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比嘉幹貴と山田修義はなぜビハインドでの登板が多いのか

どうも、yoです。観葉植物を4年間育てているのですが、相変わらず愛おしいですね。小さいモノですが、ずっと育てていると愛着が湧いてきますよね。

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さて、今回ですが表題にある内容について書いてみようかなと思います。今年のオリックスは中継ぎ陣が不安定です。抑えやセットアッパーは現在も固定されていません。

そんな中で実績があり、今年の成績も安定している比嘉投手山田投手がビハインドで登板する機会が多くなっています。また、それに関してはオリックスファンの間でも疑問に思っている方が多い印象です。そこで、なぜ両投手がそのような起用法となっているのか書いてみたいなと思います。

1.現在のオリックス中継ぎ陣の陣容

まずは、オリックス中継ぎ陣の陣容について軽く見ていきましょう。昨日から平野佳寿選手が復帰したのでそれを踏まえてのAチーム、Bチームはこのように分けられるでしょう。

Aチーム:平野佳寿、タイラー・ヒギンス、能見篤史、村西良太、K-鈴木
Bチーム:漆原大晟、比嘉幹貴、山田修義、富山凌雅
                               
 (敬称略)

あくまで主観で選んだので富山選手やK-鈴木選手などは逆かもしれませんが大体はこのようになるかなと思います。

この中で複数年続けて結果を残しているのはメジャー帰りの平野選手を除くと、比嘉選手(同108試合登板)山田選手(過去3年で計118試合登板)のみになります。(阪神で能見選手が同130試合登板しています)

それもあり、複数年結果を残し、今年も安定した成績を残している両選手がビハインドでの登板が中心となっていて、(失礼ながら)安定しているとは言えない若手中継ぎ陣が勝ち試合に投げていることに疑問を思ってる人が多いイメージです。

では、本当に両投手はビハインドで投げることが多いのでしょうか。軽く5月の成績等を表にしてみました。

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今回の定義としては、大量リードは4点以上、接戦時は3点リードから1点ビアインド時、ビハインドは2点ビハインドよりも差が大きい時、と勝手に定義しました。

比嘉選手の場合は接戦時の登板も多いですが、交流戦に入ってから大量リード時かビハインド(それも5点以上の大差がついた時)の登板が大半なのでBチームとしての印象を持たれやすいのかもしれないです。

山田選手の起用法は…よくわからないのが本音です。左のワンポイントで出てきたり大量ビハインド時に出てきたり、去年までの便利屋よりも一歩下がった「便利屋」でしょうか…

では、なぜ両者がビハインドで投げることが多くなっているのでしょうか。自分としては、3つの理由が考えられると思います。

2.①似たタイプの若手投手の出現・期待

1つ目の理由としては「似たタイプの若手投手の出現・期待」が考えられます。

去年までの両投手の役割としては比嘉選手が「ピンチ時の火消し役」、山田選手が「様々な立場でいける便利屋」だったと思います。両投手ともに絶対的なクローザーなどではなかったもののブルペンの中で確固たる地位を築いていました。

しかし、今年は比嘉選手の役割を同じサイドスローの村西選手、山田選手の役割を富山選手などが担っています。(山田選手のポジションについてはいないと言ってもいいかもしれません)

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村西選手はすでにピンチでの火消しを2回成功(失敗0、ホールド失敗1)するなど、火消し役の立場を固めつつあります。もちろん安定感などは比嘉選手に比べるとまだまだだとは思いますが、この役目に関しては経験しなければできない役目だとも考えています。(どちらかというと比嘉選手が異次元)

村西選手はここまで7試合に登板して1試合大量ビハインド1試合3点ビハインド時に登板していますが、それ以外は全て接戦の登板となっています。また、5/4に昇格してから4試合は8回同点→7回2点リード(回頭から)→8回1点リード1アウト満塁→9回2点リード2アウト満塁という登板となっています。改めて見るとすごい場面で登板していますね…

ある程度登板して安定した成績を残してから上のような僅差での登板はよくあることですが、(実績のない)2年目の投手にこのような起用をしているのは期待という面が大きくなるのかなと思います。

比嘉選手も去年、今年と負傷離脱があり、現在38歳とあと何年現役でプレーできるかわからない状況となっています。比嘉選手が健康でプレーしている間に少しでも経験を積んでもらい、将来的には「絶対的な火消し役」になってもらいたいというオリックスベンチの考えが垣間見えます。

それによる村西選手のこのような起用になったと言うことができるでしょう。

富山選手は将来的には8回を任せたいのかなとベンチの起用を見るに思います。(実際、一時期8回でした)開幕当初は接戦時の起用で始まり、漆原選手やヒギンス選手の不調も相まって8回を担当。その後は不調ということもあり、ビハインドや接戦時の起用をされている。という印象です。

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この使われ方が個人的には山田選手と似た一種の「便利屋」のイメージを持つのかもしれません。

富山選手の登板パターンは、ここ3試合はビハインドでの登板となっていますが、5月はチームトップの4ホールドを上げています。富山選手は4/9からセットアッパーの役割を担っていますが、ここまで防御率4.50と安定しているとは言えない成績です。(とはいえ、当社比安定している、と言われればそれまでです)

山田選手の方が現在の防御率は良い(4.05)にも関わらず、富山選手が重点的に起用されていたのは実力的な面と将来への投資の面があると考えられます。

3.②ゲームの流れを変えるため

2つ目の理由は「ゲームの流れを変えるため」です。敗戦処理とはいえ、試合を「壊す」のではなく、「作り直す」ことで逆転の機運を高めるためには重要な役割となっています。

わかり易い例を上げると、去年の7月22日の楽天戦はそれが顕著に現れた試合だと思います。

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この日は先発の鈴木優選手が乱調で4回途中6失点でKOされてしまいますが、その後荒西選手や吉田一将選手が踏ん張り追加点を与えませんでした。結果として徐々に追い上げ、9回の大逆転劇が生まれたと思います。

また、ロッテの投手コーチである吉井理人コーチは敗戦処理について次のように語っています。

「シーズン中にもこういう試合はあります。報道などでは劣勢で登板する投手を『敗戦処理』と呼んでしまいますが、劣勢で出て行くことは『敗戦処理』ではなくて『ゲームの流れを変える役目があるんだよ』と。それを今日の試合で彼らにも理解してもらえたと思う」
 『敗戦処理』って書かれてしまうけども、けっこう重要な役目。あそこを誰かがやらなければいけない。1試合の中でもそうなんですが、長いシーズンを考えると、ブルペン陣、特にシーズン後半の疲弊を考えると、あのポジションの投手が絶対必要になる」と指摘。そして、「『すごい敗戦処理』もブルペンの中では、重要なピースだということをわかってもらいたい」と、その重要性を説いた。
(2019年3月13日付 Full-Count)

敗戦処理が出てくるのは大半が味方が大量失点を喫して暗い雰囲気が流れている場面だと思います。

その中で試合を引き締め、逆転への一縷の望みをつなぐ役割として重要であるからこそ、安定した成績が期待できる両選手が使われているのではないだろうか。と思います。

4.③若手への経験

最後は若手への経験です。

これは元ロッテの監督のボビー・バレンタインさんの考えになります。バレンタイン監督はロッテの監督時には、ベテランの小宮山悟さん高木晃次さんが敗戦処理を担うことが多かったです。これがバレンタイン監督の持論が展開されています。

同年以降は自軍が大量リードされている展開でのロングリリーフが中心となった。これは監督のボビー・バレンタインの「将来性のある若い投手に敗戦処理をさせても意味がない」との持論が反映されたものであった。
(wikipedia 小宮山悟)

確かに、プレッシャーのかかる場面とかからない場面では発揮される実力が段違いの選手もよくいます。

また、そのような場面を乗り越えることで一段成長するとともに、緊迫する場面で実力を発揮できない選手の(半ば無理やり)成長を促すことができるのではないでしょうか。

中嶋監督は昨年11月の監督就任時、更に言うなら代行監督就任時から「育成×勝利」を掲げるなど、若手選手を育てながら勝つ。ということを非常に大事にしています。

8月から監督代行を務めた今季同様、目指すのは「勝利」と「育成」の両立だ。「育成という部分ではちょっと進んだのかなと思うが、それが勝利に結び付いたかといえば違う」とシーズンを振り返ったように、漆原や大下ら若い力を見いだしたが、チームの借金を減らすことはできなかった。来季は「勝利」という面での成果が求められる。
(2020年11月12日付 時事ドットコム)

そのため、比嘉選手や山田選手の方が抑える確率が高くても、若手に緊迫する場面を任せることで成長を促し、育てながら勝つ。という一石二鳥に見えなくもないことを目指しているのではないでしょうか。

5.まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございました。

最後に、比嘉・山田両投手がビハインド中心で起用されていると推測される簡単なまとめです。

ビハインドで両投手が起用される理由
①似たタイプの投手の出現・期待
②ゲームの流れを変えるため
③若手への経験

もちろん、勝ちパが安定していないのだからまずは安定している選手を勝ちパにしろよ!という考えもわかります。しかし、今のオリックスが数年後優勝、はたまた常勝球団となるためには若手の成長が必要不可欠です。福良GMも以下のように語っています。

今は3年後にいいチームをつくるというイメージで編成に取り組んでいます。
(2020年2月18日付 Sportiva)

これは昨年の記事なので、「2年後に優勝できるチームを作る」と考えると今は我慢の時と思います。そのための比嘉選手や山田選手の現在の起用があると思います。

このnoteを投稿する前日には、ここで取り上げた村西選手がエラーも絡んで逆転を許してしまいましたが、今までのような若手の育成を最大限優先する。といった姿勢は変わらないのかなと考えています。

もちろん、1シーズン完走したことのない選手が多いので、疲労が溜まりやすい夏には若手選手が今のような起用ができるとは到底思えないです。

そのような時に現時点でプレッシャーのない場面で投げている両投手や平野選手がチームを救う投球をしてくれると信じてやみません。

今は我慢の時です。(オリックスファンからするとしつこいと思うかもしれませんが)起用されている若手選手が大輪の華を咲かすための経験をしっかりとファンで見守っていきましょう!!

・出典

また、所属しているサークルのネクストバッターズサークルではごしまさんからコメントを頂きました。ありがとうございます!


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