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LOMBYのはじまり

はじめまして、Yper株式会社の内山です。

Yper(イーパー)は2017年の創業から物流ラストマイルの課題に着目してソリューション開発を行っている会社です。2018年の4月にMakuakeで置き配バッグOKIPPA(オキッパ)をリリースし、8月から市販を開始、現在、累計販売数は17万個を突破しました。そんな中、2021年に自動配送ロボット「LOMBY(ロンビー)」をリリースしました。

自動配送ロボット「LOMBY」

OKIPPAとLOMBY

2018年のOKIPPAリリース時、国が発表する再配達率は約20%あり(現場へのヒアリングでは23〜25%ほどでした)、宅配クライシスと呼ばれる社会問題となっていました。一方、国内の個人宅向けの宅配ボックス普及率は1%未満と、ほとんど普及していない状況。今でこそ一般的となった「置き配」も、当時は各配送会社が配送手段として導入していなかったため、再配達をどう解決していくのか、国も官民協議会を組織して対応を議論していました。

ただ、実は当時から「置き配」は社会で受け入れられる状況だったと思っています。Yper立ち上げ時に、事業ネタ探しのため私が配送会社でアルバイトをしていた際にも、配送伝票の住所欄に「玄関前に配送希望」とわざわざ書いていらっしゃるお客様も多く、配送員は個別にそうしたリクエストに対応していました。

その経験から「置き配」のような受渡しの手軽さがあり、かつ、各配送会社が利用できる商品(当時は置き配はできないが、宅配ボックスは利用可能でした)があれば再配達問題を解決できるのではないか、と開発したのがOKIPPAでした。
(OKIPPAの話は長くなるのでまた別の機会に書くことにします)

OKIPPAは直接的に再配達を解決するソリューションですが、一方のLOMBYは、通販利用率の増加による宅配物取扱量の増加と、中長期的な労働人口の減少のギャップを補うソリューションとして位置づけています。

物流業界には「2024年問題」というものがあり、2024年4月以降働き方改革関連法によりドライバーの労働時間に罰則付きの上限が設定される予定です。他の業界では2019年4月に施行された法案ですが、物流業界は適用に5年間の猶予を与えられています。こうした長時間労働是正の動きは、労働人口の減少とあいまって人手不足問題を加速させる可能性があります。
(参考)働き方改革について|厚生労働省

Yperで作るべきロボットとは何か?

実証実験追い込みの現場

2020年10月からAMR事業部としてOKIPPA事業部のエンジニア2名と自動配送ロボットの可能性について研究開発を進めていました。当初、私の知り合いのVisual SLAM式の配送ロボットを開発する会社さんとの協業など、入社2日目だったメンバーも含めた全員で現場での勉強を重ねていきました(今思うと結構な荒業でした...)。そして、いよいよ2021年4月から自分たちの自動配送ロボット作りがスタートしました。

当初、弊社も無難な機構を検討していましたが、検討の過程で何度かOKIPPAで繋がりのある通販事業者様や配送会社様に配送ロボットを紹介したところ、某大手企業の担当の方から「んー、なんかYperさんらしさがないよね」と率直なお言葉をいただき、はっとしました。

当初案は最後発で参入を考えているのに自分たちの特色がなく、事業としての面白みにも欠けていた気がします。その一言にめちゃめちゃ感謝でした。すぐにコンセプトを一から考え直し、弊社の特色や強みを出せる機構を色々と考えました。結果、出てきたのが宅配ボックス連携や置き配を駆使して、配送業務を”完全自動化”するロボット構想でした。

なぜ"完全自動化"を目指すのか

北広島町での実証実験での準備

配送の現場に行くと、配送員さんは荷物を運ぶドライバーとしての仕事だけではなく、荷物の仕分けや詰め込みをしています。つまり、荷物の仕分けや詰め込み、そして配送先での受け渡しまでを自動化しないと人を介さない完全自動化にはなりません。

LOMBYはラストマイル配送に特化したモデルとして、そうした間接業務も自動化することができれば、人が活動していない深夜帯の配送や不在時の配送も実現でき、ロボットとしての強みを生かした無駄のないオペレーションが実現できると思っています。それが中長期的な視点で、人手不足を解消する真のソリューションになるはずです。

LOMBYの名前の由来

北広島町での実証実験。自律走行+遠隔操作

最後にLOMBYの名前について。実は、"LOMBY"は試作1号機をデザインしてくださったデザイナーさんが名付け親です。Yperが提供する新しいラストマイル物流との意味を込めて、Last One Mile By Yperの頭文字をとってLOMBY(ロンビー)としています。音の響きもかわいいですよね。

また、ロゴは「家と家、人とモノを繋ぐ」という意味を込めた「家」を連想する形状、くるっと中央で巻かれた「繋がり」、そしてOKIPPAのグリーンとYperのイエローを混ぜたカラーリングが特徴となっています。

LOMBYのオフィシャルロゴ


まだまだ超えなければいけない技術的、制度的、UI的な課題も多く、チャレンジングな事業ですが、新しいラストマイル配送インフラ開発に挑戦してみたいと思った方は、ぜひご連絡ください。お待ちしています!

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