬君をはじめて知ったのは、2019年公開の映画「コンフィデンスマンjpロマンス編」のジェシー。もともとドラマのファンだったから、映画も楽しみにしていて、公開と同時に即、観に行った。

春馬くん演じるジェシーは恋愛詐欺師。とにかくかっこ良くてチャーミング。この役者さんが三浦春馬か?良いなぁ。その時はそんな感じ。

そして、2020年7月18日。彼の突然の訃報。あの日から、彼のことを知ろうと必死になる私がいて、自分でもびっくりしてしまう。

そして、ドラマ「わたしを離さないで」に出会った。

2017年、ノーベル文学賞を受賞したカズオ、イシグロが2005年に発表した衝撃作を、綾瀬はるか、三浦春馬、水川あさみの豪華共演でドラマ化。世間から隔離された施設陽光学園で゙良質゙な教育を与えられた恭子、友彦(トモ)、美和。生まれながらにある使命を与えられた3人の男女が、生きること、愛することに真摯に向き合う姿を描いたヒューマンラブストーリー。


5話ののぞみが崎のシーンが大好き。のぞみが崎という、なんとも希望がありそうな架空な地名。無くしたものがたどり着く場所。ここに、綾瀬はるかさん演じる恭子と訪れる春馬君演じるトモ。電車の中の二人が微笑ましくて、初々しくて、可愛いい。海が見えて子どものようにはしゃぐ感じもリアルに表現してくれている。

電車からは美しく見えたのぞみが崎は、海流の影響で、海岸にはゴミが打ち上げられていた。人生に希望を持てない恭子に少し苛立ち、いきなり走り出すトモ。リサイクルショップらしき所に入り、やみくもに、店内で恭子の無くなったCDを探しまわる。「ここになきゃだめなんだよ。だってここは、のぞみが崎だから。俺らは、そう教わったんだから」
と、必死になくしたCDを探す。その時、奇跡のように店内から流れるあのなくしたCDの曲。トモは急いでレジに向かい、売り物ではないCDを店主に売って欲しいと頼む。トモと恭子がクローンであることを知った店主は、一瞬怪訝な、同情をふくんだ表情になるが、「あげるよ。君たちからもらった物に比べればこんな物」と言って譲ってくれた。恭子は気まずそうにしているが、トモは素直にお礼を言って、恭子にその場で「はいっ」てCDを渡す。子どもの時そうしたように。そして、さらっと店を出て行く。こういうトモの素直さやピュアな心根を、春馬君は自然に見事に表現してくれている。CDの曲、「NeverLetMeGo」のメロディもドラマの雰囲気にぴったりだ。

駅で夢を持つ事の大切さを、恭子に優しく語りかける表情は、もう、恭子のセリフにあるように「トモっていいなぁ。好きだなぁ。」と私も思ってしまった。感動して涙を流す恭子に「ごめん。俺なんか悪いこと言った?」と謝る表情が優しくて、今、これを書いていても涙が出る。

そして、最終話は悲しい運命の結末を迎える。しかし、光もある。トモそのものにみえる春馬君の素晴らしい演技が神々しい。

トモは、陽光学園の教師で大好きだった龍子先生に恭子と一緒に会いに行く。
そこで、子どもたちのサッカーの試合を見る。サッカーをしているひろきと呼ばれていた少年は、かつて、陽光学園で一緒に学んだひろきという友達から、臓器の提供を受けた人の子どもだった。ひろき君からもらった命だから同じ名前をつけたと龍子先生から聞かされた。龍子先生から「生まれてきてくれてありがとうございます。」と言われたトモは、虚無の表情から一転笑顔をつくり、「世界は広かったんですね。先生が教えてくれたじゃないですか。」とふっきれたように話す。子どもの頃トモは、サッカー選手になりたいという夢があった。龍子先生から、「世界は広い。君たちが思うよりずっと。未来は変えられるんだよ。」と教えられていたが現実にはそうはならなかった。トモの悔しい心情は、計り知れない。それでも、「世界は広い」と言ったトモの言葉に、先生も泣き崩れ、私も涙腺崩壊だった。あの虚無な表情は本当に切なく悲しく、そして何か悟りのようなものを、感じさせてくれた。トモそのものにみえる春馬君の表情に心をつかまれる。

恭子との別れも近づいて、トモからの告白。「夢はもうかなっていたんだよ。恭子にずっと会いたかった。だから、夢はかないすぎるくらいかなっていたんだ。」「生まれてきて良かったよ。恭子に会えて良かったよ。」と優しく恭子に語る。まるで私が言われているかのような錯覚を覚えて、涙が溢れる。


トモを失い、仲間もいなくなってしまった恭子は再びのぞみが崎を訪れる。多分、死を覚悟して。しかし、そこで奇跡が起こる。トモからの愛のメッセージともいえる奇跡が。生きることの尊さや儚さ、何気ない日常を大切に生きようと思えるドラマだ。

このドラマはDVDも持っているのだけれど、メイキングがまた良い。クランクアップの綾瀬はるかさんの綺麗な涙。演じるってこういう事だったんだと思える作品であると語っていた。オフ日の春馬くんが、トモの幼少期を演じている子役の演技を参考にするために見に来ている映像が入っていたりする。本当に良い作品にするために頑張っていることがわかる。

悲しいドラマなのだけれど、癒やされる不思議なドラマ。

大好きです。三浦春馬さん。




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