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子どもにどのように質問したらいいか分からないとき、スグに使えるワザ 問いのデザイン vol.2


答えは、いつだって子どもの中にあります。

「こんなことを考えているだろう」と思う推論は、当たっていることもあれば、ハズれていることもあります。

僕たちは、ついつい「たぶん、こうだろう……」と思って、邪推します。

でも、間違っていることって多いのです。

子どもがため息をついたからと言って、いつでも悩んでいるとは限りません。

たまたまスマホゲームのガチャをはずしただけかもしれません。寝不足で疲れていただけかもしれません。

分からないのですよね、聞かないと。だから、どんどん子どもに訊く必要があります。

「どうした?」と。

でも、なかなか聞けない。

なぜか?

理由は、大きく3つあります。

地雷を踏むと怖いから訊けない
訊いても答えてくれない
どう訊いていいか分からない

1つ目は、勇気の問題です。思い切って訊きましょう。このあたりの話はまた、詳しく書きますね。

今回は、2つ目、3つ目の問題に対しての取り組みをご紹介します。


訊いても答えてくれないのは、「関係性」と「問いの質」の2つの問題です。

信頼ゲージが高まっていけば、質問してもちゃんと答えてくれるようになっていきます。

ただ、関係性が出来ていても、うまく答えてくれないときがある。

そんな場合、ほとんどの問題は、問いが悪いのです。
(あとは、タイミングも重要です!)

問いとは、質問内容ですね。

よくあるのが、「学校どうだった?」とか「最近どう?」ってやつです。


「最近どうでっか?」
「ぼちぼちでんな」

というやりとり、聞いたことありますよね。

この質問、抽象的なんですよ。
「どう?」とは、いったいなにが「どう?」なのでしょうか?

売り上げ? 体調? 夫婦仲? 部下との関係性?

なにを聞いているか分からないから、「ぼちぼち」という抽象的に答えるのです。

「学校どうだった?」も同じですね。

なにが聞きたいのか分からないのです。

子どもの体調について聞いているのか? 友達との付き合いについて知りたいのか?
楽しかったかどうか聞きたいのか?

いったいなにが聞きたいのか分からない。だから、答えにくいのです。

特に男子は左脳型で、論理的に考えるので、「なにが聞きたいのか?」という目的がハッキリしない問いについては、答えることができません。

「別に……」というのは、「いったいなにが聞きたいのか分からない」という意味とほとんど同じです。

「どういうこと?」と言えば、揉めますよね。「いや、分かるでしょ」みたいに言われる。また、そこで会話が長くなってもめんどくさい。だから、「別に……」と言って、会話を終わらせにかかるのです。

問いをデザインする力を身につけていくと、質問したとき、ちゃんと子どもが返事をしてくれます。明確な問いが明確な返事に繋がっていくのです。

今回は、“どう訊いていいか分からない”という問題に対して、具体的な質問方法をご紹介しましょう。


オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける

質問には、2種類あります。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンです。

オープンクエスチョンは、自由回答が出来る質問。
クローズドクエスチョンは、「はい」「いいえ」で答えられる質問。

「どう思う?」「どうしたい?」などは、オープンクエスチョンです。
「おやつ食べる?」は、クローズドクエスチョンです。「うん」「いいえ」で答えられますよね。

この2つを使い分けるのが、質問での基本です。

オープンクエスチョンは、開いた質問。
クローズドクエスチョンは、閉じた質問です。

開く、閉じるを意識して質問をしていくと、それだけでも質問の力はメキメキと上達していきます。

たとえば、アンケートって始めの問いは選択式です。

問1. 今日は、参加して満足でしたか?(はい いいえ)
問2. 満足度 1 - 5 当てはまるところに○をしてください。

みたいな感じですよね。

1問目から、「今日の感想を教えてください」とは聞かれません。初っぱなから、「感想を!」と言われても、答えにくいのです。

でも、満足度について答えると、その理由について書けるのですよね。

「とても満足。学びたいことが学べたからです」みたいな感じですね。

質問をするときは、オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分けて訊いていきます。

このときにこうしましょうというマニュアルはないので、意識しながら使っていきましょう。そして、オープンで訊いて子どもが困っているようなら、クローズドで訊きなおしてみるといった感じで臨機応変にやっていきましょう。


たとえば、「今日、何食べたい?」(オープンクエスチョン)で訊いてみる。でも、「いやぁ、特に……」と言う。

なら、「こってりしたヤツでいい?」(クローズドクエスチョン)と訊いてみる。

「うん」と言えば、「こってりで食べたいものある?」(オープンクエスチョン)と続ける。

「なんでもいいわ」と返事があれば、「揚げ物でいい?」(クローズドクエスチョン)と言った感じで訊いていきます。

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