2022 インターネット音楽ベスト50
こんにちは、池田貫太と申します。
今回は、2022年出会った音楽の中でも、インターネット音楽と呼ぶに相応しい一部をご紹介出来たらと思います。
記事を書くこと自体初めてなので、至らない点だらけかも知れませんがご了承くださいm(_ _)m
新しく提唱されたBreakgaze(Breakcore + Shoegaze)の出現でさらに盛り上がりを見せるBreakcore, SoundCloud深淵から生まれたとされている新興ジャンルHexDにその派生Surge, アニメキャラのアートワークも増え、自由度の増したRAVE, 初音ミク×シューゲイザーのミクゲイザー, bliss3threeのアナログ盤も発売され、死なずに生き残ったVaporwave, IDM作家の作ったambient Spoken word, Bandcampの底から発掘された謎のpost industrial, 現代音楽を象徴する様なhyperな音割れ, ノイズ×和製ホラーポエトリーのトレンドを無視した新しい音像など。
一線のポップミュージックからは離れ、縛られる事なく自由に活動する彼らの、2022年にリリースされたインターネットを感じる音楽の一部をご紹介します。魅力が少しでも伝われば嬉しいです。
ランキング形式ではありますが、あくまで個人の順位であり、音楽的な優劣を定めるものでは決してありません。
また、ジャケットアートワークも判断材料に含みます。
ジャケットをクリックすると各サブスクやBandcampへのリンクに飛べます。
気になったらアクセスしてみて下さい。
追記(2023.01.02)
Apple Music、Spotifyのプレイリストを公開しました。(サブスク配信音源限定)
各アーティスト1曲ずつ入れてます。
出来る限りの爆音でどうぞ。
Apple Music↓
Spotify↓
50
saves / umutekano
かなりのハイペースでブレイクコア作品をリリースし続けるsaves、2022年のEPやアルバム全5枚の内の1枚。
まずジャケに惹かれた。
49
fennecxx, Cafeina., lunty / Tasuketsucore Vol.1(Part 1)
ダーリア ダリア コア収集!
fennecxxによるダリアコア、ハイパーフリップ系のコンピアルバムの第一弾。
といいつつまだ第一弾とその追加バージョンの2枚しか出ていないが。
48
TOGITO / P・O・N
日本とロシアハーフ、本作発表時点でまだ16歳の少女。
90’sのオルタナロックを聴いて育ったという。
スポークンワードやインダストリアルな瞬間もあり、これからの作品も楽しみ。
鋭児の御厨響一とも親交が深いよう。
彼女自身はMichaelaというモデルでもある。
47
cvel / 心情変化
インターネットレーベル「i75xsc3e」からリリース。
コロナ禍に孤独とどう向き合うのか。
46
izum1 / Digital Offline Live!!! 2022/10/29
観客の歓声と雄叫びが収録されているロリコアのライブアルバム!?CD買うしかねえだろ!!!
45
Princess Army Wedding Combat, NOxFUN / Split
Princess Army Wedding Combatとsam faunchonのコンビアルバムもヤバい。
44
耳中華 / 笑う光
Tiktokで耳中華の曲がバズっているという噂を聞いて半信半疑でしたが、マジでした。
前作に引き続き、ゆっくりボイスに歌わせるという独特の作風。
インタビュー記事も見ましたが、ずっと何言ってるのかわからなかった(褒めてる)。
43
皆川溺 / 遠泳/銀色のQ体
このミクゲイザー(初音ミク×シューゲイザー)、mvも最高だった。3曲入りシングル。
42
Arcade Trauma / wherever this heart will take me
ブレイクコア聴く時まずジャケで判断する悪癖があります。
41
uku kasai / coldsmokestar
uku kasaiの1stアルバム。
cwondoも参加。
40
quoree / 煤模型
とてもあたたかい歌い方をする初音ミクにエレクトロニックサウンド。
39
trshckdbl / Divergence Eve
レイブ最高!!!ジャケ最高最高!!!
38
yam lynn / the wake world
ジャケも最高。
カセットがアメリカ限定なの許せない。
37
〜離 / 遠浅の夢
歩いているのか沈んでいくのかわからなくなる感覚になる。
作品タイトルがピッタリはまっていて、日本語ってすげーとなてり。
36
feli / *:・゚✧*:・゚✧ Feli compilation *:・゚✧*:・゚✧
ダリアコアコンピレーションアルバム。
1つ前のシングル「azure (Felimos flip)」も超ヤバいハイパーフリップしてる。
35
moreru / 山田花子
ノイズに耐性のない人は注意。
moreruとジャパニーズホラーの融合は間違いない。
CD発売中、無くなる前に買った方がいい。
34
Fax Gang / Dataprism
ここまでビットクラッシュしますか?普通。
でも正義なんだよなあ。分かる?
33
Fellsius / MONOEYE
JACKSON kakiさんによる3DCG映像と合わせて是非見てほしい、和製ブレイクコア。
7曲目に収録されている「Jom」はシングルでも配信されていたので、めちゃくちゃ聴いた。
32
sonhos totem conta / Maladaptive Daydreaming
レインネタシューゲイザー。
2月の傑作EPに続き最高なの来ました。
カセットもリリース、ゲトったぜ。
31
Cytekinesis / Cerulean Squad
ロリコア!ロリコア!ロリコア!
販売会場限定でCDを発売、無理でちた。
30
Yung Lain / Layers
レインネタブレイクコア、かなり増えてますね......。
こちらカセットをゲット。
なんだかんだYung Lainの音がブレイクコアの中では一番聴きやすいですね。
29
C!erra My$t / Hysteria Format V.1
こちらのアルバムには収録されていないが、シングル曲の「Dead. Gone. Nowhere.」もヤバいので是非。
28
侍 / 侍 一
ASRAR Recordからリリース。
名前が名前なので検索しようがない。
メンバーの人種すら不明。
謎のJapanese Black Metal。
27
buddywudd / A Meaningful Life / A Meaning World
IDM系ブレイクコア、疲れるので周回出来ないけど超いい。
こちらbuddywuddの前作、「Silhouette」もいいので是非。
26
myrcyr / Mend
Twitterで見つけたこちらの作品、ブレイクコア〜HexD系なのだが全くの無名だそう。
なんで?
25
icesawder / laundromat
ローファイヒップホップとかkawaii future funk系か?と思ったら大間違い。
洗濯機でぶん回されるほどの音圧にビビる。
24
Uztama / 風が凪ぐ
説明不要の大名盤。
レコード発売決定!!hyperな音源がアナログで聴ける時代、買うべきマジで
23
momone / dobicore 02 : i'm still in the art course
あぁ〜!ダリアコアの音ォ〜!!
今一番やばいダリアコアの音を出してるのは間違いなくmomone。間違いない。
22
Telematic Visions / town without sky
まだ高校生だというのだから信じられない。
テレマビtシャツで本当にたくさんの幸運が舞い込んだので感謝しきれないです本当に。
21
E.O.U / estream
betcover!!+mei ehara+映像作品イベント4Dの際、急遽追加でE.O.Uが出演。
その時初めて彼を知ったのだがビビり散らかした。
20
HATSUNE MIKU Digital Stars 2022 Compilation
このコンピレーションアルバムマジでやばい。
サブスク配信は無いので、サイトへのリンク組み込んでます。
まずは購入!!
19
Inu / Reminder
こちらもレコードとか出たら嬉しいな......。
cosgasoさんのジャケも本当に良すぎる。
18
tofubeats / REFLECTION
tofubeats、間違いない。
中村佳穂と共作の表題曲、ほぼ毎日聴いてる。
17
GRIM / CHEERLEADER
まさかの日本人だった。
耳を塞ぎたくなるレベルの嫌悪感あり。
やべーノイズアルバム。
16
KAIRUI / 海の名前
米澤柊さんによるジャケも最高。会場限定CD欲しかった...。
KAIRUIさんとcosgasoさん、なんと同級生らしい。
15
SAB3R 2, bliss3three, BigStinkyFrog & Tordor / shattered bluu FICTIONAL OST
検索しても情報が無いんですけど、bliss3threeのコンピなんでしょうか?
分かんないけど超いい。
14
death’s dynamic shroud / darklife
いつもありがとう死
13
unlucksi / みらいをはなそう
Maltine RecordsよりリリースされたEP。
先日リリースされたシングル(apathy)も必聴。
12
AssToro / assimilation
SoundCloudを中心に活動していたAssutoroの1stアルバム。
okudakun, e5, 8, inuらも参加。
仕事中にノリノリになりながらよく聴いてました。
11
hirihiri & lilbesh ramko / 10 MICROPHONES AND DISTORTED WAVEFORMS!!
この二人のユニットなんて夢過ぎるだろ......。
hyperシーンは加速し続ける。
10
x.nte / Aggressive Stereo Sound
IDM系ブレイクコアアルバム。
アグレッシブステレオサウンドで間違い無いです。
ジャケ良すぎるのでカセットとCDどっちもゲトりました。
9
Kabanagu / ほぼゆめ
2021年4月にMaltine Recordsからリリースされた1stアルバム「泳ぐ真似」で様々なアーティストに影響を与えたKabanaguの2ndアルバム。
全曲本人によるボーカルトラックで、そのポップ性とトラックメイクスキルで音楽ファン以外にも届いているようだ。
「着いたら」は、ほぼ毎日聴いてました。
8
kurayamisaka / kimi wo omotte iru
進学を機に離れ離れになる2人の学生の女の子の人生を切り取ったというコンセプトアルバム。
ベストオブ百合。
今年リリースされたシューゲイザーだと間違いなく一番聴いた。
Twitterで瞬く間に話題になったkurayamisakaだが、メンバーの一部はシューゲイザーというジャンルも知らない様子、音楽やるのにジャンルなんて知る必要ないよね。
7
Norio / Somebody
群馬県のIDM作家、2022年10月にアメリカ・ワシントンのアンビエント/IDMレーベルHush Hushからリリースされたとの事。
6曲目に収録されている「Koe」という曲、女性が友人らしき人に宛てた、失踪〜自殺未遂をした際のことを話すスポークンワードなのだが、何度聴いても涙が出てくる。
6
203249318_09132005 / ?>_<! 20 25 14 02 22; my soul in a perfect coffin, with rounded edges
誰なのか本当にわかりません。
2〜3度ジャケも変更されており、自分が見つけた7月ごろの時点では上のジャケでした。
IDM〜グリッジノイズ系のブレイクコアアルバムだと今年リリースされた作品の中で一番聴きました。
5
kaho matsui / Shadowboxing Until My Hands Bleed - EP
ポートランドを拠点に活動する作曲家「kaho matsui」。
同氏の去年リリースしたアルバム「Delicate Transmission」をBandcampで見つけ、それ以来よく聴いていたのですが、プロフィールを見てみるとハイペースで作品を出し続け、ブレイクコア〜アンビエント、ノイズ等、多岐にわたるジャンルを自在に行き来する激ヤバコンポーザーでした......。
本作は、パリやポートランドで録画したというボイスメモを使ったスポークンワード、ノイズ〜アンビエントです。
Bandcamp版とサブスクでジャケが違うので、そちらも是非比べてみてください。
4
masafumi sato / 群像
masafumi satoによる、亡き愛猫に捧げた2ndアルバム。
ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイドの著者である「門脇 綱生」氏(@telepath_yukari)がレコメンドしているドローンアンビエント。
集中するときもリラックスするときも、かなりの頻度でこのアルバムを聴いていました。
50枚限定でレコード(クリア盤)も発売、運良く購入出来たので大切にコレクションしています。
3
loli主語 / 君はただのクラスメイトじゃないよ
現在札幌を拠点に道内外問わず活動し、個人的な感情の昇華や、アーカイブ作業としての表現を行っている人物 loli主語。
世界的に注目を集める「K/A/T/O MASSACRE」や、岡崎市ひかりのラウンジにて開催されるインターネットなイベント「powwwerrr」等にも出演。
2022年7月20日に行われたMASSACREでは、これまでのloli主語としての活動の伏線回収とも言えるパフォーマンスを行い、多くの人を魅了。
後に「ガチ恋マサカー」と呼ばれる伝説のライブになった。
loli主語さん曰く、”全ては愛する人に宛てられた表現であり、それをただ覗き見している人がいるだけ”という感覚であるらしく、「作品」や「リスナー」「アーティスト」といった言葉を自身に向けて決して使わない。
歌詞というのは、何も大衆に向ける必要はないし、共感を得られることが正解というわけでもない、元々そういうものではないと思う。
その極めて個人的で閉塞的な思いは、自分の記憶かと錯覚する幾つものサンプリングと、吐き出るまま殴り書きしたような詩にのせて、抉り歪みながら意識の奥に刺さる。
このEP「君はただのクラスメイトじゃないよ」は、loli主語としての最初の作品、そしてプロローグだった。全4曲 合計5分。
2
イルミラージュ・ソーダ 〜終わる世界と夏の夢〜
声優音楽を始め、オールジャンルに精通するカルトさん(@karuto0101)のツイートで知ったこちらの作品、終末百合音声というらしい。
ジャンルとしてはASMRにカテゴリされているようだが、別物。
音楽作品と音声作品のちょうど間、ポエトリーリーディングやスポークンワードとも違う別のナニカという印象。
登場人物は水仙サカナと先生の二人、「記録音声」パートは水仙サカナの語り掛けを、発言をしない先生に代わって自分自身がなりきり体験する。
ストーリー性があるので一応内容は伏せておくが、この水仙サカナ、愛がめちゃくちゃ重い。
まどマギのほむらちゃんに匹敵するくらい。
百合に対する尊さの様なものはあるかもしれないが、ASMRの目的の一つである「癒し」に関してはほぼ無視。甘えるな。
そして後半、音声作品でしか耳を癒せない萌豚ちゃんたちをドン底に突き落とす怒涛のノイズパートに突入。
正直ノイズパートだけでリリースされていてもおかしくない、というか一サイト内の有料DL作品で留まるべきではないくらいの迫力。
「世界が壊れる音」という誰も知らない音を、ここまで忠実に表現出来るものなのか。
サブスク配信は無いが、異常音楽、エクスペリメンタルに抵抗のない方なら購入して損はないはず。
1
Vacant Lights / Funeral Noise Exits
先日、音楽ZINE「痙攣」の第3号を発売した音楽ライター「李氏」さん(@BLUEPANOPTICON)が2022年1月にツイートで紹介していた謎のポストインダストリアルロックバンド。
元々Bandcampのみでの配信だったが、先のツイートで話題になり元々2〜3人ほどだったサポーターが爆増、3月頃からサブスクでも配信開始している。
ドローン系ダークアンビエントのようなサウンドに乗せた語り(英語わかんにゃー)、生々しく暴力的に反響する突然のシャウト、鉄球が降り注いでいるほどに暴れるドラム、狂ったサイレンのようなリフ、どの音も完全にヤバすぎてニッコニコ。
終始常に何かから逃げているような、逃げなくてはならないと思ってしまうくらい破壊的な音が続くが、休憩している暇なんてない。
もちろん緩急はあるが、不穏な低音が鳴り続けているので、いつどこであの音が爆発するのか分からない。常に気を張った状態。
映画「DON’T BREATHE(ドント・ブリーズ)」を観たことはあるだろうか?
静けさが逆に呼吸音を目立たせてしまうみたいな、そういう状況に、近いのだと、思う。観た事ないから知らんけど
全10曲 合計1時間40分、Bandcampから発掘された長編大名盤。
私の拙い文章を、最後までお読みいただきありがとうございました。
これで少しでもご紹介した音楽の魅力が伝わるといいんですケド......。
2022年は、いつか目標にしようと思っていたAVYSS ENCOUNTERS 2022にも何故か載ることが出来て嬉しかったなぁ。
また気が向いたら何か書きます。では。
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