絵、いぇーい!#26
前回のあらすじ
妖精により、とっておきの必殺技を授かったカエルは懇親の一撃「はどーけん」をうさぎに命中させた。直前でガードをしたうさぎははどーけんの衝撃と共に爆発した。果たしてうさぎを打ち倒すことはできたのか。
今日のお題
「効いてない」「魔女のようなうさぎ」「かめはめ波」です。
「効いてない」
爆発の煙が去り、カエルは瓦礫から立ち上がった。
そして絶望した。
全然、効いていない。
必殺のはどーけんが正面から当たったはずなのに、うさぎには全く効いていないのだ。
「一体、どうすればいいんだ」
もうダメだ。
カエルは膝から崩れ落ちた。
妖精がいない今、同じように「はどーけん」をうさぎに当てることは出来ない。
ましてや当たったところで、うさぎには効かない。
うさぎは臨戦態勢に入ると思いきや、その場に立ち尽くしている。
身体を屈め、力を集中させはじめた。
「魔女のようなうさぎ」
力を溜めているうさぎ、どんどんと異形と化している。
もう昔のウサギとは違う。
先程まであった、怒りの感情は消え、ただの動物になり下ってしまった。
こうなってしまうと、いくら呼びかけてもうさぎには声が届かない。
カエルの心はすでに絶望に満ちている。
すると、どこからか声が聞こえてきた。
「カエルよ、諦めては行けない。おまえには実はもうひとつの必殺技を託している」
「その声は、妖精?なんでさっき教えてくれなかったんだよ」
「それはな、その技にはリスクがある。溜めの時間がかかるのだ。はどーけんとは違い、コマンド入力で一瞬では出すことができない」
先程のうさぎの高速移動、なんとか捕らえることができたが、今度ははどーけんよりも当てることが難しい。
やっぱりだめかもしれない。
「諦めるな!どうせダメなら、最後までやれ!カエルよ。お前の力で、うさぎを助けるのじゃ!」
「わかったよ!オラやってみる!」
「かめはめ波」
拳に力を込める。
そしてお決まりの掛け声
「かーめーはーめー」
うさぎがそれに気が付き、高速で移動をはじめた。
野生の勘、やばいと思ったのだろうか。
「だめだ、これじゃあ、当たらないじゃないか」
ふいに、どこからか声が聞こえる。
カエルさん、私を助けて
「その声は!?うさぎ?」
こんな醜い私は私じゃない。どうか、この世から消滅させて、お願い。
「うさぎ、オラはお前に本当に悪いことをしたと思っている。本当に申し訳ない」
いいのよ、私だってあなたに同じ様なことをしたもの。だからこれは私からのお願い。私を消して!
「わかった。お前の頼みを聞くしかないな」
ありがとう。
それじゃあ準備はいい?チャンスは一度きりよ!
うさぎの動きが止まった。まるで、まるでなにかに縛られているようだ。
今よ!特大のかめはめ波を私に!!
「かーめーはーめー波ーーーー!」
拳から放出された高エネルギーがうさぎ目掛けて、まっすぐに飛んでいった。
すまない、うさぎよ。
見事に命中したかめはめ波。うさぎと共に月に飛んで行った。
次回予告
ついに当たった、かめはめ波。その戦いの果てには一体何があるのだろうか。
次回「戦いの果てに」
ぜってぇー、みてくれよな!
それでは、また明日
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