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NPBにおいて「野手登板」が何故浸透しないのか考察

野手登板とは文字通り、野手が投手として登板することで、ペナントレースを戦い抜くための戦術の一つです。

この野手を登板させる目的は、大差がついた試合において残るリリーフ投手がセットアッパーやクローザーといった勝ちパターンの投手しかいなく、そのため勝ちパターンの投手を温存するために敗戦処理として起用するためです。

MLBでは広く浸透しており、大差のついた試合ではどのチームも野手登板という起用をしています。日本人メジャーリーガーでもイチロー選手や青木宣親選手もリリーフとして登板しています。

一方でNPBでは野手登板そのものがあまり浸透していません。何故野手登板がNPBでは浸透していないのか考察してみました。

まずはそんな中でもNPBで行われたことがある野手登板の代表的な事例をまずは紹介していきましょう。



~野手登板が行われた主な試合~

1946年6月16日 大阪タイガース×阪急軍戦

1946年は太平洋戦争により中止となっていたプロ野球が再開した年です。戦後ゆえに当時は道具も人手も足りない。そのため各チーム野手が投手として登板したり、投手が野手として出場したりと、いわゆる二刀流選手が多く誕生しました。
そんな中、大阪タイガースの呉昌征選手は外野手として活躍する傍ら、チーム事情により投手として先発した6月16日の阪急軍戦。なんと野手登板ながら戦後初のノーヒットノーランを達成しました。

野手登録選手によるノーヒットノーランはNPBでは唯一無二の大記録。なお呉昌征選手は1946年に投手としては27試合登板し、16完投、シーズン14勝を挙げましたが、以降は投手として起用されることは引退するまで僅か3試合に終わり、本職の外野手としてプロ野球で20年プレーし、野球殿堂入りを果たしました。


1970年10月14日 南海×阪急戦

1-7と阪急がリードする6回走者なしからセンターを守っていた南海の広瀬叔功外野手が登板。
結果は先頭の石井晶選手にヒットを浴びましたが、後続を併殺などで切り抜けると、7回も2四球と安打で一死満塁のピンチを招きましたが、後続を見事に打ち取り、2回無失点で降板となりました。

当時の南海の野村克也監督は「勝負がついてしまったし、お客さんをなんとか喜ばすためにやったんや。それに3番手ピッチャーがまだできあがっていないし…。阪急さんには失礼なことをしたが、ワシはお客さん本意に考えた」と説明しました。

なお広瀬叔功外野手は通算2157安打、NPB歴代2位となる通算596盗塁を成し遂げ、後に野球殿堂入りを果たしたレジェンド選手です。また、プロ入り時はもともとは投手として入団しましたが、1年目に肘を痛めて野手に転向したため、二軍でも投げたことがなかったそうです。

1974年9月29日 日ハム×南海戦

0-9で南海がリードする9回表無死走者なしから日ハムの高橋博士内野手が投手として登板。
結果は野崎恒男投手をセンターフライに抑え、打者一人を抑えたところで降板となりました。

なおこの野手登板の背景には、この試合は当時の日ハム本拠地であった後楽園球場でのシーズン最終戦であり、消化試合のダブルヘッダーの2試合目。
試合を盛り上げるファンサービスのために、1人の選手を1試合で全ポジションを守らせてみようという、当時日ハムの球団社長であった三原修発案の下、NPB唯一の珍記録を生み出すための起用でした。

なお高橋博士内野手は南海、日ハム、ロッテと移籍し、プロ18年間プレーしたユーティリティプレイヤーです。

1995年5月9日 西武×オリックス戦

0-9でオリックスがリードする8回裏2死走者なしから西武のデストラーデ内野手が投手として登板。
結果は高田誠選手に三塁打、ニール選手に四球、藤井康雄選手に四球と1アウトも取れず降板しました。
当時西武監督の東尾修監督は「点差も離れていたのでファンサービスのつもりで登板させた。」と説明しまた。

デストラーデ選手については秋山幸二選手、清原和博選手と共にクリーンナップを組み、AKD砲として西武黄金期を支え本塁打王3回、打点王2回も受賞した怪物助っ人です。
ちなみに高校時代に投手経験はあったそうです。

1996年7月21日 オールスター第2試合

7-3でパ・リーグがリードする9回表2死走者なしからオリックスのイチロー外野手が登板。また対する打者は巨人の松井秀喜選手でしたが、当時のセ・リーグを率いたヤクルトの野村克也監督は松井秀喜選手に代打高津臣吾投手を起用。結果は高津臣吾投手をショートゴロに抑え、試合終了となりました。

この起用については当時パ・リーグを率いたオリックスの仰木彬監督によりファンサービスによるものでした。もともとイチロー選手は高校時代は愛知県の名門、愛工大名電のエースとして活躍。プロでは外野手として数々の大記録を打ち立て、当時のオリックスの若手のスーパースター選手。対戦するはずだった松井秀喜選手についても当時はまだまだリーグを代表する選手ではありませんでしたが、高校時代の5打席連続敬遠により知名度は抜群の若手の超人気選手でした。

もはや二人のその後の活躍は説明不要ですが、そんな当時若手のスター選手同士の夢の対決が実現なるかという展開で、代打高津臣吾投手の起用により夢の対決は無くなりました。
これに対し野村克也監督「仰木さんほどの名監督と呼ばれる御方が人の痛みがわからないようでは困る。お祭りだと考えたんでしょうが、打ちとられたら松井のプライドが大きく傷つくことになる。オールスターは格式ある真剣勝負の場ですから」とコメントしました。

ちなみにイチロー選手にあっては、1995年11月19日に行われたパ・リーグ東西対抗戦でも登板しており、さらにメジャーでは2015年10月4日のマーリンズ×フィリーズ戦でも8回裏4点ビハインドの展開に登板しています。


2000年6月3日 オリックス×近鉄戦

3-16と近鉄がリードする8回裏、このイニングは既に5失点しており、なおも無死3塁という状況からオリックスの五十嵐章人内野手が投手として登板。
結果は山下勝巳選手に犠牲フライを浴び失点を許し、さらに続く前田忠節選手にヒットを浴びるも、本職ではない投手との対戦を嫌った大村直之選手が犠打をし2アウト、続く中村紀洋選手をライトフライに打ち取り、何とか1イニングを自責点0で投げきりました。

五十嵐章太内野手はNPBで唯一無二の全打順本塁打達成と全ポジションで出場を両方成し遂げた選手です。
元々ロッテから移籍した選手でしたが、ロッテ時代で既に投手以外のポジションで出場しており、当時のオリックスの仰木彬監督も全ポジション出場を達成させるために敗戦処理として起用しました。

なお、この試合は近鉄のクラーク選手と礒部公一選手が頭部死球により負傷退場するという両チーム嫌悪なムードの中で五十嵐章太内野手が登板しており、当時の近鉄の梨田昌孝監督は「面白くないしアホらしい。あんな奇策、どうでもいい」とコメントし、五十嵐章太内野手本人も「複雑です。相手に迷惑をかけた」とコメント。
さらに当時のオリックス監督の仰木彬監督が投手陣に対し「投手じゃなくても抑えられるんだ」と怒り、これに対し五十嵐章太内野手本人も「投手に申し訳なかった」とコメントしました。

2020年8月6日 巨人×阪神戦

0-11で阪神がリードする8回裏、1死走者なしから巨人の増田大輝内野手が登板。
結果は近本光司選手をセカンドゴロ、江越大賀選手に四球、大山悠輔選手をライトフライに打ち取り、見事0回2/3イニングを無失点で抑えました。

当時は8回裏に若手の堀岡隼人投手が登板しましたが、連打を浴び無死満塁のピンチから更にタイムリーと押し出しを許し、なんとか1アウトを取るも中谷将大選手に満塁ホームランを浴び、0回1/3イニング7失点となったところで降板し、増田大輝内野手が登板した背景があります。

当時巨人の原辰徳監督は「チーム最善策ですね。あそこのね。まあやっぱり6連戦という連戦、連戦、連戦のなかでね。あそこをフォローアップする投手というのはいないですね。それはだって、一つの作戦だからね。あそこで堀岡を投げさせることの方がはるかに失礼なことであってね。」とコメントしました。

なお増田大輝内野手は高校時代は投手あり、増田大輝内野手本人も「甲子園で投げられてすごく嬉しい」とコメントしました。

2022年5月21日 中日×広島戦

1-10と広島がリードする8回裏、イニングの初めから中日の根尾昂内野手が登板。
結果は坂倉将吾選手にヒットを許すも、続く小園海斗選手をライトフライ、磯村嘉孝選手をセンターフライ、中村健人選手をセカンドゴロに抑え、1回無失点に抑えました。
また、この時に球速150キロを計測、また9回表には打席にも立つという二刀流としての出場を果たしました。

なお根尾昂選手については5月29日のオリックス戦にも8点ビハインドの8回裏に野手登板を果たし、そして6月13日に野手登録から投手登録に変更となり、異例の野手から投手へコンバートを果たしました。
その後の2022年シーズンは敗戦処理リリーフ投手として起用され、ペナントレース最終戦には先発投手として起用されました。

根尾昂選手については高校時代は二刀流選手として名門大阪桐蔭高校の甲子園春夏連覇を果たしたスター選手。また中日の立浪和義監督が根尾昂選手を投手としての運用を考えており、投手コンバート前には延長戦では投手が足りなくなった等の万が一に備えブルペンで投球練習をさせていたこともありました。

2023年9月2日 巨人×横浜戦

4-12で横浜がリードする8回裏、巨人の北村拓己内野手がイニングの始めから登板。
結果は大和選手をセンターフライに抑えましたが、続く山本祐大選手にホームランを浴びました。それでも続く林琢真選手をファーストゴロ、関根大気選手をレフトフライに抑え、1イニング1失点となりました。

この試合は巨人の先発の横川凱投手が1イニング投げ降板し、後続のリリーフも打ち込まれ、結果として残るリリーフはクローザーの中川皓太投手とストッパーのバルドナード投手しかいない状況でした。

これに対し巨人の原辰徳監督は「北村が台所事情というか、ピッチャー陣を助けてくれました。監督としてもああいう練習はさせていないけれども、非常に感謝します。」とコメントしました。

また、北村拓己内野手は「バッターにデッドボール当てないようにとは考えましたし、野手が投げるのは、あんまりよろしくないのかなと思いますけど、チームでやってますし、明日も試合ありますし。そういう意味を込めての今日の登板だったと思うので、明日こそは勝ちたいっていう気持ちでやりました」とコメントしました。
なお北村拓己内野手は中学3年生以来の投手起用となったそうです。


~NPBの野手登板に対する考え方~

「野手登板」は戦術として見ても敗戦処理として他の投手を温存できる合理的な戦術ではありますが、実際にはNPBでは浸透していません。

2023年9月2日の巨人×横浜戦で巨人の北村拓己選手が登板した際にも物議を醸しました。
なお、SNSでは「MLBでも敗戦処理に野手登板は一般的で他の投手を温存できるから、何も批判する必要はない。」等という意見が大半で、今やファンの中では野手登板に好意的な考えを持つ人が多いです。
だがしかし、「試合を諦めた」「相手に失礼」等の批判的な意見も一部ありました。
また、プロ野球の解説者でも賛否両論な意見が出ていました。

しかしながらこれはあくまで第三者の意見です。ならば当事者である選手や監督、コーチはどのような考えなのか。上記の過去事例から見ると、昭和や平成初期の時代では「大差で負けてしまっているので、ファンサービスの一環で野手登板をさせた」旨の起用となっており、MLBのような完全な敗戦処理での起用とは言い難いです。高橋選手や五十嵐選手は全ポジション出場という記録のための起用とも言えます。

そして令和の時代では巨人の増田選手、北村選手、中日の根尾選手が野手登板を果たしましたが、根尾選手にあっては後々に投手コンバートとなっているので、どちらかといえば投手としてどれくらい投げれるのかのテスト登板としての起用と言えます。

それでも巨人の増田選手、北村選手にあっては当時の試合の状況や原監督のコメントから見るに、まさにファンサービスではなくMLBのように敗戦処理として野手登板をさせたと言えます。

ならばこれから野手登板は浸透していくと思いたいところですが、実は北村選手が野手登板した際に巨人の投手コーチである阿波野投手コーチは試合後に「そういう選択もあったのかと思った」とコメントしており、投手コーチには野手登板という選択肢がなかったと伺えます。

また、北村選手のコメントからも野手が投手として投げることに違和感がある旨のコメントをしているので、現場の投手コーチや野手からもまだまだ野手登板は抵抗があるのではないでしょうか。

他にも野手登板ではありませんが、野手が守備位置に着く際にはマウンドを避けて遠回りしてポジションに着くような選手も中にはいます。その理由についても昔TVで見た際は、「マウンドは神聖な場所だからそこを通らないようにしている」とコメントしていました。

さらに始球式でもマウンドに登らずにマウンド外から投げる方もおり、2021年には当時は野球解説者で現広島監督の新井貴浩監督は始球式ではマウンドに登らずに始球式をしていました。その理由についても、「マウンドは神聖な場所だから」とコメントしています。

このように、やはりプロ野球の世界は「マウンドは神聖な場所」という考えが浸透していると言えます。

我々のようなプロ野球ファンからして見れば古臭いと批判してしまえばそれまでですが、推測ですが現場の選手やコーチ、プロ野球OBにこういう考えがあることを念頭に置くと、野手登板という戦術そのものがなかなかNPBでは浸透しない要因ではないでしょうか。

~MLBの野手登板について~

一方その野手登板が浸透しているMLBですが、そもそも何故MLBでは野手登板が浸透しているかというと、MLBの試合は原則、NPBのように延長戦は12回までと決まりはなく、決着が着くまで無制限に試合が行われます。
現在はコロナ禍の2020年から延長戦に突入した場合はタイブレーク制を導入しており、決着がつきやすくなりましたが、それでもシーズン試合数も162試合とNPBの143試合より多く、既存の投手だけでペナントレースを回すには足りなくなるケースが出てきます。

さらにロースター枠(一軍登録枠)に関してはNPBと比較しても少なく、さらにNPBでは一軍と二軍の入れ替えに制限はありませんが、MLBでは1選手に対するマイナー行きの回数は1年に5回までと制限があり、簡単に入れ替えることができないため、より一層リリーフの運用に気をつかう必要があり、そのため、投手がいない、若しくは敗戦処理で勝ちパターンのリリーフを温存したいため、やむなく野手を投げさせるというケースが多くなっため、結果としてMLBでは敗戦処理として野手登板が一般的となったという背景があります。

そのため、野手登板はMLBではいわば苦肉の策として生み出された戦術であると言えます。

なお、2020年から野手登板に関して条件をつけており、6点差以上ついた場合か延長戦に入った場合のみに野手登板することが可能とルールを設け、2023年からはさらに条件を厳しくしており、8点以上リードされているか、10点以上リードしている9回にしか登板してはいけないことになっています。

そんな中でもMLBでは年々野手登板の機会が増えており、2021年には89回もの野手登板がありましたが、2022年に至っては制限が課されられたにもかかわらず、132回もの野手登板が行われました。

~野手登板への懸念する点~

合理的な戦術と思われる野手登板にも懸念する点があります。
当たり前ですが、野手を投げさせるということは本職の投手ではない選手を投手として起用するということであり、そのため選手が怪我をする可能性があるということです。

仮の話をしたらキリがないですが、例えば野手登板で起用している選手に相手の打球が当たった場合どうするのか、相手打者に対し死球を与えてしまったり危険球を出してしまった場合どうするのか、さらには投球中に肩や肘を痛めた場合どうするのか、色々な問題が出てきてしまいます。

ただ怪我のリスクは本職の投手にも言えますし、そもそもMLBで野手登板での怪我の可能性は大きな問題には発展していないので、ただの杞憂かもしれませんが、それでも万が一起きてしまう可能性は0ではありません。

そうなると、野手登板に対して登板させる野手というのは基本的にベンチの控え選手、さらには悪い言い方をすれば怪我をしてもチームに影響が少ない選手を起用することになるでしょう。

私はドラゴンズファンですが、当時の根尾選手が投手転向前での野手登板に関しては「万が一怪我をしたらどうするのか」「根尾選手を敗戦処理で起用するな」と大批判を受けていたのも事実です。
まあこれは根尾選手を遊撃手として起用しなかった立浪監督に対する批判の面が大きいですが…

よって若手のプロスペクトの選手を野手登板させることは万が一のことを考えるとハイリスクな起用でもあり、野手登板をさせる選手は慎重に選ぶ必要もあります。それでもイチロー選手がオールスターで登板しているので、これも杞憂かもしれません。

ただ野手登板に関して唯一言えることは、NPBで野手登板を果たした選手のほとんどが学生時代では投手経験者であったことでしょう。

やはり全く投手をやったことがない選手を起用することはNPBでもあり得ない、ハイリスクすぎるということでしょう。


~野手登板は今後のNPBに必要なのか~

MLBでは一般的だからNPBも真似すべきだという意見が出るのはプロ野球ファンの心理から考えても、MLBは野球の本場であり最先端のプロ野球リーグであるから、それを模倣することによりNPBのレベルも上がると思われるので、当然出る意見でしょう。

しかしながらMLBの野手登板にある背景を考えると、ルールや環境により苦肉の策でやらざるを得なかったことが徐々に様々なチームに普及、浸透していった流れがあり、そのため今ではMLBでは一般的なことになりました。

一方NPBでは戦後は選手が足りない環境であったため、こちらも苦肉の策で野手登板は行われていましたが、時代の流れと共に選手は増え、さらにはプロ野球黎明期は先発完投が主流であったため、そもそも敗戦処理という概念すらなかなかありませんでした。

次第に先発完投という流れから投手分業制となりましたが、それでもMLBとは違いNPBは延長12回まで、ペナントレースの試合数も黎明期は年によって変移しましたが、1966年から130試合となり、MLBと比較すれば試合数は少ないです。
※現在は143試合です

よって、そもそも敗戦処理に野手登板をさせる戦術をMLBと比較しても昭和の中期以降のプロ野球ではとる必要がなく、さらには「マウンドは聖地」という考えもあることから、野手登板という概念すら無くなったのではないでしょうか。
やったとしても昔はあくまでファンサービス。本気で野手登板を戦術としてやった監督は現代野球においても巨人の原監督くらいです。

しかしながら、今後もNPBには野手登板という戦術はいらないのか、浸透していないからやらなくて良いかと言われると、確実にあったほうが良いと思われます。
その代表的な例として、2023年8月25日の中日×横浜戦において、中日の近藤廉投手が9回表に登板し1イニングで10失点する出来事がありました。

この試合の詳細についてはこちらにまとめてあります↓↓


SNSでは一連の采配に批判殺到となり、さらに試合後には横浜のバウアー投手が「なぜ野手に変えなかったのか不思議だった。こんな時米国では、試合終了まで野手が投げる。リリーフ投手が立たされて、ただ恥をかくなんて滅多にない。日本では野手は投げない。米国でもそうないことだが、普通これだけ点差があると攻撃側が追加点を取りたくないと思う。文化の違いかな。日本では違うんだね。日本では最後まで一生懸命試合をする。度々メジャーでは、点差が離れると手を抜くことがあるかもしれない」と意見を述べていました。

私はドラゴンズファンなので、近藤廉投手から他の投手に代える必要はないと思っていましたが、バウアー投手が言うように、やはり野手登板をすることができれば近藤廉投手を交代することができていたでしょう。

また、文化の違いからこういうことになるのかとバウアー投手も考察しているので、やはりMLBとNPBの考え方、そして日本特有の考え方が野手登板という采配に繋がらないのではないでしょうか。

~結論~

長々と説明、考察しましたが、結論として何故NPBに野手登板が浸透しないのか
・現場には「マウンドは聖地」「野手が投げては相手に失礼」という考えが根強く残っている
・そもそも野手登板がチームの戦略にない
・MLBとNPBの環境の違いから生まれた文化の違いにより、これまで野手登板をする必要がなかった

以上のことからNPBでは野手登板が浸透していないのかと思います。

しかし、過去や現在は浸透していなくても、未来のことは分かりません。もしかしたら未来のNPBでは考え方も徐々に変わっていき、いつしか野手登板が一般的になるかもしれません。

今後どうなるか、プロ野球を楽しんでいきましょう。
ご愛読ありがとうございました。




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