読書#2 「日の丸コンテナ会社 ONEはなぜ成功したのか」

わたしも元物流会社出身ということもあり、個人的な興味から購入した1冊。

■概要
大手邦船3社が各コンテナ部門を切り離し、「Ocean Network Express = ONE」と呼ばれる合弁会社を設立した。互いにライバル意識のある3社合同のコンテナ事業戦略がなぜ設立2年で黒字化、3年目で大幅利益を計上するに至ったのか=成功したのか、に迫る。

■なぜ成功した?

①各本社の干渉から離れたシンガポールに本社を置いたこと
②Topを3社外から、取締役3名を各社の中堅から1名選出したこと
③新組織の取締役以下に30-40代が多く、若手中堅が存分に腕を振るえる
白地が多かったこと
④会社設立前の各社の課題感が「合理化は既にやり切った上で規模を追うしか海外競合に伍していく方法はない」と一致していたこと

■所感

外から「既得権益」「運ぶだけ」「硬直したビジネス、工夫の白地に乏しい」と言われやすい海運ビジネスだが、合併に至るまでの生々しい葛藤、熱気、関係者の仕事への誇りをしっかり感じられる1冊。日常に欠かせないインフラ的な側面を支えなければいけない使命がある一方、民間企業として利益も追う必要もあり、矛盾する2つがせめぎ合う奥深い仕事であると感じ津。

■どんなひとにおススメ

・海運、物流業界を目指す方、興味のあるかた
・競合との合併の成功1事例について知りたい方
・単純に船や海が好きな方
・世界経済を「海運」という切り口でマクロに俯瞰してみたい方

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