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おえかきメイキング

八上です。思い立ったので絵のメイキングをしました。

1. 企画立案

まずはじめに何を描くか考えます。今回はニンジャスレイヤーから、アズールの水着。何を描くか思いついてるならそれにしたがいます。何を描くか思いつかない時は、今の季節の色(ネットにはパーソナルカラーとかのカラーパレットが流布しまくっている)を見て合いそうなキャラを考え、季節イベントをぶっこむとスムーズです。自分は普段から何はなくとも落書きをする部類で、今回は適当に描いたらくがきをちゃんと描き直すことにした感じです。

次に服装を考えます。固有の衣装があるキャラならいざ知らず、ニンジャとかの小説メイン媒体だと基本的におようふくをこちら側で見繕う必要があるので入念に画像検索とかをします。何も考えずに描くと無限にダサくなりうるので、まず大まかなデザインを決めてから「水着」でgoogle画像検索を行い、50着くらい見て雑に目を肥やしてから修正を入れました。

この雑に目を肥やす作業は数分で出来る上にすごく大事です。たとえばラバースーツ描くときはラバー50件見た方が絶対に良いし、山描くときは山を50件見た方が絶対に良い。このときに「麻布は織り目が荒いからテクスチャまたは縦横の書き込みがほしい」とか「サングラスは反射するのでキャラがいる空間の間取りをなんとなく考えておく必要がある」とか「イロハモミジの若木は葉っぱが横方向に広がる階層構造」とかそういう情報も目で集めます。下絵では反映させないにしても後が楽。

2. 下絵

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下絵を描きます。レイヤーはこの時点では1枚。この段階で「なんかポーズおかしくない?」と思った部分は徹底的につぶします。なんにせよ人体は写真いっぱい見ないと難しいです。どこがおかしいのか全然分からないのになんかがバグっている場合、googleで骨格を調べたりしながら虚無のしらみつぶしを敢行します。自分はいま何を修正してるんだろう……さあ……

一度バグ取り成功すると明確に経験値が上がるので、しめきりがないときは諦めないことが肝心です。しめきりがあるときは諦めが肝心です。あえて崩してる部分は、どこをどう崩してるか具体的に説明できるくらいの確度で認識しておく(この絵だと肩幅のせまさ・脚の長さ・肋骨下端からおへそまでの遠さ・なんでか落ちないパレオ等)と、わざとやってる破綻とバグがくっきり分離してきてバグ取りがスムーズになりいい感じです。

3. 線画

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作業です。薄いおなかと肋骨のマリアージュに心揺らぐあまり、優柔不断にも上半身のヒラヒラの有無を決めきれず、無念のレイヤープラス2枚(目はなんかせっかくだし分けた方が便利かな?と思ってヒラヒラ側のレイヤー)。下絵と合わせて計3枚です。なんせ輪郭取りはもう下絵でやったので本当に頭を使う要素がなく、しかも一度で良い線は引けないのでctrl+zと試行回数を黙々とあれする。つらい。苦手すぎる。サツガイ=サン観察限界勢の指フェチの線画職人とかがもしいたら金で雇いたい。水に浸かってる足はふやふやとゆらいで見えるので線画を描きません。なんなら全部描きたくないものの、色塗りを楽にするべくヒーコラします。しました。

4. 彩色

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まずは色分けです。背景レイヤーをベッと塗りつぶし、アズールだけ別のレイヤーでくっきり塗っておきます。このレイヤーをクリッピング(はみださないやつ)しておけば人物と背景を別々に塗れるという寸法です。この時点でレイヤーは5枚。普段であればここからレイヤーが増える要素は基本的にないですが、今回は胸元のヒラヒラを忘却している。ああ……

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今回は足が水に浸かって透けている都合上、先になんとなーく皮膚色を決めておかないと背景を触れないためアズールのおおまかな色だけピャッと決めます。この程度の雑さだとたぶん10分かからないくらい。ベースにした色が見えないようにみっちり塗りさえすれば、そのみっちり感が最低限の完成度を担保してくれると思います。よくいう「エアブラシで塗り残し作りながら固有色塗るの絶対やめろ」に通ずるものがある。帽子のでっかい影で顔全体を覆いたいという発想は落書き段階からあったので、光源は必然的に中央上方(太陽光のもと、お昼どきに南側から撮影しているかたち)となり、使いたい色は脳裏にあったため迷うところが全然ない。固有色と影境界色と影色はそれぞれぜんぶ色相を変えるといい気がします。よくいう「灰色乗算で肌塗るの絶対やめろ」に通ずるものがある。

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そして背景も10分くらいで配色だけとっちめます。海岸の写真も見た方がいいはずですが、自分には早くこの絵を良い感じに仕上げてメールボックス次元の浜辺に現れた思いっきり怪異怪異してるサツガイ=サンを観察し最高の夏を最高するという非常に重要な任務があってそれどころではない。今回は過去自分が描いたいろんなビーチを思い出しながらてきとうにやりました。そしてここで上半身のヒラヒラを思い出し、レイヤーが6枚(下絵、線画本体、線画別パーツ、色本体、色ヒラヒラ、背景)になってしまいました。

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そのまま背景をやります。背景の配色を決めたレイヤーに直に描き込む形で詳細を塗ります。波頭って真っ白な泡の下に意外とガッツリ濃色の影が見えるので、画面のアクセントが付けやすいです。

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あと、足と水面との境にしっかり線があると変なので、このタイミングで線画に消しゴムをかけました。色分けは済んでるため、実はもう線画の影響力はそんなにない。

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同じく本人も塗っていきます。物体と物体が触れてると否応なしに境界は影っぽくなるので、まず境目を影色で塗り分けてから光の当たる部分を描く感じになります(帽子とリボン)。

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ヒラヒラはもう完全にレイヤー統合チャンスを失ったので、別個に塗ります。布がフワッと浮いてるところは皮膚と布の距離が遠くなって透け度が減るので、描いた皴の構造に基づいて透け具合を調整します。皴を描くとき、どこが山でどこが谷か考えずにてきとうな線だけ引いてるとこういう時に詰むので気を遣います。

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塗れました。しかしここに来てなぜか地平線傾斜つけすぎでは?という気がしてきました(最終盤に変な所が気になるのはおえかきパーソンの宿業です)。

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傾けました。(あと、加工の過程が全く保存されてなくて大変申し訳ないものの色とかキラキラもなんかしました。)具体的には背景だけ角度修正をして、足と画面四隅を描き替えました。今回はこれで完成です。

さいごに

今回の全行程はネサフとか込みで6時間半くらいでした。線画までで2時間強使ったので、もうちょっと時短を試みていきたいです。

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