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MARIKO TRIP代表のフードアーティスト宮本真理子さん

誰もが必ず持っている“いのちのたね”をテーマに、お料理を表現する活動をされているフードアーティストの宮本真理子さんにお話を伺いました。

宮本真理子さんのプロフィール
20代に化粧品企業で、営業を経て健康・美容食品のブランドマーケティング
に携わる中、東日本大震災を機に体調を崩し、それが転機となりお料理の扉が開く。現在、全国各地で”からだ・こころ・スピリット”を整えるお料理ワークショップを開催中。

記者  全国で「わたしの”たね”をみつめるお料理ワークショップ」をされてい ますが、最初にお料理を始めたきっかけを教えてください。 

宮本真理子さん(以下、敬称略) 実は、もともとお料理が得意だったわけではなかったんです。もともと働く事が大好きだったので、学生時代を経て希望の化粧品会社に就職をして、 土日も休まず仕事をしていることにやり甲斐を感じていました。でも、201 1年に東京で東日本大震災を経験してから、これまで築いてきた価値観が”がらっと”変わったのです。「何かが、違う...」と。でも、その”何か”がわからず、違和感を抱いたまま1年半過ごしていました。日に日に身体や心のバランスも崩れていきました。ある日、不思議な話なのですが、仕事中に何か自分の内側に向かって大きな感覚が走ったんです。その感覚に嘘をつけず、翌日、突然実家の奈良に帰ってきてしまいました。あれは、まさに直感が走った瞬間でした。

記者  東日本大震災で価値観が変わった方は多いみたいですが、まさに人生の 転機の瞬間だったんですね。

宮本  はい、私にとってまさに大きな転機でしたね。でも当時は、実家に帰ってきたもののお先真っ暗で、毎日、過去に対する後悔と未来に対する不安でいっぱいで、「今」を生きることができなくなっていました。 そんな時に、知り合いの方から手渡されたのが、お料理の本だったんです。当時、恥ずかしながら仕事が忙し過ぎてお料理には無頓着な生活でしたから、食べ物で身体に影響を与え、それが心にも繋がっているなんて、知らなかったんですよね。でもそれがきっかけで、お料理を始めていくことになります。

ある日、急に黒豆の煮物を作ろうと思い立ち、キッチンで初めて作ってみたんです。祖母が置いていったレシピでした。レシピのままに行程を踏み、鍋の中でグツグツとお豆さんが煮えてゆく音を聴いていると、ある瞬間、その煮える音だけに私の意識がハマったんですね。まるでゾーンに入ったような感覚でした。その瞬間に確信しました。「私、この感覚を知っていれば、生きていける。」って。それは、過去とか未来ではなく、まさに「今」を生きている深い体感で、それは人生で初めての体験でした。その感覚の体験を以って、お料理の扉が開いて行ったように思います。

記者  ロータルトのワークショップを全国で展開されてらっしゃいますが、どんな夢やビジョンを描いていますか?

宮本   お料理をきっかけに、その人の本質的な生き方・在り方に気付く種蒔きができたら嬉しいですね。その本質的なものが、お料理でなくていいと思っています。きっと、それぞれ生きていく上でみんな役割があると思っていますから。
私は当時、お料理に興味を持ち始めたものの、人と会うのが億劫になっていてお料理教室に行けなかったんです。ですから当時、地元の図書館に通っては、 お料理の世界を深めていきました。振り返ると、私にとってのお料理の先生は「本」でした。それしか方法がなかったのですが、それは、今になれば、私にとって大きなギフトでした。ある時、お料理本を読んでいると、気づいたんです。「私は、レシピよりも、その本を綴る方々の生き方・在り方に惹かれている...」と。それは、お料理の中に込められる”想い”に繋がるものがありました。その言葉のひとつひとつから、その方の美しいひととなりを感じて、その方の人間性や暮らしから、この美しいお料理がある事をとても魅力的に感じていました。”目に見えるお料理”と、そこに込められる”目に見えない想い”の共存に、私のハートが深く反応しました。

2015年から、全国各地で旅をしながらお料理ワークショップをさせていただいていますが、私が伝えたい根本は”ここ”あります。
お料理はもちろん大切なのですが、その根本に、お料理をする私たちが、いのちの「本質」と繋がることができると、そこには、お料理の得手・不得手の尺度ではない「いのちが歓喜する世界」があるのではないかと。そのためには、まずは、いのちあるものは全て”種”から芽吹いているように、私たちのいのちも、”種”が根源であることを知ること、みつめること。そこをワークショップの時間の中でお伝えさせていただいて、お料理をしながら皆さんと内観していくことで、自分自身の本来の豊かさ、価値、幸せの本質に気付いて共振し合えたら、これ以上に幸せなことはないですね。自分の種(いのち)をみつめて、あるがままの”わたし”に還る時間をMARIKO TRIPのワークショップで創造すること...やり甲斐を感じる瞬間が、ここにあります。それは、これからどのような表現方法になろうとも、伝え続けていきたいと思っています。

記者  ただのお料理ではなく、今ここの自分自身を見つめて、本来の自分の種が持っている情報とつながるワークショップをされてるんですね。心と体と魂が三位一体でつながっているのを体感されてらっしゃるからこそ、そのバランスを整える場をつくられているような気がしました。

『目に見える世界』と『目に見えない世界』がつくっているお料理

記者  人生において、一番大きな心の変化は何ですか?

宮本  目に見えるものだけに意識と信用を向けていた生き方から、目に見えない世界にも意識を向けるようになったことが、大きかったですね。その事がきっかけで、心の中に「静寂のスペース」を持てるようになってきたように思います。あの時、黒豆を煮たときに感じた「今」を生きる心の静寂をこれからも大事にしたいと思います。

記者  どんな美しい時代をつくっていきたいですか? 

宮本  人の見た目の先の美しさだけではなく、その人が本来持っている本質的な美しさを認め合える時代を創造していきたいですね。本質的な部分を日々磨いている人と会うと、無条件に元気になれますし、また会いたくなります。私も、「また会いたい」と思っていただける人になれるよう、日々の暮らしの中で意識を深めていきたいと思います。

記者  ワークショップ、行ってみたいですね! 自分との対話を通して本来の自分の種とつながる時間、今ここに還る時間の大切さを感じました。忙しいときは今に集中すること、自分を整えること、つい忘れてしまいそうになりますが、大切なことをお伝えいただき、ありがとうございました。

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宮本真理子さんの情報はコチラ↓↓
◆インスタグラム
https://www.instagram.com/marikotrip/
◆ホームページ
https://marikotrip.wixsite.com/marikotrip

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★編集後記★
インタビューの記者を担当した泊、古田です。 記事に書ききれないくらいのたくさんのお話をいただき、魅力的な人柄に惹きつけられました。今ここを生きることの大切さを多くの方へお届けしたいです。 貴重なお話ありがとうございました。

この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。