見出し画像

オリックス・荒西祐大の適正について

こんにちは、yoです🐂無事に健康診断を終了しました。自分は血を抜かれると急性貧血を起こしやすいのですが、今回は珍しく貧血を起こさずにすみました笑
 さて、今回のテーマですが、様々な選手の打順・守備位置・起用法がよくも悪くもコロコロしてるオリックスの中でも、特に起用法がコロコロしている荒西選手の最適なポジションについて見ていきたいと思います。

①昨年の荒西の成績・起用法について
 

 まず、去年の荒西選手について振り返りましょう。
 年間成績は29試合全て中継ぎで起用され0勝0敗3HP、防御率4.88となっています。去年の荒西選手はキャンプ時には先発としての構想で調整が進められ、2月末では開幕投手の山岡選手の次である開幕2戦目の楽天戦に起用される予定でした。

 しかし、本人の調子が上がりきらなかったことと新型コロナウイルスによるシーズン開幕延期によってその構想は白紙になりました。自粛期間明けはKー鈴木選手や榊原選手、村西選手などとローテを争い、開幕ではロングリリーフ枠として1軍入り、8点差の9回に投げ、1イニングを無失点に抑えました。(この時点で西村監督の起用法には?がつきました)
 その後、6月24日のロッテ戦でローテを争ったKー鈴木選手が3回4失点とKOされた後の4回から登板し、3イニングを1失点と及第点の成績を残し、その後7月6日になぜか抹消されます。10日後の7月16日にすぐに再登録され(比嘉選手の怪我の影響があったのでしょう)、しばらくは敗戦処理兼ロングリリーフとして投げていました。転機は7月26日の楽天戦(楽天生命パーク)、同点の7回に3者連続四球を与えて降板した増井選手の後を受けてマウンドへ上がると、1死満塁の大ピンチを見事無失点で切り抜け、火消し役としての可能性を示しました。

 しかし、次の同月28日の日本ハム戦で中田翔選手に対する火消しとしてアルバースと変わってマウンドに上がると、3ランHRを打たれます。29日はロングリリーフ、30日は右のワンポイントとめちゃくちゃな使われ方をしていました。(こう見ると酷使の象徴と思われている山田選手よりも悲惨な扱いを受けている気がします…)その後もワンポイントとロングリリーフのどちらもこなす不思議すぎる役目を担いながら8月21日の西村監督解任まで役割を果たしました。(割合としては7:3くらいでロングリリーフ中心です)西村監督解任までの防御率は5.40となっていて両者を兼任するのはとても難しかったのだろうと感じます。
 中嶋監督代行に変わってからは9月2日に抹消されるまではロングリリーフとして2試合、3イニングを無失点に抑えています。再度9月15日に登録されて以降は右のワンポイントが中心となりました。9月25日の日本ハム戦では2アウト満塁の大ピンチで中田翔選手に対するワンポイントとして見事三振に抑えるなど存在感を発揮します。
 そして、最後の登板となったのが10月14日のソフトバンク戦。この試合は多くのオリックスファンが覚えているのではないでしょうか。0-0のロースコアの試合で7回途中まで粘投していた山崎福也選手の後を受け2アウト満塁でマウンドに、そして川島慶三選手の代打の長谷川選手の初球にいきなり暴投。その後四球を出して降板しました。次の柳田選手に山田選手が走者一掃となるツーベースを打たれチェックメイト。この試合で登録抹消され、シーズン終了まで一軍に再昇格することはありませんでした。この試合はアルバイトで見ることができなかったのですが、試合後のTwitterがなかなか荒れていたのを覚えています。


 下のグラフが荒西選手の登板成績をまとめたものになります。ロングリリーフは1イニング以上もしくは先発が5回持たずにKOされ、イニングまたぎをした時、ワンポイントは1回投げ切らず当初の対戦相手が右バッターの時に限定しました。(しかし、代打で川島慶三選手→長谷川選手などの右相手に登板したら左の代打が出てきたなどはワンポイントに含めます)

スクリーンショット 2021-01-09 12.40.20

 なにこれ(涙目)ワンポイントの防御率は1回の失点で跳ね上がるけれども、9.00を超えるのは高過ぎです。また、ワンポイント時の被本塁打の2本は2本とも中田翔に打たれるなど、特定の選手に打たれる傾向がありました。被打率などを見ても右打者に対する被打率が.283に対して左打者の被打率が.241となり右のサイドハンドでは珍しく左バッターの方が抑えている傾向があります。(他のサイドハンドを見るとM東條選手は左バッターの方が.030近く高く、L平井選手に至っては.060近く左打者の被打率が高くなっています。)基本的に荒西選手は左のワンポイント(齋藤選手と山田選手)と2人で1イニングのニコイチで起用されることが多かったです。

ロングリリーフに適正に見られる共通点について
 

 しかし、防御率だけみても運に左右されることがあるので、正確な判断はできないと思います。そこで、過去にロングリリーフ・右のワンポイントで立場を確立した選手を事例に共通点を探っていきたいと思います。はじめにロングリリーフで立場を確立した選手の事例を取り上げます。今回は、2019年の山崎福也投手(B)と国吉佑樹投手(De)を紹介します。タイプが対照的な2人にした理由は、全く別な選手を取り上げることでその中で共通点を発見することで一概的な特徴を判断できると考えたためです。

 山崎選手は、長年ドラフト1位として期待されながらもなかなか結果を残すことができませんでしたが、2019年にロングリリーフを中心に結果を残し、2020年は先発ローテとして活躍しました。オリファンの目線から見ても来年は大活躍して欲しいですね。そんな福也選手の指標と投球割合に関してはこのようになっていました。

スクリーンショット 2021-01-11 14.44.52

スクリーンショット 2021-01-11 15.02.39

 次に国吉選手です。国吉選手は快速球で長年期待されながらも制球難がなかなか克服できず、トレード候補とも言われていましたが、2019年にオープナーをこなすロングリリーフとしてブレーク、2020年も中継ぎとして42試合に登板するなど、今後DeNAのセットアッパーになる可能性も秘めている選手です。そんな国吉選手の指標はこのようになっています。

スクリーンショット 2021-01-11 14.45.34

スクリーンショット 2021-01-11 15.02.58

 今更なんですが、福也選手よりも国吉選手の方がBB/9低いんですね。(小声)
 両者に見られる特徴として自分が注目したのは被打率です。両者とも.250前後に抑えられています。先発投手として.250は比較的低い分類になり、2020年シーズンではT青柳投手や先日MLBへの移籍が決まったF有原投手が.250程度の被打率となっています。他の先発投手になるとM美馬選手が.270、E則本選手が.260と両エースの割合を上回っています。もちろん、5イニング以上が基本となる先発投手と投げても3イニング程度となるロングリリーフでは比較するのは難しいですが、先発が早期に降板した際にその空気を締め直す為にもランナーをできる限り多く出さない、安定したピッチングが必要となってくるのではないでしょうか。
 もう1つはストレート+2球種を中心に組み立てを行なっていると言うことです。福也選手の場合はストレートとスライダー、チェンジアップであり、国吉選手の場合はストレートとスライダー、カットボールの組み合わせとなっています。これも先発投手に近いものとなっているでしょう。リリーフ投手の場合はストレート+決め球の2球種が中心(極端な例を出すと、Bヒギンス選手はストレートとチェンジアップが9割近い投球割合となっています)となる一方で、先発投手は長いイニングを投げる為、打者に的を絞らせないように様々な球種を使います。(比較的球種が少ないH千賀選手もストレートに加えてフォーク、カットボール、スライダーが投球割合の10%を越しています)ロングリリーフとしては先発ほど長いイニングを投げないが中継ぎよりは長いイニングを投げる為にストレートに加え、2球種は自在に操る能力が必要となってくるのでしょう。

右のワンポイントに見られる特徴について
 

 次に右のワンポイントについてです。今回は、2020年の東條大輝投手(M)と2019年の大竹寛選手(G)を紹介します。
  まず東條選手です。2019シーズンから右キラーとして出てきたイメージがあります。個人的には、東條、登場という言葉がなかなかにツボで、いく!くらい好きですね。
 そんな東條選手の成績は以下のようになっています。

スクリーンショット 2021-01-12 14.18.19

スクリーンショット 2021-01-12 14.18.35

スクリーンショット 2021-01-11 15.38.09

 対右打者の成績が.238、対左打者の成績が.263とかなり違うことがわかります。左右別成績を細かく見て見ると対右の四死球数がかなり左バッターと比べて少ないことが目につきます。やはり左打者は投げにくいのでしょうか。

 次に大竹選手です。先発として長年活躍していましたが近年は不振気味でした。しかし、2019シーズンに中継ぎ転向すると復活。プレミア12では日本代表に選ばれるなど大活躍でした。そんな大竹選手の2019年シーズンの成績はこのようになっています。

スクリーンショット 2021-01-12 14.30.27

スクリーンショット 2021-01-12 14.30.40

スクリーンショット 2021-01-11 15.38.36

 両選手ともWhip同じなんですね(小声)どんな偶然なんだよ(狙ってません) 
 今回自分が注目したのはスライダーです。両選手ともにスライダーの空振率が10%以上と高い値になっています。(参考までにHモイネロ選手のスライダーの空振率が12%程度となっています。)右バッターから逃げていくスライダーが右打者相手に大きな効力を発揮していることがわかります。投球割合を比べて見ると東條選手がスライダーとストレートを中心に、大竹選手がスライダー、シュート、ストレートを軸にピッチングを組み立てていることがわかります。
 東條選手の左右別成績を比べると対右の方が四死球数が少ないことも特徴なのかなと考えましたが、大竹選手の成績を見たらそんなことは関係ないですね笑
 もう1つ両選手に見られる共通する特徴が見られます。それはゴロアウトの比率が多い、と言うことです。大竹選手のGO/AOは1.56、東條選手のGO/AOは1.23とゴロアウトの比率が高くなっています。(平均は1.08らしいです。wiki情報ですが)一概にゴロアウトが高ければ優秀だ!ということはできませんが、ゴロアウトが多い=一発の危険性が少ないということにはなるので一気に大量失点の可能性が低くなると考えられます。これは、ピンチなどで出番が多いワンポイントになっては必要な能力となってくるでしょう。

④2020シーズンの荒西選手の指標について

 ロングリリーフ選手の特徴として①.250前後の被打率、②ストレート+2球種の球種の2つが、右のワンポイントリリーフとして特徴は①スライダーの空振率が10%以上、②GO/AOの割合が平均以上の2つとなっています。このような特徴を整理した上で荒西選手の成績を見て見ましょう。

スクリーンショット 2021-01-12 15.09.17

スクリーンショット 2021-01-12 15.09.23

スクリーンショット 2021-01-12 15.09.43

 こう見ると両方できそうな成績が出てきましたね。はじめに、ロングリリーフとしての適正についてです。被打率.250を超えていますが特別高すぎるというような成績ではないです。球種もストレートの他にカットボール、スライダー、シンカーと4球種を中心に組み立てています。被打率さえ下げればロングリリーフとしての役割を果たすことができるでしょう。次に右のワンポイントとしての適正についてです。スライダーの空振率は10%を超えていて、前述の2人と比べると低いですが、優秀な値となっています。(他の空振率10%程度の選手はBディクソン選手のナックルカーブになります)また、GO/AOの割合も1.67とかなりのゴロアウト率になります。自分が考えた右のワンポイント適正はクリアしていますね。では、なぜ打たれるのか。それはストレートの被打率だと考えています。被打率.300近くは高いのではないかと思います。リリーフ投手の指標を見ても、ストレートの被打率が.300近いのはEブセニッツ選手とBディクソン選手などがいますが、それぞれ大きな決め球(カーブ)を持っている為にその変化球を決め球に抑えることができています。一方、荒西選手にはそのような決め球は有していません。そのため、現状としてはどちらも中途半端な成績となっているのだと考えられます。

 荒西選手は右のワンポイント、ロングリリーフの両面で活躍するポテンシャルを秘めていると指標を整理しながら感じました。来年どちらで起用されるのか、はたまた先発転向するのかはわかりませんが、活躍する為にはストレートの質の向上、もしくは代名詞とも言える決め球の確立が必要不可欠になるでしょう。それが成功した時、被打率も必然的に下がるのでどんな役割でもこなせる便利屋として1軍として必要不可欠な存在になるでしょう。

⑤終わりに

 荒西選手の来年の立場は厳しいものになると思います。個人的には今年の阿部選手に求められる役割と荒西選手の役割は同じものであると考えているからです。それは、先発の谷間からロングリリーフをこなせる便利屋です。そのような厳しい競争に勝ち抜いた方が、長年の契約を手にすることができるでしょう。

 今回の記事は以上になります。5000文字を超える駄文ですが、読んでいただきありがとうございます。次回の記事については迷っていますが、一塁、両翼、DHの活用法について、もしくはオリックスの先発争いについて書こうかなと思います。今回は本当に読んでいただきありがとうございました!!

出典

データで楽しむプロ野球 
https://baseballdata.jp/

nf3-Baseball Data House-
http://nf3.sakura.ne.jp/php/stat_disp/stat_disp.php?y=0&leg=1&tm=B&fp=1&dn=1&dk=0
 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?