空間にある階段

空間と申しましても、どこかの地方の駅。
その駅前の広場のようなところでございましょうか。
のどかな田園が広がるような小さな都市の中にある階段がありまして、高所恐怖症の私ではあるのでございますが、十数メートル位の高さの一番最上部で焦っているのでございます。

機械のようなおもちゃのような。そのようなものの解除だとか、施錠されたものの解錠ができない。
後ろは長蛇の列となってはおるのですが、最上部より先には空間しかございませんで。

焦る私を何人かのお人が手を添えてくださったり、私が落ち着くような優しい言葉をかけてくださり、私はすこしづつ、丁寧に何か「開く」作業を続けるのですが、なかなかうまくいかないのであります。

しかし日本でのできごとなのでしょう。後ろに並ぶ方たちは不満そうな顔一つせずに、きちんと列をなして、待ってくださるのです。

その後私が、その何かを開いたかどうかは存じ上げません。

ゆっくりと丁寧に、時間をかけて生きていくことは手間はかかるのですが、自己を癒やすのには大変重要なことだと私めは考えるのであります。
皆さまはどのようにお考えでしょうか。


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