向かいのテーブルに残された食器は、当たり前のように、人がいた痕跡をその場に色濃く残していた。
食べるという生の感触、その残り香、陰影。

そういうものとだけ、一緒にいられたら、どんなに楽だろう。
誰にも触れたくないのか。
もしくは、触れられたくないのか。

時計は確実に時を刻む。

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