テレビはメニュー画面のまま、劇中曲を流し続けていた。眠っていたようだ。
取り出し口から、薄くてきらきら光る円盤が現れ、あんな波乱万丈な人生がこれっぽっちの円に納まるなら、一体、自分はと考える。

透けるような歪に破れた紙が、棚を埋めている様を想像した。貸すのも借りるのも忍ばれた。

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