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[文字起こし]いんよう! 第9回【はたらく細胞の感想①】

大変申し訳ありません、いきなり第9回です。
そう、この回から私、聞き始めたんです……(^^;
2回にわたる「はたらく細胞の感想」がめっちゃくちゃ面白く興味深くて、これを起こしたくて始めたようなものなのです。(私はアニメは一応全部みて、マンガは1巻だけ買った人)
なので、申し訳ないんですが、第2回はしばらくお預けで、先にこちらをアップさせてくださいね。
なお冒頭、全然「はたらく細胞」とは関係ない話が続きますが、大丈夫です、本編はちゃんと「はたらく細胞」になってますので、ご安心を(笑)。

※アップした時点(2018年11月16日の深夜)では、まだ半分くらいしか起こせていません。残りはまたぼちぼち。

※最後までできました。(2018年11月18日 2:25)最後のほうは毒マスクとか全身マスクとか、最初スルーしてましたけどよく聞くとすごい単語がw

(♪)

いん/……いやいや、全然知らないですよ。
よう/あ、本当?
いん/「やがて君になる」、知らないです。
よう/なんかね、百合マンガなんだよ、たぶん。百合ものなんだよね。
いん/ほう。
よう/で、結構……たぶん、人気作だったんじゃないかな。なんか、なんとなくTwitterなんかで回ってくるのは見てて、気になってたんだけど。「まあ人気作なんだから、そのうちアニメ化するだろう」っていうさ、悪いオタクでさ……(笑)
いん/んふふふふ(笑)
よう/待ってたんだけど、11月から、その放送が開始されたんだよね、アニメになって。
いん/あ~、そうですか。
よう/うん。でまあ、第1話しかまだ見てないから、話がどうなっていくかとか分からないんだけど。まあなかなか良い百合ものになってく感じがするんだけど……。
なんかね、「面白いな」と思いつつ見ているんだけど、同時に色々なことが頭に思い浮かんで、話に集中するのを邪魔してくるんだけど。
いん/(笑)
よう/その理由を、最初に話したいんだけどさ~。イッチー、多分わけが分からないところもあると思うんだけど、まあ「たわ言だな」と思って聞いてほしいんだけど。
いん/どうぞ、どうぞ(笑)

よう/まず、新1年生……高校1年生の子が主役で。で、えーと……、まあ割と普通の子なんだよね。で、なんかまだ人を好きになったことがなくて、「その気持ちがよく分かんない」って焦ってる子で。
いん/うん。
よう/で、相手方が、1コ年上の、高校2年生の生徒会長なんだよ。で、背も高くてかっこよくて、美人でモテる、みたいなキャラなんだけど……
いん/……あ~、相手は、女の人?
よう/女の人、女の人。で……
いん/どっちも女の人……
よう/どっちも、そうそう。百合だからね。
いん/はいはい(笑)
よう/で、先輩もモテるんだけれど、全員……誰とも付き合わないっていうので、まあ多分ちょっと、恋愛に関して悩みを抱えているっぽいっていう、まあ「なるほど、分かりました!」っていう感じの設定じゃん。
いん/「わかりました」……(笑)
よう/「好きだよ、そういうの!」っていう(笑)
いん/っくっくっく(笑)
(1分57秒)

よう/でね、あのね(笑)主役の声が、高田憂希(たかだ ゆうき)さんって人なの。この人が、「NEW GAME!」っていう作品の、青葉(あおば)っていう……「今日も一日がんばるぞい!」っていう名ゼリフを吐いたさあ……
いん/ああ~!あれ!!はい。
よう/あのキャラなんだよね。だからどうしても、主役の子が、青葉に見えてくるっていうのが、まだあるんだよ。
いん/あはははは(笑)
よう/全然、キャラの性格も違うんだけど(笑)で、あの~、先輩のほうは、(声優さんが)寿 美菜子(ことぶき みなこ)さんっていう人で。あの、紬ちゃん(「けいおん!」の琴吹 紬)やってる人なんだよね。
いん/ほぉぉ~。
よう/で、そのふたりが生徒会室で会うんだけど、生徒会室に行くと、必ずみんな、お茶を飲むんだよ。
いん/(笑)
よう/で、なんか「紬ちゃんがお茶入れてるな~」って思うと、なんか「放課後ティータイム」を思い出すわけ。「けいおん!」の。
いん/あっはっはっはっはっは(笑)
よう/(笑)で、同時に、百合もので生徒会室っていえば、もう「マリみて」の山百合会しかないんだけど……
いん/ないんですか(笑)あははははは。
よう/うん。で、えーとね、あれは、山百合会は、古い木造のね、「離れ」みたいなやつが学校に建ってて、そこが生徒会室っていうか山百合会の本部なんだけど……
いん/ほう。
よう/その、「やがて君になる」も、昔、書道部だったっていうところがあって、離れの木造の建物なんだよね。
いん/ほう……(笑)
よう/それ見た瞬間に「マリみて」思い出すし、さらに、「マリみて」も、皆お茶とかコーヒーとか飲んでるんだ。
いん/(笑)
よう/こう、女子らしい行為(?)なのか、分かんないけど。だから、「マリみて」感もすごいするし。
いん/(笑)
よう/まあ、たぶん百合ものだからさ、「マリみて」を、オマージュっていうか、なんか引用してるっていうかさ。なんか、なんてーの? リスペクトみたいな感じだと思うんだけど。
いん/あ~。あーあーあー……(うなずいてる感じ?)
(3分34秒)

よう/さらに「離れ」っていうと、「ゆるゆり」っていう百合作品もあって……
いん/次から次へ……あはははは(爆笑)
よう/もう、昔、茶道部だった、和室のある離れを、茶道部がなくなったから、主人公たちが使ってるっていう設定でさ……。なんかね、いろんなものが邪魔して……邪魔したな、っていう、たわ言なんだけどさ(笑)
いん/ひゃっはっはっはっは(笑)
(3分59秒)

よう/で。
いん/(笑)……で? はいはい。
よう/今日は「はたらく細胞」の話をしようと思うんだけど。
いん/ちょっと待って待って待って(笑)あはははは(笑)
よう/(笑)
いん/今のが、今のが枕詞なんですか?(笑)
よう/そう、俺が話したかっただけ。……俺が話したかっただけ(笑)
いん/あはははは(笑)
よう/今ね、ごめん、タイマー押し忘れてて、今からカウントしてるから、ごめん(笑)
いん/ああ……いや、いいっすよ。あの、だから、今のは、とにかく近況報告で、最近ちょっと言いたいオープニングトーク……に過ぎないわけですね?(笑)
よう/そうそう(笑)うん、たわ言だよ、たわ言。
いん/わっはっはっは(爆笑)
よう/でも結構、同じこと考えてる奴いると思うんだよね~。
いん/ひ~、へ~……ウケる……(爆笑した後で、息切れしつつ涙を拭いている感じ)

よう/そうそう、「NEW GAME!」でいうとね、副会長のサポート役みたいな同級生がいるんだけど。
いん/はあ、はあはあ。
よう/それがね、 茅野愛衣(かやの あい)さんっていう人で。あの~、「NEW GAME!」でも、同じように青葉の上司のサポート役っていうか、まあ同僚なんだけど……同じような立ち位置の役で、「りん」っていう役がいるんだけど、その「りん」も、茅野愛衣さんがやってるので、もうこれ実質「NEW GAME!」だな、と思って。
いん/あはははは(笑)
よう/主役は……主役っていうか、副生徒会長が日笠陽子だったら、もう完全に「NEW GAME!」だな、っていう……話なんだけど。
いん/その話は……だから、膨らませなくていいわけでしょ(笑)
よう/(笑)
いん/いや、膨らませられなくはないんですよ、実は、今の話も。
よう/はい……いや、やめよ? 「はたらく細胞」の話しよ?
いん/そうなるでしょ? この話は、いずれね。はいはい。……で、「はたらく細胞」がどうしたの?
(5分33秒)

よう/いやなんか、「はたらく細胞」がアニメ化するって決定したときに、俺、全然、原作とかも知らなくて。
いん/ほぉ~。
よう/で、なんかちらっとね、まあ「細胞」っていう名前がついてるしさ、ウィキペディアでどういうのか調べてさ……。
いん/(笑)
よう/まあ、血球細胞とか免疫系の細胞の話だっていうのは分かったんだけど……
いん/はい。
よう/なんかこうね、ヘルパーT細胞とか、キラーT細胞とか、樹状細胞とか……結構、なんか本格的なキャラ出てくるな、みたいなさ。キャラっていうか細胞。
いん/うん。そうっすね。
よう/ちょっと、びっくりしたんだよね。「マジだな」みたいなさ。
いん/そうっすね。
よう/で、なんか……もちろん、エンターテイメント作品として面白いから、人気が出てアニメ化されてるんだろうとは思うんだけど。これちゃんとやると、教育的な意味合いというかさ……やっぱ、学習漫画ではないけど、そういう風にも使えるし、実際なんかそういう……なんていうの? 熱中症の(流行った)時にさ、熱中症の回を無料公開したりとかさ。
いん/はいはいはい。
よう/コンテンツ展開のひとつとして、そういうサービスやっている感じもするし。……なんかこう、まあ研究内容のことをさ、もし話す機会があったとしてさ。まあアウトリーチ活動みたいなのを考える時にさ……
いん/はいはいはい
よう/最もポップなかたちだよね、この「はたらく細胞」みたいなかたちってさ。
いん/……分かりますよ(ぼそりと)……ほんとそう。
よう/で、昔、子供の頃にあった「ひみつシリーズ」みたいなのあるけどさ。
いん/ああ~……学研の?ひみつシリーズ、でしたっけ。
よう/うん。あれ、好きだったけど……でもあれはもともと「教育する」っていう目的で、マンガを使ってたけどさ。
いん/うん。
よう/「はたらく細胞」は、もっと現代的でさ。もともとエンターテインメント作品として本当に作ってて、それが結果としてアウトリーチにも使えるっていう……
いん/あ~。
よう/何らかの知識を得ることで、サイエンスリテラシーを上げることにつながってるっていうのが、いいなあと思ってさ。
いん/そうですね。
(7分50秒)

いん/いや、タイムリーで……僕、アニメは結局見なかったんですけど。あまりに評判が良かったので、マンガを全部買って読んだんですよね。
よう/あ、ちなみに俺はね、原作はまだ1巻しか読んでなくて、アニメは全部見たっていう……。
いん/ああ。僕は、マンガは全部読んだけど、アニメはまだ見てない、みたいな。
よう/うんうん。
いん/マンガ、いいっすよね。
よう/あ、いいっすか? ……まあ、いいよね。
いん/(かぶせ気味に)いや、いいっすよ。いや、いいっすわ。
よう/うんうん。
いん/いや、いろんなパターンがあると思うんですけどね。アニメが良くて、マンガは癖があるとか。まあダメってことはないと思うんですけどね。でもあれ、マンガもすごく良いですね。
よう/うん、アニメも良かったよ、なんか……
いん/そうですか。……で、激烈にタイムリーなんですけど。
よう/うん。
いん/あの……これ、本当にたまたまなんですけどね。この話題が出ると知らずにやってたんですけどね……。
よう/うん。
いん/今日、僕……あの、とある……釧路……まあ、釧路に僕はいるわけですよ、今日は僕は。
よう/はいはいはい。
いん/で、釧路のとある看護学校で、よく講義をしてるんですよ。
よう/ふむ、ふむ。
いん/たまたま、教える内容が「炎症と免疫」の話で。
よう/はぁあ~!(なるほど!、という雰囲気)
いん/……だったんですよ。
よう/はいはいはい。
いん/で、この話、そこそこの紆余曲折があって。実は僕、この話は先月、講義する予定だったんですよ。
よう/ああ~。……飛んじゃったやつね。
いん/そうです。先月、ちょうど北海道を襲った地震のせいで、出張が飛んでしまって、講義がなくなったんで、今月になったんですけど……この、飛んだ1カ月の間に、僕、「はたらく細胞」を読んだんですよ。
よう/そういうことだよね。
(9分26秒)

いん/そうなんですよ。で、先月もし講義してたら、自分の好きなようにしゃべってたんですけど、今月しゃべろうと思ったときに……。教科書を見て「この範囲か。炎症と免疫だ~」ってなるじゃないですか。
よう/はいはいはい。
いん/そうしたらもう、炎症ところとか、アレルギーの話とか、免疫担当細胞が……好中球がいて、リンパ球がいて、B細胞とT細胞がいて、マクロファージがいて、っていうのが。
よう/うん。
いん/もう、「はたらく細胞」以上に教えられる気がしなかったんです。
よう/……わっかるなあ。
いん/そうなんです。で、あの、アウトリーチされすぎて、僕、あれ以上に教えられなくなって。……で、これ、本当についさっきの話なんですけど。
よう/うん。
いん/「あの、今日ね、炎症と免疫の話するけど、『はたらく細胞』っていうマンガ、読んだ方がいいと思うんだよね~」って……
よう/あはははは(笑)それ、完全に「白旗宣言」じゃん。
いん/白旗宣言。……で、その話の流れがいろいろありまして。学生が「へー」ってなるじゃないですか。「またお前、そんなマンガの話でもして、適当に終わらそうとしてんな」みたいな空気を(学生が)出してくるんで、僕自身もちょっとカチンときてですね。
よう/うん。
いん/「いやいやいや、これ一応、教育のことを考えて言ってるわけだから」みたいな感じで、こう、売り言葉に買い言葉みたいな感じで……
よう/それ全部、イッチーの、たぶんマッチポンプなんでしょ、実際は。
いん/マッチポンプです。……で、っていやそうじゃなくてね(笑)いや、早い早い(笑)オチは終わってからにして。
よう/ごめんごめん(笑)
いん/で、マッチポンプの結果、どうなったかっていうと……
よう/うん、マッチポンプは認めるんだね、はい(笑)
いん/うん、そこは……(笑)
よう/いいよ、続けて(笑)
いん/その結果ね、釧路のとある看護学校に、「はたらく細胞」をですね、5セット、寄付することになりました(笑)
よう/はっはっはっは(笑)あ~、そうなんだ(笑)
(11分10秒)

よう/いやまあ、いいことだよね、自腹感ハンパないけどね(笑)マッチポンプの末、ブーメランでお金を出して寄付する、いいことだよね(笑)
いん/いやあの、それで(笑)……さっき教務の、教員の方に確認したら、「マンガも全然、図書室に入れていただいて(けっこうですよ)」とお墨付きをいただいたので(笑)明日、僕、札幌帰ったら、5セットくらい、Amazonで買います。
よう/えっと、今、5巻くらい?
いん/……まで出てます。
よう/じゃあ25冊分買うってこと?
いん/そう。うははははは(笑)
よう/まあまあだね(笑)まあまあのパンチ力がある……
いん/でも、正直思ったんですけど、それくらいの教育効果はあるんですよ。
よう/いや~……。やっぱり、とにかく細胞の名前は絶対覚えるもんね。
いん/覚えますね~。
よう/で、その関係性も覚えるでしょ、なんとなくさあ。
いん/覚えますね。僕、今まであんなに説明できたことないですもん。
(12分5秒)

よう/いや~、やっぱり「絵」って強いね。
いん/あ~……
よう/そして「お話」も、強いよね。
いん/あれ、絵「だけ」ですかね? お話「だけ」ですかね? ……なんか、複合的じゃないです?あのマンガ。
よう/うーん、まあ言ってしまえば「キャラクター」かな。
いん/キャラクターですね~。
よう/うん。
いん/「これは、うまいなー!」っていうのが多分、僕にも先輩にもあると思うんですけど。
よう/うん。
いん/例えば、僕が1つあげられるのは……僕、マクロファージのキャラ設定が素晴らしいと思いますね。
よう/マクロファージは、素晴らしいね!
いん/すっばらしいっすよね!(←めっちゃアクセント付きで)
よう/素晴らしいね(笑)
いん/でも僕、あれ自分で漫画化しようと思っても、あれは思いつかないですもん。
よう/あ~……そうかもね。
いん/うん……。なんで、あのキャラにする?……って。(自分では)思いつかないんですけど、でも読み終わると、あれしかないんです。
よう/そうだね。
いん/うん。
よう/なんかね、掃除役っていうか、そういうことなんでしょ、あれって。
いん/「掃除役」でもあるし、「きれい好き」って感じもするし、実は攻撃力も強いし……
よう/そうだね。
いん/ちょっと倒錯したところもあるし(笑)……あと、極め付け、本当に「ヤバイな」と思ったのはですね、「骨髄で赤血球を赤芽球から育ててる」っていう、あのシーン。
よう/ああ~!そうだね。
いん/あれは、やべえ!と。
よう/あれはヤバイ。メイドの格好をしている必然性があるよね。
いん/そうなんですよ。いやホントそれ。
よう/うん。
(13分27秒)

いん/あと、ナチュラルキラーが、「タンクトップ着てるヤバめの女性」っていうのも、あれも、めちゃくちゃうまい!
よう/めちゃくちゃ分かるね。うん。
いん/そんなこと考えもしない……。
よう/ちなみに、ナチュラルキラー、NK細胞はさ。普通に説明すると、どんな感じになる?
いん/NKを普通に説明するとしたら……多分、「イネート・イミュニティ(Innate immunity)」みたいな単語とか……
よう/「自然免疫」ね。
いん/はいはい。「自然免疫」みたいな言葉をちょっと頭に入れつつ~、えぁ~(悩み)……抗原提示はあんまりしなくて、めくらめっぽう向かっていく、「猪突猛進」みたいなイメージもありつつ~、「細かい仕事は得意じゃない」と言いつつ~、あとストレスとかメンタルのお話がたまに世の中で言われますよね~、……までじゃない?
よう/そうだね。で、がん細胞、がん免疫にもきいてるっていうね。……あのキャラ、そのままだもんね。
いん/あれって、描いてるから今も僕、(キャラの)顔を思い浮かべて言えますけど。「はたらく細胞」を読む前は、そんなイメージまったくなかったですもんね。
(14分48秒)

よう/そうだね。だから……。なおかつ……別にさ、あの原作者の人ってさ、生命科学をやってた人でも全然ないみたいだよね。
いん/マジですか!?
よう/うん、そうみたいだよ。
いん/えぇえ~……。ショック……。
よう/だから、調べたんじゃない?
いん/マジかぁ……。
よう/一応、ウィキペディア情報によると、妹から「細胞について覚えたいから、それをマンガにしてくれ」って言われて、それで免疫系の細胞を擬人化したキャラクターを、イラストとか描いて、……っていう経緯があって、
いん/えぇ~……。
よう/それを、卒業制作のテーマにして、それがそのまま新人賞を取って連載、ってことみたいだよ。
いん/ええぇ~~~……。そんな、えええ……。「今まで生命科学者は何をやってきたのか」っていうくらい……。
よう/いやほんとに。だからやっぱり、マンガ家として才能のある人の、それが「特徴をつかんでキャラクター化する能力」だよね。
いん/いやぁ……(絶句)
よう/俺らはさ、キャラクター化する能力、ゼロなんだよね。専門知識があったとしてもさ。
いん/いやほんと、そうじゃないですか。
よう/うん……。
(15分58秒)

よう/いやなんか、細かいこと言えばさ、「あ、そこそうじゃないな」って思うところは、あるにはある……けど、
いん/めっちゃ細かく言えば、ですよね。
よう/うん。だけど、それってたぶん、別に「原作者がそこ知らない」っていうよりは、多分「お話として、キャラクターとして、そっちのほうが面白いから」っていうふうに処理してるんじゃないかな、とも思うから。
いん/そうですね。
よう/多分、あまりにも正確性にこだわりすぎるとさ、だんだんガチガチになってきて、こう、キャラクターの魅力とか、お話の魅力とか、なくなっていくと思うんだよね。でも、最低限というかベースとしてはきっちりやってる知識を紹介しているのが、素晴らしいと思うわけよ。
いん/いや~、そうなると、なんでしょ、擬人化だけじゃなくて、ストーリーテリングとか、語る順番もそうですし……
よう/うん。
(16分52秒)

いん/あれ、「細胞がはたらく」話なのに、赤血球が狂言まわしなのも、ヤバいですよね。
よう/ヤバいね。
いん/ヤバい。
よう/(かぶせるように)ヤバい。(笑)
いん/あのアイデアはヤバい。
よう/さっきから「ヤバい」しか言ってないけど(笑)
いん/あははははは(笑)
よう/なんか、いわゆる「主人公が活躍する」っていうタイプの作品じゃなくて、「主人公が一番ふつう」っていうか、いわゆる狂言まわしとしてはたらく。そして周りに能力が高い個性的なキャラクターがいる、っていうタイプの物語だよね。群像劇としてはね。
いん/そう。「それをやるかい!」っていうくらい、うまいんですよね。
よう/そう。だからそうなると、赤血球ってのは一番数が多いし、すごく大事な仕事はしているけど普通、っていうのは、なんか分かるよね。
いん/分かりますよね。で、核がないし、120日で死ぬっていうところをあっさり無視しているのも、「うまい」んですよ。
よう/そうなんだよ。そうそう。そういうところを、無視してるじゃん。
いん/あれすごいよな。白血球なんて、だって、1回抗原と戦ったらそこで死ぬはずなのに、死んでない(笑)
よう/うんうん、そこは違うんだよね。
いん/そこ、うまい。
よう/そこうまい。でも、それは不正確なんじゃなくて、やっぱり話としてうまいんだと思うんだよね。「話を作る」という意味でさ。で、もし、これをきっかけに免疫系のことを細かく勉強するんだったらさ、これを入り口にして、その先はちゃんと勉強すればいいわけじゃん、専門的なことをさ。
いん/いや、そう、そうなんですよ……。いや本当に今、頭抱えてて。
よう/うん。
いん/病理の教科書を書いてる最中なんですけど。
よう/なるほどなるほど、書いてるね。
いん/書いてるんすよ。
よう/ツイートは見てるよ。
いん/そうそう。……でも、炎症と免疫のところで、本当に頭を抱えていて。「読んじゃった!」みたいな(笑)
よう/なんとなく、あれを基準に考えちゃうってことでしょ? 自分の書く文章を。
いん/いやぁ~、あの創作を知らなければ、僕、知らないふりしてイチから全部、自分のたとえ話でいけたんですよ。
よう/うん。
いん/多分、雑な例え話で。
よう/うんうん。で、引っ張られるけど、それをパクっちゃダメだもんね。自分の咀嚼の仕方で出さなきゃ、ダメだもんね。
いん/パクっ……てもいいんですけど、あれを超えられないんだったら、世界ごと全部、取り換えなきゃいけなくて……。
よう/なるほどなるほど。
いん/「はたらく細胞」の解説になるんだったら、「『はたらく細胞』を買って下さい」になるんですよ。別にそれでいいんですけどね……。ちょっと、悔しいものがあるんで、今、頭抱えてますよね。「やられた」……もとい、「やられてた!」(笑)「やられてた!」だ。「やられた」じゃない。「やられ“てた”」!
よう/「やられてた」。「もう、既に死んでた」ってことだよね。(笑)
いん/そう。(笑)
(19分28秒)

いん/なんか……ちょっと、話ズレずにズレますけど。同じこと言ってんですけどね。
よう/ええ。
いん/自分が知らないだけで、既に素晴らしい表現があった……
よう/いやー分かるな、そうだね。
いん/……つらくないです?(笑)
よう/ん~。研究してたら、それ即死だからね。(笑)
いん/ぎゃっはっはっはっは(笑)……「研究してたら即死」ですよね……。
よう/うん。だからね、定期的にね、PubMed(パブメド)で、同じような論文が出ていないか検索するんだけどさ。
いん/ね。「研究してたら即死」ですね。
よう/研究してたら即死だね。いやでもねえ、エンタメ作品でもそうだし、教科書でもそうだけれども、あまりにもマルかぶりのものはねえ……ちょっと、難しいものがあるしね。
いん/おまけに……「はたらく細胞」は一人で作り上げたのかもしれませんけど、やっぱりアニメ化を越える(=経験する、経る)ことで、いろんな考証とかがさらに深まってると思うんですけど。
よう/ん~、そうか。アニメって、なんかその考証に誰か入ってたかな……? クレジットを見た感じ、そういう感じじゃなかったっぽいけどね……。分かんない、でもクレジットに名前が出てないだけかもしれないし、もしかしたらマンガとして連載を開始する段階でさ、編集さんを通じて何かしら考証がされてるかもしれないし。
いん/はいはいはい。まあその辺は分からないですけどね。ただやっぱり、商品として世に出てもまれてるものに、後から追いつこうと思うと、考証でかなわないんですよね。
よう/そうだね。
いん/そうなんですよ。いやあでも、ああいう才能ってあるな、とか。これから、あのクオリティを見ちゃうと、適当な比喩でその場のお茶にごすの、やべえなと思いますもんね。
よう/まあ……イッチーはマンガ家でもなければさ、お話を……エンタメ作品を作るプロではないから、いいっちゃいいんだけど……。
いん/でも、悔しくないですぅ? そういうの見てると。「ああ、やれる人がやったら、もっと面白くしゃべれるんだ」みたいな……(笑)
よう/特にね、まあ入門書ではないけど、そういうもの(初心者向け)に関しては、ね。専門書は専門書としての役割があるからね。いいんですよ
いん/それはいいんですよ。それは専門性をあげてけばいいんで。
よう/で、イッチーは、例えば「1年目の看護学生に向けて」とか、そういうものを頼まれることが多いわけでしょ、今。ひとりで全部書くっていうときはさ。
いん/そうそう。「ひとりで全部書く」。アホっすよね(笑)
よう/(笑)……で、そういう時は、「はたらく細胞」みたいな作品のことは、気になるよね。
いん/気になります。で、ああいうのが世の中にあるって、「世の中広くて嬉しいな」っていう気持ちと、「できれば俺が全部本を書いてから見せてくれ」っていう(笑)いまこの時間がつらい……
よう/またイッチーがやられてるけどね(笑)常に何かにやられてるからね。
いん/(笑)
よう/今は「はたらく細胞」にやられてるってことだね。
いん/そう……。ですから、今日、最初の話題がね、何の話が始まるのかな?って思ってて「『はたらく細胞』だ」って言われたときに「あっ!」って思ったんですよ。
(22分37秒)

よう/じゃあ、「どのキャラが1番好きか」っていう話をしようか。
いん/うん……あの、それ、ひねっていいですか?
よう/いいよ。
いん/僕ね、「はたらく細胞」の話をするたびに、タイムラインに3人くらい、“沸く”んですよ。特殊な……特殊なオタクが沸くんですけど
よう/うんうん。
いん/うるさいやつは「血小板が好き」っていうんですよ。
よう/そりゃ「血小板ちゃんかわいい」っていうセリフはね、何回ツイートに載ったことか、ね。
いん/そう。もう、うるさい(笑)あのね、僕、読む前に、それ聞いたんです。
よう/あー、はいはい。
いん/「『はたらく細胞』これから読もうかな」って言ったら「血小板かわいい」っていうのが4人くらいから来たんですよ。
よう/うんうん。あとね、なんかあの……えーと、「自分の体の中にも血小板ちゃんがいると思うと、今日も頑張れる」みたいなさ。(笑)
いん/あははは(笑)練度(れんど)が高すぎる(笑)ねえ、あれはどうかと……僕は、そうですねえ……僕は、(好きなキャラは)NK。
よう/ああ、本当? 「行成 とあ(ゆきなり とあ)」さんだね、CVは。
いん/(笑)……スッと出ましたね(笑)
よう/「ベルセルク」でキャスカやってる人。
いん/すごいな~(棒)
よう/多分、吹き替えとかが主だけど、やっぱり「強い女の人」ができる人。
いん/ああ、すごくイメージ分かりました。「……だろうな~」って感じ。バイオハザードとか。
よう/そうそうそう、そういう感じ。やんちゃで、筋が通っている、強い女性、みたいなね。NKっぽい……
いん/そうそう。
よう/俺はね、やっぱりマクロファージが好きだね。
いん/僕それ、言わ……
(24分15秒)

(♪チャイム音(けっこう長い))
いん/あああ、すごい(笑)タイミングぴったり(笑)
よう/あははは(笑)……鳴りやま……あ、よし。(音が一度止まったがまた鳴り出す)あれ?
いん/あははは(笑)
よう/(チャイムを止めてから)あの~、マクロファージが好きだね。中断されても続けるけど。
いん/いやいや、今のでちょうどよかったんじゃないですか? あははは(笑)
よう/あのね、まずメイド姿でナタ振り回してるっていうところが最高だよね。
いん/ああ。あの「攻撃力が」って言うのが、マクロファージについての新たな視点を与えますよね。
よう/そうそう。うん。母性があって、掃除好きだけど、強いっていうね。
いん/うん、そうですね。キャラとしてね。
よう/ナタだからね、ナタ。
いん/ナタ、こだわりますね。
よう/そう、ナタ。ナタ、いいよね。なんかね、あのね、武器じゃないのがいいんだよ。
いん/ああ~(なるほど)。
よう/剣とかナイフとか、「武器用」のものじゃなくて、ナタとかさ、斧とか、チェーンソーとか振り回してる方が、狂気があるじゃん。
いん/あ~。着々と雰囲気が、言いたいことが分かりましたけど、深めないことにします。あははは(笑)
よう/でもね、CV……声優さんは、もうね、あのキャラクターデザイン見た瞬間から、もう井上 喜久子(いのうえ きくこ)さんで、決まりだからさ。
いん/決まりなんですか(笑)
よう/うん、決まりだよ多分。もう、しゃべる前から声してるもんね。(笑)
いん/ぶははははは(笑)
よう/これ結構同意を得られると思うんだけどな。で、俺が一番好きなのは、単球……単球って(マンガに)出てきた?
いん/はい、出ました。
よう/単球がさ、なんかすごい、完全防備じゃん。なんか、ど、ど……毒マスク付けてさ。(※注:たぶん「ガスマスク」のことかと思われます)
いん/あ~わかるわかる。
よう/全身スーツみたいなの着けてさ。
いん/あの瞬間に「あ~!」って思いましたもん。あ~~って。
よう/そうそう。「単球、この感じかあ」って思ってさ。で、血管外に出て、ファスナーを(あけて、全身スーツを)脱いだら、中からマクロファージが出てくるっていうさ……。
いん/そのシーン、あの……「免疫とか全く知らない人はどういう感情で見るんだろうな」って思いながら、その、全身マスク(※全身スーツ?)のキャラが出た瞬間に、「あ~、これがマクロファージになるのか」って思って読んでました。
よう/そうだね。そういう、まあなんていうか……先が見えてる状態で、ワクワクしながら見る感じだよね(俺たちは)。
いん/あれを……「全然、そういうの興味なかった人は、どういうふうに見てるんだろうなー」っていうのと(笑)、あとは「アニメでどういうふうに処理されてんだろうな」っていうのは、ちょっと気になりました。
よう/だから、単球の時はしゃべってなかったよな、「コホォー……」みたいな音して、毒マスクからさ。
いん/なるほどね(笑)
よう/なんか、オヤジっぽいんだよね。で、中から(マクロファージが)出てくるから、ギャップがあるっていうね。たぶん、全然知らなくても、知らない方がギャップが大きいから、サプライズとしては有効なんじゃない? 「うおお~」みたいなさ。
いん/ああ。
よう/「あ、じゃああのオッサンっぽいことをしていた奴は、実は……」みたいなことになるからさ。よりいいんじゃないかな。
いん/それにしてもですよ。そのアイデアも素晴らしくて。白血球と赤血球と一緒にいる場所では、要はガスマスクの人間(単球)じゃないとおかしいわけじゃないですか、本来。
よう/うんうん。
いん/血管内なんですから。
よう/うんうん。
いん/ところが、まずメイド姿で出して活躍させておいて、後から……っていう、あの構成もうまいですよね。
よう/そうなんだよね。で、あとね、……これでもうそろそろ終わりにしなきゃダメだけど、
いん/(笑)
よう/来週やるか!
いん/来週ね(笑)
よう/来週(笑)延長戦で。
いん/この話、続けそうですよね。いくらでもしゃべれる(笑)
よう/じゃあ、ちょっと最初は興奮しすぎてすみませんでした、ってことで(笑)
いん/ぶははははっはっは(爆笑)
よう/はい、今日は以上です。ありがとうございました~。
いん/ありがとうございました。
(28分4秒)

<終わり>



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