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【文字起こし】日本ハッカー協会セミナー「不正指令電磁的記録罪の傾向と対策」(前半その1:協会の紹介)

2019年4月26日(金)に東京のTECH PLAY SHIBUYAで行われました、日本ハッカー協会のセミナー「不正指令電磁的記録罪の傾向と対策」の「前半部分(平野先生のご担当分)」につきまして、協会と平野先生のご許可をいただき、文字起こしをさせていただきました。もし間違いなどございましたら、ご指摘いただければ幸いです。エンジニア界隈の皆さまにお役立ていただけたらと思います。

※追記:最初、「講義のあとの質疑部分が起こせていません」と書きましたが、録画からは質疑部分は削除されているようです。(一般参加者の方が映っているからかなとは思いますが)

※ちょっと置き場についてはまだ後で変更するかもしれませんが、何しろ起こした部分だけですでに1時間近くあるのでTwitterでは流せないため、取り急ぎ普段使っているこちらにアップさせていただきます。

なお、アイキャッチ画像はみんな大好き「いらすとや」さんの「ホワイトハッカー集団のイラスト」をお借りしました。ありがとうございます。

★セミナーの概要と元動画について

文字起こしは元の動画の前半のみで、3部構成です。1つめのこのエントリは、冒頭のハッカー協会さんの代表あいさつの部分です。

堤/
それでは、時間になりましたので……。
本日は皆さん、ご来場いただきましてありがとうございます。
大変長らくお待たせ致しました。
ただいまより、一般社団法人 日本ハッカー協会セミナー「不正指令電磁的記録罪の傾向と対策」を開催いたします。

私、本日 司会を務めさせていただきます、一般社団法人 日本ハッカー協会セミナー理事の、堤(つつみ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

[拍手]

それではまず、一般社団法人 日本ハッカー協会 代表理事の杉浦 隆幸(すぎうら たかゆき)より、皆様へのご挨拶、および当協会についてのご説明を申し上げます。
それでは杉浦理事、よろしくお願いします。

杉浦/
(小声で)ええと、これ変えるよね。よし、変えますね。
開いてないね。じゃあ開きます。スタートします。
……ごめん、間違えた、間違えた。

[スライドが出てくる]

え~、本日、平成最後の平日となりまして、そんな忙しい中、皆さんお越しいただきましてありがとうございます。

また、Youtube Live で中継で見てる方、残念ながら来られなかったかもしれませんけど、ここで見ていって、今後の皆さんのセキュリティ、および開発とか「新しい技術」をする上での一助となれば と思っております。

今回は、日本ハッカー協会ということで、セミナーとしては最初のものとなっています。

[スライド▼]
で、今回のこの場所なんですが、TECH PLAY さんに提供いただきました。
ありがとうございます。
そして、セミナーの後の懇親会はブロードバンド・セキュリティさんにご提供いただきましたので、皆さん、タダで食べられます。

あと、後援のほうは IPAからも来てまして、ちゃんとした、正当なバックアップがついていることを証明したいと思ってます。
(会場/笑い)
悪い団体ではありませんので、よろしくお願いします。
本当にありがとうございます。

[スライド▼(自己紹介)]

え~、自己紹介をあんまりやってもしょうがないと思いますので、「後でググってください」ということで。
ハッカー的な会社とか作ってきまして、いろんな活動をしてきました。その中で、一般社団法人という会社……もとい、団体を作りまして。

私もいったん、1コの会社を作って売ってしまったので、「次は、もうちょっと皆さんの役に立つことをやっていこう」と思いまして、その1つとしてこのハッカー協会を作っております。

[スライド▼(設立パーティ)]

一応、設立は、去年の9月13日に設立記念パーティをやっております。
それからちょっと、いろいろと……最初のほうはドタバタがあったんですけど、やっとどうにか軌道に乗りそうということで現在、やっております。

[スライド▼(協会設立の目的)]

(この協会の)目的なんですけど、『日本のハッカーがもっと活躍できる社会を作る』この一言を、協会の目的としております。
ハッカーが元気になって活躍できれば、当然、セキュリティも良くなりますし、セキュリティ以外の普通のハック……まあ何かパッと作ったりすることですね、そういう色々な活躍をすることにより日本の社会の競争力を高めていこう、という目標を持っています。

[スライド▼(弊協会の事業内容)]

事業としては2つ、今やっています。ちょっとまだ、立ち上がったばかりなんで……。

1つは、ハッカーに働きやすいところで働いてもらうような人材紹介。
もう1つは、今回のメインとなります【登録ハッカーに対する弁護士費用の助成事業】というのをやっております。

やはり、セキュリティも含めて新しいことをやるのはリスクが高い。
そのために、一線を越えてしまう方、もちろん「これは一線を越えていないだろう」というものでも警察の一存で捕まってしまう方……
――まあ今回もそうなんですけど――
そういう方々に関して、当然、「ちゃんと働いて社会的地位を持ってほしい」ということもありますが、まず「弁護士がちゃんと付くとかなり有利に戦える」ということもありまして、そういう事業をしております。

当然、これは非営利事業です。
皆さんの寄付金や、あと、1つめの事業(人材紹介)の利益をまわす形でやってます。
まあ、ほぼ自立できるような組織にはしておりますが、まだちょっとできたばかりなので、皆さんのご協力が必要な感じです。

人材紹介は、まあ、普通のやつやってます。
ここではちょっとTECH PLAYさんの関係で言いにくいのですが。

[スライド▼(従来:逮捕→社会的に大ダメージ)]

さて、メインのところなんですが「ハッカーに対する弁護士費用の助成事業」というのをやっています。
脆弱性を見つけて、それを突いてしまうと不正アクセスになってしまいます。それで捕まってしまいますと、善意からであったとしても、なかなか法的にはそうならないということもあって。
そして一度、前科が付いてしまうとそのあと、なかなか仕事がしにくい。
もちろん、雇ってくれるところもあるが、多くの日本企業は、そういう人を
敬遠してしまうことが多い。そういうことで検挙され、逮捕されて前科が付いてしまうことがないようにすることに意義があると思って、活動しています。

[スライド▼(弁護士費用を協会で一部助成)]

で、当然ながら、ITに強い弁護士って、なかなか いないんですよ。
もしいたとしても、民事ならまだお金になるので皆、やるけど刑事で勝てる弁護士さんって、なかなか、いないんですね。

そのために、弊協会が「刑事に強くてITに強い弁護士」、
――今回の平野先生もそうなんですけど――
そういう方を、ちゃんと登録しております。それによって、もし捕まった時でも、弁護士の先生を紹介できます。

最低でも「どこに登録しているか」と「名前」ですね。「名前」重要です。「名前」ですね。「名前」重要です。なのでもし捕まっても、「何々弁護士会の平野先生を」等と言っていただければ、すぐに連絡が取れますので、ぜひともお願いします。
それまでは、黙秘していただいても大丈夫ですからね。
対応は、このあと平野先生が、ちゃんと教えてくれます。

で、これでうまくいって不起訴になれば、まず大丈夫。不起訴というのは、警察が裁判にもっていかないということです。
もし起訴されたとしても、今後のハッカーの方が活躍できるように、また本当に罪を犯してしまってどうしようもない場合でも ちゃんと弁護士をつけて、きちんとした道を示してくれるようにしよう、というのがハッカー協会です。

[スライド▼(というわけでぜひ)]

というわけでぜひ、そういう保護を受けたい方!
ハッカー協会では、常に会員を募集しています。
登録無料です。
ほかの事業で稼いだお金と皆さんのご寄付から成り立っていますので。あと、賛助会員(法人)の方々の会費で運営しております。
ですから、会員(ハッカー)の方はお金をかけずに会員となって、法的な保護を受けることができます。ですので、まだの方はぜひご加入ください。


積極的に……特に、「ITスキルに全振りしていて社会的スキルがない」という人も全然、結構ですので。そういう方々がITの技術にまい進することで社会が良くなると思う。やっぱり得意なところを伸ばした方がいいですからね、はい。

というところで、どんな方でも弁護士費用の一部……
――今なら全部可能だと思いますが――
助成してますので、捕まったら、ぜひともお願いします。
捕まらない方がいいですけどね。当協会は、そのための対策でもあります。

[スライド▼(寄付募集の実績)]

ええと、寄付の募集なんですが。もともとは、ハッカーのための組織だったんですが、ちょっと、アラートループの事件に家宅捜索がつくということになって。
この件、実はハッカーの方ではなかったんですが、特別に決裁をとって、寄付を募集しました。25時間で700万円集まっております。

Coinhive の件は皆さんご存じだと思いますが、一審は勝訴したんですが控訴されまして。
ここからはやはり弁護士さんも負担がかかるので、お金もかかります。色々なスペシャリストの方の支援とかも。
そういう方や弁護士さんを、ただ働きさせたり赤字にするのは良くない、ということもありまして、ハッカー協会が寄付を集めております。

ハッカー協会への寄付のメリットとしてもし不起訴で終わればお金が余ります。余ったお金については、同様な事件を起こした場合にそなえ、弁護士さんへの助成金としてプールできます。協会なら税金がかからずにプールできるので将来的に有効に活用できます。是非とも、惜しまずに寄付を。

会場の後ろの方、受付のエレベーター前でも寄付を受け付けておりますので
皆さんよろしくお願いします。

すみません、個人の方には税制の優遇がないので、できる限り、会社(法人)に出させてください。お願いします(笑)。

以上です。これから平野先生、高木先生のほうから実際の傾向と対策……対策が先になりますが、そのあたり、しっかりと最新の情報で話していただきますので、皆さん、ぜひともちゃんと対策を勉強していただいて、我々のお世話にならないように、お願いします。


もし、お世話になったときにはバッチリ、サポートしますので、よろしくお願いします。以上です。

(会場/拍手)
(ここまで約10分)

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