バングラデッシュでガスメーター普及へ

愛知県の中小企業がバングラデシュでのガスメーター普及を目指す。

愛知県にあるヘリオス・ホールディングスは高級タオルブランド「マイクロコット」をはじめ、繊維関連製品を百貨店や専門店、通販会社に輸入、販売してきた。
同社は社運をかけ、新規ビジネスに向けて、果敢に挑戦しはじめた。

同社が目をつけたのが、バングラデシュ。天然ガスの採掘と販売が主要産業の同国は大きな問題を抱えている。

現在エネルギー消費の7割以上は自国産の天然ガスで賄っている。料金が定額制であるため、国民の多くは省エネ意識がなく、ガスの浪費が大きな問題となっている。

こうした問題から、ADB(アジア開発銀行)は一般家庭向けに8600台のプリペイド式ガスメーターの調達、設置を支援することを決定した。

ADBはバングラデシュ首都ダッカ、第2の都市チッタゴンにプリペイド式ガスメーターの普及を目指す。

名乗りを上げたメーカーはベトナム、イタリア。その他にもアメリカ大手ガスメーター企業も参戦するなど、激しい競争が行われた。

地方の一中小企業である同社は、国内の企業の協力を得ながらも困難を乗り越え、なんとか厳しい国際入札を制した。

入札の決定において、同社の「スペックイン」がカギを握ったといえよう。

他の応札者は「求められた以上のことはしない」とのスタンス。だか同社は対照的で「ガス漏れを起こさない」ために必要な日本式の安全機能に改良を重ね、スペックインを追求した。

特に評価が高かった、地震が起きても自動でガスが止まる機能。隣国ネパールで発生した大規模地震を機に、同国内では災害対策として関心が高まっていた。

また、堅調な経済成長を背景に、料理を趣味として楽しむ中間層が増えている。

その一方で家屋の近代化が進み、部屋の過密性が高まっていることからガス爆発の危険性も高まっている。

こうした同国のライフスタイルの変革が起きている中、同社のスペックインの追求は魅力的だあるに違いない。

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