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Alexaは電気執事の夢を見るか

はじめに

こんばんは、株式会社ABEJAの津田です。
この記事は『ABEJA Advent Calendar 2021』の11日目の記事です。
(前日10日目の記事は弊社におけるドキュメント管理のNotion移行のお話です、よろしければ是非)
さて、この記事ではシステムエンジニア・システムコンサル・AIコンサルと歩んできて現在AI系案件のプロマネをメインの生業としている私が、我が家を主にセンサー付き照明とswitchBot製品・Alexaを使っていわゆるスマートホーム化してみた、という話をつらつら記載させていただければと思っています。

1.我が家をスマートホーム化した理由

我が家をスマートホーム化しようと思った理由は主に以下です。

・引っ越し前(~本年7月)の家の玄関(内側)のダウンライトがセンサー付きだったので家に帰った時に勝手に電気がつかないことへの不満がすごい
・夜中に廊下に出るときに暗いのは怖い
・寝るときに電気を消したりカーテン閉めるの面倒くさい

不満、怖い、面倒くさい…そんな小さなもやもやの蓄積が我が家スマートホーム化計画のはじまりでした。

2.ユースケースを整理し実現方針を描く

そうと決まればまず大事なのは設計です。
とにかく全部Alexaに声掛けする形でスマートホーム化すると単に面倒なだけだとも思ったので、

・単にセンターで動いてくれるもの
・こちらの声掛けで初めて動いてくれるもの

をきちんと切り分けようと思いました。
ということで、自分が1日どういう動き方をしていて、どこで何が出来たらよいか、をユースケースと位置付けて整理してみました。

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大きく分けると、

・廊下やトイレ、洗面所等とにかく人がいたらON、いなかったらOFFでよい場所はセンサー付き電球
・リビングと寝室のように、人がいる状態でも色々とシーンの変化が必要なものはAlexa⇒スマートリモコンでの操作

となっていて、且つ、Alexaへの呼びかけも極力上記に則った挨拶、をトリガーにしてまとめてしまおう!という方針としました。

後から見ると当たり前のことしか言っていませんが、こういう1ステップを挟むのは(AIやシステム導入のコンサルをしている身としては)大事だなと思う訳です。

3.利用製品

今回利用した製品は以下の通りです。

・パナソニック LED電球 ひとセンサタイプ[E26口金]
・Amazon Echo Show 5 第2世代 ※前から所持していたので世代は曖昧
・Amazon Echo Dot 第4世代
・Nature nature Remo mini2
・SwitchBot スマートホーム学習リモコン
・SwitchBot カーテン
(番外編-今回は割愛)townew全自動ゴミ箱 ※お手洗いに設置しました

4.厄介だったところ

①センサー付き電球と口金が合わない
ひとセンサー付き電球を設置したい箇所の元々の口径は、

・SIC、トイレ、洗面所、リビング入口:E17(17口金)
・玄関:ツイン2型の蛍光灯

でした。つまり26口金のセンサー付き電球は入らないのです。
そこで利用したのが、”コンバータ”です。

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写真の上の電球のように、17口金⇒26口金、に変換してくれるコンバータをかませることで、口は写真下の17口金と同じ、でも、26口金の電球がつけられる状態、になりました。

もっと面倒だったのは蛍光灯の変換です。こちらは(1)ツイン2型⇒26口金のコンバータ(2)90度曲げられる26口金⇒26口金のコンバータを2つかませたうえで、
蛍光灯の内部に組み込まれている”安定器”を取り外す
という工事を実施してもらいました(※要電気工事士2級)。正直そこまでやるかという話もあると思いますが、『これがトイレだったら我慢できたけど玄関だったから我慢できなかった』というところです。

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②SwitchBotカーテンを両開きにするとAlexaとの相性が悪くなる?
リビングでは両開きのカーテンにSwitchBotを設定しています。
こちらは原因分析が出来ているわけではないので、たまたまデバイス本体に問題がある可能性も否めないのですが、『カーテンが片方しか開かない/閉じない』、という現象が割と頻発しています。
もともとSwitchBot側には”両開き”に対応するためのペアリングモードが存在しているのですが、残念ながらそのペアリングをしても、その設定をおこなったデバイスをAlexaで動かそうとすると主となっている方しか動いてくれないようだったので、

・SwitchBot側では右のカーテン、左のカーテンを独立して設定
・Alexaにも独立した存在として登録し、Alexaの定型アクションで両方のカーテンを開くように設定

としているのですが、それが原因なのかもしれません…
両開きカーテンをうまく制御できる方法については今後も少し設定をいじってみようかと思っています。

5.効用が高かった使い方と失敗談

効用が高かった使い方
結論から言うと、基本全部便利です。

特にセンサー付き電球は神でした。
家から帰って来てリビングに入るまで。朝寝ぼけながら廊下に出てトイレに行く。洗面所に行く。出がけにSICで靴を選ぶ…すべてがハンズフリーで完結。しかも消し忘れもない&お風呂に入っている無駄な時間は洗面所は電気が消えてくれる、で普段家をウロチョロする際の手間は格段に省けたといっても過言ではないでしょう。
何分工数が減ったか?そういう問題ではないのです。頻度の問題。
但し、コンバータを入れている分どうしても本来の電球の位置からはみ出してしまうのが玉に瑕です…

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また、Alexa呼びかけトリガーの定型アクションも基本的に全部便利です。
特に寝る前の”おやすみ”に反応して電気を消し、カーテンを閉めてくれるのは、寝る直前のQOLを爆上げしてくれます。
また、家に帰ってきたときに誰からもおかえり、って言ってもらえない寂しさを埋めてくれるのが、”おかえりなさいませ、ご主人様”のAlexaの声。
仕事でへとへとでも、嫌なことがあったとしても、今日も我が家の電気執事はあたたかい。

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失敗談
Nature Remoには温度センサーがついていたので、当初の計画では

夜の間に寒くなったら勝手にエアコンをつけてもらう

というシーンを想定して、
Nature Remo側のオートメーション機能を利用し

@寝室 
If ”温度が20℃以下になったら” then "暖房を22℃・風量autoでつける"

という設定をかませていたのですが、これがいつ発動したかというと、

朝、空気を入れ替えるために寝室の窓を開けてリビングにいる間

に発動しておりました。地球温めてたやつー!
はい、これぞ『考慮漏れ』、ですね。
ということでこちらのオートメーショントリガーはその日のうちに停止しました。

6.Alexaが電気執事になるために出来てほしいこと

①グループ間でマイ定型アクションの実行条件重複を許してほしい

寝室とリビングでは全て同じAmazonアカウントを利用して紐づけを行っています。先ほどの一覧をみていただくと分かるように、自然な形にしようと思うと、『リビング』でも、”Alexa、おやすみ!”と言いたくて、『寝室』でも”Alexa、おやすみ!”と言いたいのです。
ですが、少なくとも私の知る限りでは、全く同じ文言をトリガーにして複数の定型アクションを作ることはAlexaアプリではできません。
我が家では巧妙に、

・リビングでは”Alexa、おやすみなさい”
・寝室では”Alexa、おやすみ”

という日本人にしか出来ない荒業(?)でトリガーを分けているのですが、普通にリビングで言い間違えて寝室が全てOFFになるという事故も起きているため、部屋ごとに設定、のような枠組みが出来るとよいなと願っております。

②IF条件での分岐・複数候補の中でのランダム実行の機能をつけてほしい

IF条件での分岐
IF条件をかませられると、例えば寝るときに室温が20℃以下だったら暖房のスイッチもONにする、等パターンが柔軟になるのにな、と思っております。
複数候補の中でのランダム実行
これは完全にNice To Haveの領域になってきますが、毎日毎日、”おかえりなさいませご主人様”・”おやすみなさいませお嬢様”ではあまりにも機械的(機械だけど)で空しくなってしまうこともある訳です。

・おかえりなさいませご主人様
・今日もお疲れ様でございます
・お嬢様、本日のお夕飯は何になさいますか(作るとは言っていない)

くらいの文言が毎日ランダムで繰り出されてくれた方が満足度が高まるな…とそういうことで、Alexaが何かを言う、というコマンドには複数の値を入れてその中でランダム実行、のような設定があると嬉しいなと思ったのでした。

7.まとめ

・家をスマートホーム化するときは最初にユースケースを考えると吉
・センサー付き電球はとにかく便利
・Alexaの定型アクションを普段の自分の行動と合わせると使い勝手良し
・定型アクションの設定の柔軟性の今後に期待

8.お知らせ

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