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木下式麻雀〜俺にとっての新しい絶対〜


2024年、木下に圧倒的に負け続けている。
最初は運のばらつき、偶然49の日を引いているだけだと思っていたが、運では説明できないほど負けてしまっている。

「木下はいかにして50を51にしているのか」

先日行われたオンラインセットの牌譜が残っているので、少し覗いてみよう。
(晃の麻雀を見る津神の眼差しで)

※以下のゲームは全て東風戦
祝儀なしの完全順位制で連帯が偉いルール

このように木下はある程度まとまっている手は
ダブ東→ファン牌→オタ風
の順で切っていく傾向にある。昨今のセオリー通りの処理である。

6巡目安牌の北をツモぎり
平和ドラ1の勝負手なので押し返すために安牌を残す手もあるが、14m3枚見えにつきシャンポンの受けを残す木下。
3m9sがともに1切れであること、対面が早い可能性もあることから自分は3mを処理しそう。
ここでMAXに受けないのが俺の弱さか?

形がよく567や白アンコで打点も見える手。
役牌先切りもあるが現状4ブロックなので発を合わせ打ち。実に丁寧だ。

全体を通して木下は序盤の一九字牌の扱いがかなり丁寧でミスが少ない印象を持った。
自分はセットだとテキトーに右から切っていったりしているので見習いたい。
序盤の孤立牌の選択が体勢にどれだけの影響を与えるのかはわかりかねるが、丁寧にやるに越したことはない。

北さんの声が聞こえる。
「ちゃんとやんねん。」
「反復、継続、丁寧は気持ちええんや」

2sや8sを処理してややスリムな進行。
トップ目でラス前なので字を抱えつつといったところ。よいバランスだと思う。
木下とか津神って結構繊細なところもあるんだよな。

上家:ポンr5m
下家:チー9mポン8m

この5mの鳴き判断
和了の価値が高い場面なので、和了率を最大にしたいが木下はスルー。
現状1シャンテンであること、鳴いても和了率が上がっているのか微妙な上に67mが切りにくいことなどを踏まえた選択か。
「俺様がこんな牌に喰いつくとでも?」
木下の声が聞こえてくる。

これは悩ましいが自分は鳴きそうだ。和了率は上がっていると思うし、手詰まることもほぼない。黒い5mでも鳴きたいけど8mはまあまあかなり鳴かない。
木下は俺よりは面前寄りだな。一発と裏を見れるリーチの強さを本能で理解していそう。

これはどうなんだ?木下のミスか?
引き続き和了が偉い場面

8p2切れなら1p残して広く受けたいが。
9pを合わせて打てるのも大きい。
この手8p引いての69sは強いけど基本はくっつきだよな。9pの価値を感じない。

下家のアンカンが入った場面。7mを手出しした次順のカンで、手代わりはしていない。
木下は生牌の東をプッシュ。

自分は瞬間東は絞って9pか9sを切りたい。
この1シャンテンから東は打たないほうがいいと思う。当たったら高いし当たることもまあまあありそう。
8pを引ける感覚が強くあったんだろうか。

「麻雀とは所詮技術1割 感性9割」

オーラス、千点直撃か2000点以上和了条件

この先切りはかなり微妙だと思う。
4sから広げて1ブロック作りつつタンヤオを確定させる89s切りがよいのではないか。
25pが一枚ずつ切れているのと、手形的に3p切りのメリットが薄いと思う。
細かい理由はたくさんあるが、自分としては
89s>7s>3p>4s

木下はこういうキレイとは言えない手で6ブロック気味に進行したり、両面を固定する打ち方をすることが俺よりは多そう。早めの数牌のまたぎが待ちになることもありそうなので手牌構成ちゃんと追っておこう。

基本に忠実な12p切り。
当たり前をちゃんと当たり前にやるだけである程度勝ててしまうのがこのゲーム。
しっかりしてますわ。

木下はこの7mはスルー

自分はタンヤオと東バックの両天秤でここはとりあえずチー打1m
ドラも赤も見えていないので仕掛けてすぐ東が出た場合は鳴かないこともある。
なんにせよここは鳴いておかないと和了はきつい印象。
チートイ?知らない子ですねぇ

下家:チー4p

7mスルーから一転してかなり積極的な仕掛け
下家の仕掛けに68mを被せていく木下。
和了を見るならカン7mが1番弱いので、払い。

下家の仕掛けは前田とはいえ迫力がある。
俺は打点もない安全度もない愚形残りの手で東が鳴けるのか、鳴けたとしても1mトイツ落としで日和ってそう。
ってかこれ鳴かない方がいいし鳴いたにしろ1m切りだろ。トイトイ見てんの?こっから?意味わっかんね!!

「俺の中の新しい絶対」

カン4sテンパイから手替わりした下家が放銃

「あがれるのに鳴かない手はないだろ?」

そんな木下の声が聞こえてくる和了だ。
俺にはできない和了。あんたが大将だよ。

こういうクソ仕掛けを咎めたいが、仕掛けているのが前田だから被せている可能性も大いにあるのでなんとも言えない。

ラス前、ドラドラの手

タンヤオか役牌で仕掛けていきたい手なので個人的には12s切りも視野に入れたいが、いったん1切れ白か。

3s引きのリーチを真っ直ぐ目指す手組み。
アクエリアスに一瞬入社していた田邊さんのLINEの一言が「ただ真っ直ぐに」だったことを思い出した。
2枚目発と8sの比較はむずいね。

都合よく7sが通り即ペンチャンを埋める木下

あがれば8割くらいトップのこのテンパイを俺は逃している。また負け。実力

俺ももっと着順意識を強く持って、少し面前に寄せてもいいかもな。

3sからの伸びを見て西切りとはせず

8pアンコがあり愚形が解決しやすい
ドラ3mを使いたい
巡目と手牌のバランスなど理由は多々あり

自分は基本は3s切り、キレてる時は西切りとしそうだ。

リーチが入り6sが出た場面

これは悩ましいが俺はチーにしそうだ。
木下は8sに感触を持っていたのだろう。

668と788どちらを残すかの選択。
前者は安牌を2枚保持しつつ6sポンと7sチー両方に対応できる。
後者は6sポンはできないが8sが有効牌になる。

「氷の打牌」

ラス目のリーチ、シャンテン、ツモ番一回、テンパイ時出て行くのは無筋

リーチは3s切りの後97s手出しなのでこの2sは相当通るが、この状況でそんなリスクを負う意味がないと思ってしまう。周りもみんな降りてるし。

と思ったけどこれツモ番なしでテンパイした場合、3m56pは勝負したい状況だな

パッと見残り無筋は2536m14253647pの6筋も残っている。
局収支で考えると、テンパイなら3m56pは余裕で押せる牌だ。
ここでノーテンだとオーラス3着で勝負しないといけないしなぁ。西入あるとはいえ。

感覚では切るのも馬鹿馬鹿しいと思った牌がよくよく考えると全然切れる牌だった。
セット中は基本感覚でやっているので、感覚のズレは負けに直結する。
そろそろ引退かな。

この2sは俺の感覚だとギリギリ押しそう、くらいなんだけど木下の中ではどれくらいの感覚で推してるんだろう。
余裕押しなのかギリ推しなのかわからんがトップ見える手は押しやすいよな。

これどっちだ?4567残るの偉いしポンでええか
とっさにチーしてしまいそうだがポンのがよさそう。

これ普通に6s切りでよくないか?
ボカシってことか?紛れ?妨害電波?

なんか変な手。タンヤオ、チートイ両方見ていったん1sなど切りたい。
個人的には1s>1p>2p

リーチを受けて1pで回っている場面。
2枚目の8mを木下はスルー

これは素直に鳴いて1シャンテンに受けた方がかなりよさそうだけどどうなの。
ラス前とはいえこの手は押していきたいなぁ。
スルーして安全にって思っても3sから1メンツ作るってこと?その間危険牌掴まずに?
この手なら先の見えないローリングより価値あるシャンテンで推したい

うまく4sを引いたのに全てを壊すカン

木下もエンジョイカンするんだな。
牌を飼い慣らしてるから酷い結果にはならないんだろう。

シャンテンから粘りの7p切り
対面降りてて同点オーラスはかなり有利だから粘らずソーズで降りたいな。

一応愚形に当たりうるし、この後7m切る前提ではきついなぁ。
チーできるしテンパイ取れる可能性結構あるけど、オーラス有利なのでおとなしくしていたい。

和了トップの場面なので当然のチー

2巡目東と9pの比較はむずいがタンヤオ役牌両方見たいから9p切ってそう

3pと8pの比較

安全度そんな変わんなそうだし瞬間4p引き偉い分8pでいいんじゃないか?
安全度に差がないと思った場合はね。

ここで3p切ったということは明確に8pのが安全だと思ったんだろう。
木下は打牌の意図が全部わかるからストレスが少なくてよい。

わかる〜

北は残すので21sと9mの比較か。
タンヤオあるっちゃあるけど俺はこの状況なら内側の2sから切りたいな。

煮詰まっている中の面白リーチ

ハイリスクハイリターンの選択。好き。
でも先日のジュエルセットでこういううまぶり3m単騎で追っかけられてラス牌発キャッチしたの思い出して今めっちゃ不快。

こ〜れはやりすぎでは?あんた単騎待ちやで。
対面はまだしも下家はあんま降りなさそうだし引き分けOKの構え取りたい。

こういうカンした時の成功体験が少なすぎて俺が日和ってるだけなのか?これセットカン?まじめカン?どっち?

字の扱い丁寧なやつはここで9sか?
ラス目でキレ打ちモード入ったか。

8sが生牌だったら白切るもありだけど、どうかな。どうせいつか白切るなら今的な感じかな。

重なって鳴いて300500ツモは3着だけどなぁ。

木下もメンタルのブレが打牌に影響することがあるのかも。

何してもキツい場面だが12m切ろうかな。
東は一応絞って進めたい。まあキツイけど。

木下は危険牌とかは流れてもいいからとにかく放銃は避けるタイプだな。俺もそのタイプなんだけどなぁ。

親の初打、南西の比較で西切り

対面の七段さんを警戒したのかな?^^/

対面の6sに合わせる形で3sを処理

俺もこういうの合わせてよく鳴かせちゃうけど、木下も同じ派閥なのは研究済み。
今回は下家に3sを絞りつつ早そうな対面の9pを先に切るのも面白そう。

リーチを受け現物中をツモ切り

この手粘っても期待値低すぎるので8s切りたい。
さすがに希望がなさすぎる。

そういえば木下ベタオリってあんましてないかもな。安全なターツ払いながらなんやかんやしっかり粘るイメージがある。
それはよいことだがこの中はやりすぎだな。

前順はリーチを強く見ていたが4p引きでホンイツ意識up

東や1p切る人もいるだろうけど俺もここは8s切りたい。
西が出た時に鳴ける分多少強引でもホンイツ行くのが早い気する。
木下、毎度ホンイツをしっかり見ていて偉い。

うまく打っていたのにクソチーで草
テンパイ抽選逃す上に対して強い受けにもならんなんやこれ。クリミスか?それとも周りを下ろしたい、みたいな深い思考があるのか。

待ってこれ周り降ろして2人テンパイ狙いの仕掛けだとしたらありかも上手い。リーチに対して安全度はめっちゃ高い手だからね。
確かにこれチーして1pとか切られたらテンパイに見えるわ。うわこれエグいテクい可能性あるぞ。

いい意味でなんでもやってくんなぁ。

タンヤオで5ブロックあるっちゃあってドラ受けもある。チートイが最短になるイメージなさすぎて1m切りたい。
木下、無理なくチートイ残せる時は結構残すんだな。木下の声が聞こえてくる。

「1mのトイツ落としなんて悔しいじゃないですか」

2mよりは北のが安全だが北切り

2m重なってのタンヤオ狙いか?
8p勝負のワンチャンの七対子?

これも粘り?の一打っていう感じがする。

手が入ったときしっかり押してそうじゃない時はしっかり構えて放銃しないようにしてる、と思いきや全然サボらないなぁ。

細かいかもしれんがこれは7mから切りたいかも。6mとr5mのためだけに残しておきたくないかも。

やや攻撃的な木下。こどもと親で多少残す牌、押し引きは変わってそうだな流石に。

これは堂々と421pの順で切りたい。
赤5pすら採用しなさそうだし。

親リーチ残り筋369p、58m、25s
対面にも5mは両面で当たりうる

自身は高め8000の愚形テンパイ、中は上家が持ってる可能性もそこそこあって和了はきつそう。
残り巡目込みで降りちゃいそうだなぁ。

「ベタオリなんて猿でもできる」

そんな木下の声が聞こえた。

仕掛けに囲まれて降りを選択した場面
69sが弱いのもオリを後押ししたか

7m生牌で両脇のキモい仕掛けに放銃する可能性が普通にあるからまっすぐ6m切りたい。
フィーバー採用じゃなくても6m切る価値あると思うなぁ。
まあでも放銃したら本当のオワリだから対応する気持ちもまあわかる。

フィーバー確定しているからこそのプッシュ

ラス目だしフィーバーで打点あるしこれは押していいと思う。白2切れでも押せる。

面前リーチで高打点が見える手なので9mより先に役牌処理。基本だが流石です。
一通もワンチャンのワンチャン見てるのかも。

木下、無理なく追える手役はちゃんと可能性残して進行してるな。打点のためだけに持ってる牌の離し時も悪くないし普通に強い。

これは流石に怪しいぞ。
7sから入れば平和だが、5sから伸びた時タンピンにできないのエグい。いったん9s切ってシャンテンはキープしつつタンピンへの渡りを残すのが手筋だ。


牌譜は以上。なるほど、飛び抜けた強さと上手さは感じなかったけどしっかり打ってるな。
長時間のセットで話しながらこのクオリティをキープできてたら大負けはしなさそう。

木下式麻雀の特徴

①やや面前寄りの攻撃型雀士
→仕掛けも人並みに使うが無理仕掛けや半分ブラフのような仕掛けはほとんどない。
攻守のバランスよく手を組み、面前でしっかりリーチを打つ。多少後手でもラフに押し返して行く場面も見られた。攻撃型かはわからないが、まず守備型ではないだろう。
普通によいバランスだと思うけど「やや面前よりの攻撃型雀士」は弱そうすぎて草

②手役を比較的大事にしている
→ホンイツ、チートイ、三色などの手役を無理に狙うことは少ないが、自然に追えるものはちゃんと追っている。面前寄りの手組みに向いている?マッチした打ち方だと思う。とてもよい。
その分タンヤオへの意識は人よりやや薄めかもしれないと思った。それが良い悪いということではない。スタイルの話。

③一九字牌、孤立牌の扱いが丁寧
実に丁寧でよい。正直10時間もやるようなセットであの精度の処理をされたらきつい。1時間に1回くらいは切り順で得をしてそう。

④仕掛けへの踏み込みが強め?
打点のわからない仕掛けや前田の仕掛けにはとにかく強気で牌を被せる印象がある。俺視点確実にテンパイしていて打点も低くはなさそうな仕掛けに対して無筋を勝負した後で手から孤立の安牌が出てくることなどもセットではよくある。
木下自身の手がよいときは放銃しなけりゃOKという感じで、絞りが強い感じはない。

⑤リーチへの対応
→仕掛けへの対応にも同様のことが言えるが、基本ベタオリはしない。しっかりリスク管理しつつ粘って終盤テンパイを入れたり、うっかり和了するケースは人より多いだろう。ここは普通に腕要素。強いと思う。

⑥着順意識の徹底
→残り局数や点数状況をしっかり管理して、押すべきところで押している。聴牌料が重要な場面、交わしが重要な場面など、状況の把握をしっかりできている。ただ面前に寄っている分交わしの手組みはそれほど得意ではなさそう。
トップ目での守備力を担保した手組み、点棒が少ない時の打点を見た手組みでいうと前者が得意で後者がやや苦手っぽい。
点棒フラット時に自然に手役追うのは上手いけどね。

まとめ

「打てるジャン打てるジャン彼!」

普通に強いと思う。天鳳やって七段になって段位キープできるかといわれると微妙だけど、マーチャオAルールの収支で勝ちこすのは簡単にやりそう。

手組みと押し引きがある程度ちゃんとしていて、しっかりトップを見た選択ができるのが強み。

細かい切り順や降り方が気になることがあるが、あまり成績には影響しない部分ぽい。
成績に直結する選択を間違えない印象。

俺のが雀力はあるけど木下のが勝てる麻雀打ってる感じするね。見習うべきところがちゃんとあってよかった。

けど普通に俺がやってたら現状の負け額はおかしいな。まあそのうち収束していくかな。

とりあえず最後まで天牌読むか。


オワリ

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