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[文字起こし]第38回【認識とAIとキービジュアルについて】

改元の大連休も終わり、新緑がまぶしくなり、昼間がめちゃめちゃ暑くなりましたね。皆様いかがお過ごしでしょうか。noteでフォローして頂いてる方には、突然まったく違うジャンルの文字起こしを挟みまして驚かせてしまったかもしれませんm(__)m 私は全然プログラマでもSEでもないのですが、ただ、たまたま中継を見てみたらものすごく面白くて勉強になったので、知り合いの聞こえないエンジニアさんたちにも見てほしいな、と思いまして。「いんよう!」ファンの方もご興味があれば、覗いてみてくださいね。

さて、最新回です。これの関連回とされている11回目と12回目はまだ起こせていないのですが、これが終わったらやってみようかと思いますのでお待ちくださいませ。
※起こしました。こちらのリンクをどうぞ。(過去回を読まなくてもこの回自体は楽しめます)

(なお、この回から よう先生が告知ツイートの中でこの文字起こしブログのインデックスを入れてくださっていますが……んんん、告知の時点ではその回はまだ起こせてないんだけどいいのかな?と少し戸惑いつつ、お心遣いはありがたく拝見しております。見てる方からはどうなんだろう?)

(♪)

よう/視覚情報から……「視覚からどうやって情報を取っているのか」っていうのはさ……
いん/ほう!……ふむ!ふむ!
よう/病理医と、あと最近出てきたAI診断とかにとって、とても大事なところだと思うんだけど……
いん/いや~、いきなりすごいイイ話だな。んふふ、なるほど(笑)
よう/それをね、ちょっと、アニメで考えてみようと思うんだよね。
いん/んふっ……いきなり分かんなくなったな(笑)あはははは(笑)
よう/あははは(笑)……なぜなら、アニメは「映像媒体」だからさ。もちろん音楽・音声もつくけど。
いん/そうですね。
よう/うん。で、さらに「視覚」って点に絞ると、「キービジュアル」ってのが、アニメ作品にはあるわけだよね。
いん/おおお。
よう/「作品世界を表現した、キャラクターが並んでいる一枚絵」があるわけだよ。
いん/うん、ありますね。おお……?
よう/で、歴戦のアニメファンが、キービジュアルを見て何を考えているかっていうのを、ちょっと追体験してみようっていう試みをね……
いん/ぶっははははははは(爆笑)最高、さいこー(笑)あはははは、いいですね、なるほどそういう話なんだ(笑)

★アニメ「えんどろ~!」のキービジュアルを見て読み取れること

よう/そうそう。で、作品としては「えんどろ~!」っていう……まあこのポッドキャストがOAされるころには放送終わってるんだけど、2019年1月~3月期に放送されたアニメを。これ、オリジナルなんだよ。つまり原作がないから、放送前にキービジュアルが出た段階では、「それしか情報がない」んだよ。
いん/なるほど。この1枚絵を見ても、何も分からないと。

よう/そう。だけど、分かる人にはある程度、分かる。特に……この作品を選んだもう1つの理由は、「割と様式に則った作品だから」なんだよ。
いん/分かる……!うん、だいたい言いたい事が分かってきたぞぉ~……
よう/うん。だから、過去の膨大なデータベースを持っている人にとっては、このキービジュアルからある程度、情報が取れるってことなんだよね。
いん/わっかる!なるほどなぁ~……!
(01分43秒)

よう/これは結構、不謹慎な発言かもしれないけど……病理診断でいうと、「これまでよく見たことのある病変を見た時に、何を考えているか」っていうことなんだよね。
いん/ああ……なるほどなぁ~……!!(感嘆)
よう/で、今、この作品の公式サイトのトップページを(2人とも)開いてるわけだけれども。……またこれがね、(音声で)映像の話をするっていう「荒行」をやるわけだけどさ(笑)
いん/荒行……あはははははは(笑)
よう/荒行なんだけどね、リスナーにとっては(笑)
いん/うん、分かる分かる(笑)「なんでラジオでやるのよ」っていう(笑)

よう/で、トップページに「ありそでなかった日常系ファンタジー、はじまるよ~!」っていう、ゆるいキャッチコピーがあるんだけど。これと、キービジュアルを見て、いっちーに この作品を想像してほしいんだけど……
いん/ああ~、いいなあ……。こういう企画、大好き。そしてそういう話だってまったく聞かずにこのURLだけ飛ばされてて(笑)
よう/そう、「これ開いて」って(笑)
いん/「でもそれ以上調べないで」って言われたんですよね、あはははは(笑)「何のこっちゃ」って思って。リンクすら開いてなかったから、今開いて「へえ~」って思って……(笑)

よう/で、一応何人かキャラがいるんだけど、前の4人……2列で2人ずついるじゃん。この4人がメインキャラクターなんだけど、ええと……このキャラクターがどういうキャラクターなのか、想像して、コメントもらえる

いん/分かりました。まず、1番前にいる、赤い剣を持ってて、ちょっとピンクがかった髪の毛で目が青い女の子、こっち向いてる子。これが一応、本編の主人公で、まあ一番メインのキャラで、戦隊もので言うとレッドなんだけど……
よう/うん、うん。
いん/え~と、一番火力が大きいんだけど、なかなか火力が強いことができない、ちょっとドジな感じの、天然の……「王道の主人公」みたいな感じ(笑)
よう/うん、かなりイイ線いってると思うけどね(笑)

いん/まずこの真ん中の子がそれで。で、その右下にいる、ちょっと紫がかったロングヘアで、耳がとがっててエルフっぽくて、なんかでかい宝石みたいなのがついた杖のようなものを持ってる子。
よう/うん。
いん/これは、すごく気が強い、ツンデレ系の、魔法使いで、(主人公を)補助する子。主人公がドジったときにフォローする、お姉さん的なキャラクターなんだけど、「虫」系が嫌いとか、ちょっと弱いところがある、みたいな(笑)
よう/ああ、いいねえ。ふむふむ。

いん/まあ、このあたりを僕は想像するわけです。
で、その左上にいる黄色い髪の毛で、はつらつとした、ハーフパンツみたいな服を着てて、何かネコミミみたいなのを、手につけている子。
よう/うん。
いん/これは格闘タイプの子で、ちょっと食いしん坊かもしれない。
よう/おおおおお!すごいね、いっちー!
いん/で、登場時に、おそらくちょっと攻撃力の高い食いしん坊キャラなんだけど……そうですねえ、ちょっとやんちゃな感じで、でもどっかで1回くらいは顔を赤らめてそうな……そういうイメージ。
よう/ほうほう。
いん/まあどっちかというと、はつらつとした体力系で、黄レンジャーみたいな部分があるのかな~というイメージ。
よう/うん、そうだね。

いん/で、その右にいる、青い髪の毛の、どっからどう見ても僧侶みたいな恰好をした、セーラーみたいな帽子をかぶった女の子は、おっとりしてて、補助系で、実はお嬢様かもしれないなあ、とか……。
よう/ああ、なるほどね。
いん/細かい機微には気づかないんだけど、主人公が一番つらいときには、なぜか気づく、みたいな。そういう、天然を生かしたキャラクターではないかな?という感じですかね。
よう/なるほどね。
いん/まあ、ここまでかな。
よう/いや、かなり……もう、いい回答過ぎて、ツッコめないね(笑)


いん/この4人がパーティで……後ろにいる、明らかに悪魔っぽい恰好をしたつるぺたの子は……
よう/うん。
いん/これ、なんだろう……敵とか味方とかがない世界観で、無理に敵っぽい感じで出てくるんだけど、それほど配下とかに慕われてなくて。実はすごく魔物の中心的な存在なんだけど、まだカリスマ性がととのってない、みたいな、魔王的な感じの……。
よう/はいはい。おお……。
いん/魔王なんだけど、その25代目とかで(笑)まだ全然成熟していないから……このアニメ「日常系ファンタジー」だし、結局、主人公のパーティとグダってしまうような感じ。
よう/うんうん。
いん/で、こいつが攫うはずの「お姫様」が、一番右上にいる子、みたいな、そういう感じ?あはははは……
よう/……まあ、ほぼいいんじゃないかな。(割と真顔)
いん/……っていうところですね。
(06分45秒)

★よう先輩からの「答え合わせ」

よう/まああの~、一番前の赤い髪の子は、立ち位置的にも明らかに主人公だよね。
いん/立ち位置的にも、そうですね。
よう/で、俺は内容を知っちゃってるから「後出しじゃんけん」なんだけど……この子は「勇者」なんだよね、役割としては。
いん/ああ、これが「勇者」ね、分かる分かる。
よう/まあレッド(的な立場)だし、主人公で、勇者というポジションなんだけど。で、ピンク色って、メインヒロインに与えられる髪の色だからさ。まあ「元気っ子だろうな」ってことは分かるよね。
いん/そうですね、うんうん。
よう/で、若干天然なところもあるんだろうな、って分かるよね。
いん/うん、なんかそんな気がしました。

よう/で、その右下にいる、エルフっぽい……というか耳が長いから「エルフ」で間違いないんだけど……
いん/なるほど。
よう/まず1コ、フックというかギミックとしては……「エルフ」ってのは、必ずとは言えないまでも、たいてい「弓矢を持ってる」ことが多いんだけど……
いん/確かに!気付かなかった(笑)
よう/でもこの子が持ってるのは、「ハンマー」なんだよね。
いん/あ、本当だ。これ、ハンマーだ。
よう/うん。でっかい宝石みたいなのが付いたハンマー。だから、「結構、不器用なんじゃないか」ってのが見えるよね。
いん/ああ……!
よう/「エルフなのに、パワー系の道具を持っている」ってことは、「結構、ぽんこつなんじゃないか」っていうさ。
いん/なるほど~~!そっちいくのか、分からなかったな!
よう/うん。基本的には優等生的な立ち位置なんだけど、部屋がすっげえ汚いんだよ。
いん/あー分かった!「ぽんこつ優等生」だ!!あああ、そっちか!!読みが甘かった(笑)
よう/そうそうそう。で、「虫が嫌い」ってコメントしてたけど、本当に怖いものが嫌いで、パニックになったりする。そういうギャップがあるところが面白いっていうキャラね。一応「ツッコミキャラ」なんだけど、ぽんこつなんだよね。
いん/ああ……そっか、そこはちょっと、あれだな~……。これ聞いてる人はきょとんとするかもしれないけど、僕のなかでは「迫れたのに、せまりきれなかった自分」を嘆くなあ……(笑)

よう/で、2列目の黄色い女の子は、ほぼ(いっちーの)言ってた通りで、本当に、食いしん坊なんだよね。で、「戦士」なの。手につけてるのはグローブで、「殴る」っていうね。
いん/なるほど。
よう/ネコ系の手ぶくろみたいなのをしてるんだけど……あの、なんだっけ。「動物と仲良くなれる」っていう。
いん/ああ、それ言えばよかった(笑)
よう/「テンションの高い元気系で、食いしん坊」っていうのはほぼ、パーフェクトな回答。


よう/ちなみに、その右側にいる、青い髪の毛で、杖を持った魔法使いみたいな女の子は……
いん/うん。
よう/えっとね。この髪の毛の色って、青なんだけど、ちょっと緑がかってるでしょ?
いん/ほう……確かに。
よう/ターコイズブルーっていうか。で、緑が入ってるってことは、絶対、「変なキャラクター」なんだよ。
いん/あっはははははは(笑)そぉなんだ~~!!(笑)
よう/うん。ほら、緑間(みどりま)とかいるわけじゃん、『黒子のバスケ』とかでもさ。
いん/あ~そうか、なるほどぉ!……いやあ、そうか、これは「お約束の色のブレンド」があったんだ。
よう/そうだと思う。
いん/確かにデザインとかに、ちょっと微妙に……
よう/うん。で、青系の色だから、ちょっとテンションが低いしゃべり方というか「落ち着いている」っていうのは、その通りなんだ。「~っす」っていう、いわば敬語しゃべりっていうか、テンションの低いしゃべりをするキャラ。
それで、この世界では「カルタード」って呼ばれてる魔法のカードがあるんだけど、それの、極度のコレクターなんだよね。つまりオタクキャラなんだよ。カルタードのことになると、異様に興奮するっていう。
いん/あ~、そっち……!?あ~、僕はさすがにアニメを見慣れてないせいか、声優さんの第一声を聞かないと、そこまでは分からなかったかもしれない。


よう/うん……(笑)……でも、俺は後出しじゃんけんだからこう言ってるけど、でも(いっちーも)キービジュアルから、これだけ想像できるわけだよね。
いん/んふっ(笑)……やらされたんですけどね(笑)
よう/そうだね(笑)
いん/あははははは(笑)

よう/で、いっちーはさ、RPGとか、マンガとかアニメに、それなりに親和性があるからさ、色々言ってるけど……。これ、見ても「分からない人」は、全然分からないと思うんだよね。
いん/んん……(笑)勝手になんか、仲間に引き込まれた感があるけど(笑)……まあ、でも、そりゃあ「文脈を読む作業」をこれだけしてきたら、分かりますよね、言われてみれば。悔しいことに。
よう/うん。
いん/今むしろ、「分からなかった」方に悔しさを感じているくらいで、「分かった恥ずかしさ」なんてもんは、すっとんでますからね(笑)

よう/(笑)で、これが、いわゆる「様式」なわけだけどさ。
いん/「様式」ね。
(11分31秒)

★画像と知識をリンクさせること

よう/で……あの~、例えば、組織学を学ぶときに、スケッチをするわけだけどさ。
いん/……すっげえ話が飛んだな(笑)うん、なるほど?
よう/いっちーは、結構何度も言ってるけど、「写実的に描く必要はない」っていうわけじゃん。
いん/ええ、言いますよ。
よう/「どこに何があって、どういう役割を果たしているのか、その知識を見せてくださいね」って。
いん/そうですね。
よう/それって、「画像を見た時に、そこから解釈できる知識」を問うてるわけだよね。
いん/そうですね~。「リンクをつないでもらいたい」っていう感じかな。
よう/それってさ、今、アニメのキービジュアルを見てやってたことと、作業としては同じだと思うんだよね。
いん/いやあ、そうか……俺、この診断もいけるんだ、頑張れば(笑)
よう/そうそう。
いん/あははは、皆そういうことをやってんだなあ、きっと……なるほどなあ(笑)

よう/まず「髪の毛の色でキャラクターの性格が決まっている」ってことを知らない人はさ……
いん/いや僕も知りませんよ(笑)あははははは(笑)
よう/いや「レッドだから」とか言ってたじゃん(笑)
いん/言ったけどねえ……ううう、確かになあ……。
でも今、先輩のコメント見てて思ったのは……僕、この真ん中の女の子は、レッドだと思ってたんですけど……「剣はレッドだけど、髪の毛はピンク」なんですよね。
よう/うん。
いん/だから、「ポジションは勇者だけど、ヒロインでもある」みたいな、その微妙なダブルの意味合いをこめてる感が、届いてませんでしたね。一色で見てた。
よう/ああ……。たぶん、「赤」だとツンデレっていうか、もっと強気なキャラになるんじゃないかなあ。
いん/そうそう。だからそれを、日常系ファンタジーっていうときに「ピンクっぽい色をあててきてる」ところで、なるほどと思いますし、あとその右上の女の子が「青じゃなくて、ちょっと緑がかってる」という解釈に至っては、僕はもう脱帽ですね。
よう/あはははは(笑)
いん/立ってたら、膝から崩れ落ちてる(笑)ホントに。「ああ~!」って感じ(笑)いやあ、まいったなア……って。
よう/(笑)

いん/でもこの、黄色の子……なんか、なんていうんだろうな、ポージング的にも……
よう/まあね、右手をあげて元気のいいポーズだもんね。
いん/そうそう。「絶対食いしん坊でしょ!」って感じ(笑)そこはもう、伝わるんだよ……(笑)
よう/そうだね。
いん/でも、同じ黄色でも、一番右上にいる、ちょっとお嬢様っていうかお姫さまっていうか……この子は、同じ系統でも意味が違うんですよね。
よう/そうだね、結構金髪って難しいかもね。金髪ロングのツインテールになると、ツンデレになるしさ。
いん/確かに……。同じ金髪でもね。
よう/まあ、「アスカ」だよね。で、普通の金髪ロングだと、お嬢様キャラ。今回はお姫様キャラだけどね。
いん/……これ、やっぱりお姫様でしょ?
よう/うん。で、金髪のショートとかボブになると、黄色系というか、「元気なコメディキャラ」になるのかなあ。
いん/すげえなあ……
よう/いろんな文脈がかぶってて、けっこう難しいよね。俺もよく分かんない。識別が難しいよね。


いん/ていうか、このアニメの1枚絵を見せて、僕にラジオでこれを挑もうっていう先輩の「文脈」が、一番面白いですけどね(笑)
よう/あははは(笑)
いん/よく考えたね!?……みたいな(笑)
(14分40秒)

★AI技術のブレイクスルーについて

よう/で、今のAI診断っていうのは……
いん/AI診断~!?!?あははははは(笑)
よう/「ピンクだったら天然の主人公」とかっていう情報を、1対1で全部……まあ、情報じゃなくてもいいんだけど……。
例えば、絵を見せて「このキャラクターはこういうキャラクターですよ」っていうのを、何例も用意して、全部読み込ませると、彼ら(AI)は「じゃあピンクっぽい時はこういう性格、青だったらこういう性格なんだな」っていうのを、読み解いていくわけだよね。
いん/そうですね。
よう/で、「何を診断させるか」っていうのは、「どういうことを学習させるか」に依存してしまうわけじゃん。
いん/そうです。どういう絵をどれだけ入れたかっていうのに依存しますね。
よう/うん。で、インプットする絵と、あとアウトプットの方で性格を入れていったら、彼らは、画像と性格をリンクさせるように診断できるようになるけど……
いん/そうそう。
よう/それ以外にも、まあ例えば……能力とかさ。「この子は魔法使いです」っていう情報を入れていないと、それは診断できないわけじゃん。
いん/そうなんです。結果を正しく教えてあげないと、結果と結びつけることはできないんですよね。
よう/でも人間だったら、それをもっと広く、包括的に学んでいけるわけじゃん。
いん/いや、そうなんですよ、確かに。
よう/まあもちろん……AIに診断させるのなら、アウトプットさせる項目を増やしていけばいいわけだよね。性格だけじゃなくて能力とかもぜ~んぶ、情報を用意して、学習させてあげれば、AIは色んなことを診断できるようになるわけだよね。
いん/そうですそうです。そうですよ。
よう/そうすると、「何の情報を与えるか」を決めているのは、(現段階では)まだ人間なわけだよね。
いん/いやあ、特に「結果の解釈がブレる領域」では、人間が解釈しないと無理なんですよね~……。

よう/それでさ……もし、ブレイクスルーが起こるとしたらさ。画像診断なら、「画像と何をリンクさせて学習すればいいのか」ということ自体を、AIが判断できるようになるのかな、って思ってるんだよね。
いん/ええ、分かりますよ。つまり「人間が答えを……」とかいうことも含めて、ぜ~んぶ、コンピュータが判断するようになったとしたら、それはすごいブレイクスルーになるんですよね、確かに。
(16分51秒)

よう/うん。本当にアニメの映像と音声を、何百本かAIに与えたら、AIが「このキャラクターはこういう性格です」とか言えるようになるのか、って話だよね。
いん/いや~先輩、それに関してはですね。これ、すっごいいい話で……しかも僕、この1週間でたまたま、考えたことが増えたんですけどね。今、3月の終わりなんですけどね。ほんとについ最近、考えたことがあって。
せっかくなので、まだ目の前に表示してある「えんどろ~!」の絵を見ますと……
よう/うん。
いん/例えば、真ん中の主人公ポジションの、ピンクの髪で一番全身が写っている女の子と、右下の紫っぽい女の子。
よう/うんうん。

いん/さっき、髪の毛で話をしましたけど、例えば他の部分……例えば目の、白目の面積とかも、違うじゃないですか。
よう/そうだね。目の色も違うし、形も違うし。
いん/そうそう、「目の輪郭がちょっと つり目になってる」とか、「耳がとがってる」とか。
よう/うん。
いん/こういうのって、人間はけっこう無意識に処理してるんですけど、コンピュータも、何百万枚も読むと、そういう傾向を勝手に読んでくるんですけど……。
よう/うん。

いん/じゃあ、例えば「右下の子が登場第4週で突然、デレた」とか、逆に「1~2話あたりで虫にびっくりした」みたいなエピソードが、出そうだよね……とかいう予想はどうか? というと、「それは人間にしかできない」と、よく言うんですよ。
つまり「コンピュータは、その結果は、入力しないと分からんだろう」って、よく言うんですけど。
よう/はいはい。

いん/あのですね、最近ちょっと逆転が起こりましてですね。
よう/うん。
いん/例えばなんですけど……「結果として何を紐づけるか」で……。「視聴者がパソコンのキーボードに何を打ち込んだか」っていうのを、パソコンのキーボードから抽出することが出来るんですよ。
よう/あ~……はいはい、なるほど。
いん/人間は、ほぼ無限に感想を持てるんですけど、例えば「右下の紫の女の子が、突然デレた」とか、「突然、虫にびっくりした」というときに、そこで「デレた(笑)」という文字列を入力した、という情報が、AIに勝手に取られていくんですよ。
よう/はあ~、なるほどな。
いん/人間は無限に感情を持つんですけど、ある程度テンプレ化した反応をしてしまうので、インターネットの中に、ほぼ決まったような……「予定調和というか、様式美みたいなコメント」を打つじゃないですか。
よう/うん。
いん/すると、AIはそれを再現できちゃうんですね。いわば「モノマネ」をするんですね。
よう/あ、なるほどなあ……まあ、そうだよなあ……。
いん/つまり、「人間と同じ感情」は持っていないかもしれないけど、「人間っぽいコメント」を返せるようになっちゃうんですよ。
よう/うん。だから、もうちょっとしたら、AIがアニメの実況をできるようになるかもしれない、ってことだよね。「実況ツイート」を。
いん/そうなんです、そうなんです!実況ツイートだったら、できるんですよ。


よう/ああ。それは「ある程度様式の決まった作品」だったら、けっこう現実的に、できるかもしれないってことだよね。
いん/そう。そうなんです。例えば、この1枚絵を見せたときに、黄色い女の子の登場が第3話だったとすると、「なんか、よく食べそう……」とか誰かが言えば、そういう文化があるんだったら、コンピュータも言っちゃうんですよ、先に。
よう/……そうすると、「まどか☆マギカ」を見たときに、どうするかってことだよね。
いん/うん、まさか3話で、こう……ねえ(笑)……っていう話になるじゃないですか(笑)
よう/(笑)
いん/で、そこで皆が「え~っ!!」ってなったら、それを学習するんですけど。
よう/そうだね、まあ「様式に則ってないときに、『意外だ』っていうリアクションをする」っていうふうにプログラミングしておけば、そういうふうにできるよね。
いん/いや~、もっと言えば「人間が面白いように反応しているシーン」を学習すると、その通りに動くんですよ、AIも。
よう/「まどマギ以降」であればね。
いん/そうそう(笑)。あとは、新海誠の新作を見ると、後半20分くらいになると「不安だ、心配だ」っていう話になる、と(笑)「このまま終わるわけない」っていう反応が出るっていう……(笑)
よう/ああ、はいはい。

いん/AIに感情は無いんですけどね。
で、「AI診断」って今、そこが……。今までは、「しょせん、AIには最後の、『人間の微妙なところ』は言えないだろう」っていう話があったんですけど……
よう/うん。
いん/お医者さんがAI診断を使う時って、最終的にやることは「カルテから何かを選択して、次の検査を選ぶ」か、「カルテから何かを選択して、次の薬に何を出すか決める」とかで……。選択肢って、何万通りもないんですよ。
よう/そうだねえ……。
いん/「何か月後に病院に来なさい」か、「●●っていう薬を出します」「●●という指示を看護師さんに出します」とか、カウントするとせいぜい、100くらいの選択肢しかないんですよ。頭の中で考えてることが無限にあったとしても。で、AIはそこ(最終的な指示)をマネしちゃうんですよ。
よう/……だから、「人ができることはAIもできるようになる」っていう話だよね、大雑把に言うと。
いん/そう。「迷い」は、再現しないんですけど……
よう/うん。
いん/「結局、その医者が、最後に どのボタンを押して何を選んだか」っていうところだけ、無情にモノマネしてくるんですよね。

よう/うん……いま、AI診断だとさ……
いん/はい。
よう/え~と……プロバビリティ(確率)で出すよね。
いん/ああ……。
よう/だから多分、「経過観察(80%)」とか、「この薬を出します(15%)」とかって出るわけだよね?
いん/そうですね。
(22分11秒)

よう/で、まあ……持っている情報がまったく同じなのであれば、人間の医師がやっても、AIがやっても、一番プロバビリティが高いものを選んでおけば……AIも人間の医師と同じレベルにはなる、ってわけだよね。
いん/そうそう。しかも怖いことに、「キーボードのどのキーが、どの順番で、どう押されたか」っていうところまで(データを)追いかけられると、「『正直、迷う』っていうキータッチをする」みたいな話が出ちゃうんですよ(笑)「お前、(AIなんだから)迷ってはねぇべや!」って(笑)
よう/確かに。「一番妥当なのはこの治療だけど、正直、迷います」っていうところまで(再現して)出てくる、ってことね。
いん/そうそう。それを読んじゃうんですよ、データから。
よう/うん。
いん/で、それを確率で出してくるんです。「これは、65%の確率でこう打つ人が多かった」とか。「この医師は3時間くらい、何も書かないで放置した」とかいうのが、出ちゃう(笑)
よう/でも、その意思決定っていうのは……原理的には「既存の知識に則ってる限りは」、人間とほぼ変わらないレベルで到達可能だってことだよね。
いん/そう、おそらくは。ただこれは「お約束に従って、丹念に描かれた絵だからこそ、そういう診断ができる」のであって。
よう/そうそうそう。

いん/例えば僕が「そういうのを全く知らないで、これに似た構図で絵を描いて、でも色の塗り方を変えた」とか、「同じように描いてるんだけど絵が下手だから目の形が違った」という場合、そこにAIは何と答えを出すんでしょうね……。「下手くそ!」っていうんでしょうかね(笑)
よう/どこまで再現できるかってことだよね。例えば医療の現場でいうと「この検査結果、おかしくないですか?もう1回やり直してください」って言えるかどうかだよね。
いん/そうですね……。いやあ、どうだろう……。
よう/でもそれもさ、「このパターンで来た時は、もう1回検査してる」っていうのは分かるわけだよね。
いん/恐らく、「パニック値(ち)」とか「異常値」と呼ばれるものが出たときに、再検査を選ぶかどうかっていうところまでは、AIは診断を出すんですね。次の判断として「どのキーボードが打たれたか」ですからね。
よう/うん。

いん/いやぁ……だから、怖いんですよ。全部電子カルテ化して、全部キーボードでの入力になると、その分AI診断が進むんですよ。
よう/……いいことじゃないの?
いん/怖く……ないですか? 「それは、人間もう要らなくない?」ってなるんですよ。
よう/そうだね。
いん/で、まあ「大事なところ、会話のところだけ人間で」ってなると……あの……確実に自堕落になるんですね(笑)人間、勉強しなくなりますから。そうなると、「昔のデータに基づいてAIが判断したこと」に、永久に従わなくちゃいけなくなるんですよ。人間はもう、それについていけなくなるんですね。いやぁ、大変……。

よう/話としては「工場が自動化していく」のと同じだと思うけどね。
いん/一応、同じなんですけどね。
よう/「昔は職人が作っていたものを、機械がやるようになった」という意味ではね。
いん/そうそう。いやそれで、僕はやっぱり、失われる技術のほうにいる人間なので、「このまま自分の仕事がなくなってって、給料が安くなってったら、食っていけなくなるな」みたいな話を、30年くらいのスパンで考えなきゃいけないんですけど……
よう/それはそうだろう。
いん/そう、それがただ悲しいだけで、「世の中の役には、立つだろうな」って思ってる。だから、僕はあちこちで「AIは病理医を殺すよ」って言ってるんですよ。
よう/うん。


いん/でも、たぶん研究者だけ残るんですよ。
よう/う~ん……。だからその……結局、今の話は「AIは人間の思考パターンを模倣する」っていう話なわけじゃん。
いん/そうですよ。
よう/それも、「人間よりも精度の高い模倣をする」っていう……
いん/そうそう。
よう/だから「その先へ突破できるか」っていうのが、まあ話のコアだよね。もし突破してしまったら、研究職もなにも、すべてのクリエイティビティに(AIが)取ってかわるかもしれない、ってことだからね。
いん/……クリエイティビティの部分とコミュニケーションの部分だけは、人間に残しておかないと、人間がつらくなるんで、たぶんそこは大丈夫だと思うんですよ。
よう/いやあ……でも、技術が進化可能だったら、別につらくても……進化すると思うけどね。

いん/なんていうのかな、「快感の原則」なんですけどね。「機械ができない部分で、人間がニッチを突いていくのが気持ちいい」って感じる人がいる限り、人間の仕事は残るんですね。
よう/う~ん……。
いん/機械に最適化されまくっていく中で、「創薬」みたいなのはクリエイティブな仕事ではなくなっていって、「利益を取るためにAIに任せておけば、新しいのが次々に出る」ってことになると思うんですけど。それは、クリエイティブじゃなくなっていくんですよね。
よう/もし、アイデアとかを出すのがAIの方が優秀になってしまったとしたらね、「仮に」だけど。
いん/「仮に」ね。
よう/企業体というか、利益を求める人たちは、AIに従うと思うけどね。
いん/多分そうでしょうね。
よう/うん。そうすると、いわゆる「クリエイティビティを要求される」とされている仕事でも、置き換わっていく可能性はあると思うけどね。それをやるのが楽しいっていう人間がいて、快感を感じていたとしても。


いん/そうですね……いやあ、そうなるかもしれないんだよなあ……。その意味でいうと、「手を動かす仕事は残るでしょう」みたいな話を僕、するんですけど。
よう/うん。
いん/でも、手を動かす仕事の給料は下がるだろうなって思うんですよね。
よう/下がるのかなあ?
いん/頭、使わなくなりますからね。で、もし給料が下がらないとしても、「求められる学力」は下がるんですよね。徒弟制度で早めに訓練すればええやん、って話になるんで。

よう/……今のいっちーの発言のベースにあるのはさ、「知的な能力が今、一番価値が高い」ってことなわけじゃん。
いん/いや、2番目かな。一番知的に高い人たちって、高い給料もらってないじゃないですか(笑)あはははは。
よう/いやまあ、そうだけどさ。すごく昔と比べたらさ、人手でやらなければならないことがどんどん減って、知的な作業のほうにどんどん移っていって……つまり「サービス」(?)ってことなんだけどさ。
いん/うん……。
よう/一応、例えば……「工事現場で働く人よりも経営者の方が給料が高い」ってことはさ、「そっちの方が資本主義的に価値が高い」からだよね。資本主義の搾取とかいうのをのぞけば。
でもAIに知的能力を奪われてしまったとしたら、別に「知的な能力(の市場価値)」は、高くないかもしれないよ。逆に、「手を動かすやつ」のほうが、希少になるかもしれないってことだよね。
いん/なるほど。「あとはひたすら、手を動かしてくれ」という話ですよね。
よう/うん。例えば料理人とか。
いん/ああ……。希少というか「その仕事をするしかなくなる」ってことなんですけど……
よう/うん。
いん/じゃあ、そこに雇う側が高いお金を払ってくれるか?というと、払わないと思うんですよね。
よう/まあね。なんか、それ『未来職安』と同じ話だからね。
いん/そう。『未来職安』で全部やられてんの(笑)ま~た柞刈湯葉の話だ、あはははは(笑)
よう/あははは(笑)だから「別にもう、働く必要なくね?」って話だからさ。
いん/そう。で、「ベーシイクインカム」みたいな話になるんですよね。
よう/いや確かに、働かなくてよくなる……よね、究極的には。
いん/でしょうねえ。
よう/そうすると、「働いてお金をもらう」っていう資本主義の制度自体が限界だから、違うものに移行しなきゃだめだ、って話になるんだけど。でも移行するまでに時間がかかるから、そこですごく苦しむんじゃないか、という不安はある。
いん/ありますよ。
よう/要は「仕事がないから食ってけない」ってことになるんじゃないかと。
(30分18秒)

いん/(一息ついて)いやしかし、AIが自律的に自分たちを進化させるようになったら、いよいよ我々がやることは何もないでしょうね。まあ今のところは、まだないな。それって完全にシンギュラリティですからね(笑)
よう/そう、シンギュラリティだね。理論的思考とか、新しいアイデアを出し始めると、そういうことになるかなと思うんだけど。……これ、前に(『いんよう!』で)AIの話をした時と同じで、変わってないんだけどさ、結論としては。もう1度話してみた、というか。
いん/そうですね。一応、僕の中で新しいことが増えた部分は、「AIが予想できる内容に、キーボードの入力順をプラスすると、かなり無限にできるようになっちゃう」っていうことですかね。
よう/「人間の思考過程まで、ある程度、反映されちゃうんじゃないか」っていうことだよね。結果だけじゃなくて。
いん/あ~、その……「出力の結果も、キーボードの結果を追うだけで、かなりいけるよね」ってことです。
よう/ああ、「情報を集める効率が圧倒的にあがるんじゃないか」ってこと?
いん/そうそう。「実は何を考えているか」なんてどうでもよくて。
よう/うん。
いん/「その結果を、パソコンのキーボードを通じてやってるんだから、一緒でしょ?」みたいな話になっちゃうんですよね。
よう/まあ「思考過程」っていうのはさ、例えば……時系列情報も全部入るわけだよね。最初「すごくこのキャラ可愛い」って言ってたのに、後になって同じ人が「やっぱりこいつ、ダメだ」って言ってた、みたいな情報まで入るわけだよね。
いん/そうですね、全部入ります。そうなんだよなあ……。
(31分40秒)

よう/……アニソンの話しようか。
いん/あの~、それ以前に……アニソンの話はいいとして。
よう/うん(笑)
いん/この『えんどろ~!』は、結局どういう話なのかっていう答え合わせは、今はしないんですね?
よう/(笑)『えんどろ~!』は……今言った感じだよ。
いん/あははははは(笑)
よう/「勇者パーティが日常系のコメディやる」っていうだけの話なんだよ。
いん/あ~……。

よう/ちなみに一応ね、ツノが生えた真ん中あたりの子が「魔王」っていうのは、合ってて。
いん/はいはい。
よう/マオ先生」って言うんだけど。
いん/……先生?!(笑)
よう/うん。もともと魔王だったんだけど、この勇者パーティに倒される寸前に、魔王と勇者パーティごと、タイムリープみたいなのが起こって、昔にもどっちゃうって話なんだよ。
いん/あはははは(笑)
よう/それは、勇者が使った呪文が雑なせいで……
いん/なるほど(笑)
よう/本当は魔王がそこで倒されるべきだったんだけど、全員タイムスリップして昔に戻って。で、勇者パーティは記憶を失ってて、マオ先生だけは幼女の姿……要するに昔の子どもの姿に戻ったうえで、記憶だけ持ってる、っていうね。
いん/なるほどな~……。
よう/で、「勇者パーティを、勇者パーティにしない」ようにしようとするの。自分を倒しに来ないように。だけど、それがことごとく上手くいかない、っていう、コメディタッチの話で。
いん/……今はじめて聞いたあらすじで「なるほど」って思いましたけど、1回聞いてしまうと、もう「そう」としか見えなくなるっていう、非常に優れたキービジュアルですね(笑)
よう/そうだね。だから、マオ先生は「幼女の格好で、ツノが生えてて、マントをしてる」っていうね。
いん/なるほど。


よう/で、マオ先生がある時、「あきらめる」っていうシーンがあるんだよね(笑)「すべて諦める」っていう……
いん/ちなみに、この左上に飛んでるドラゴンの子どもみたいなのは、タイムリープでちっちゃくなったドラゴンなんですか?元は凶悪だった、みたいな。
よう/これは、何だっけな……?
いん/あ、「何だっけな」くらいのキャラなのね(笑)
よう/うん、出てきてるけど……これ、何だっけな、忘れちゃったな……。
いん/なるほどなあ……割と、そこは雑だったか(笑)あはははは。
よう/ええっと……じゃあ……
いん/ちょっとビールあけましたよ(笑)うん。
(33分47秒)

★アニソン『青空のラプソディ』

よう/
『青空のラプソディ』っていう曲、どうですかね。

いん/この曲は、何の主題歌でしたっけ?
よう/『小林さんちのメイドラゴン』っていう……
いん/あ、そうだそうだ。
よう/「人外もの」の、日常系コメディ+百合、みたいな感じなんだけど。

いん/ああ……。ええとですね、「はじけるような明るさ」を、今どき、ここまでまっすぐ音楽にできるのがスゴイ。
よう/このボーカルのね……この声、すごいよね。
いん/何でしょうね。「無二の楽器」感。いや、楽器じゃないな、う~ん……。とにかく、このボーカルはすごいですよ。
よう/そうだね(笑)いやほんと、そうなんだよ。
いん/知らずに聞いてるんですけどね、このボーカルはスゴイ。
よう/うん。あの、「fhána(ファナ)」っていう音楽グループなんだよね。そのボーカルの人が女性で、この歌声の人なんだけどさ。
いん/はいはいはい。


よう/なんかね、この人、ちっちゃいんだよ。
いん/んふっ(笑)あ~……。
よう/たまに、ちっちゃくてめちゃくちゃ声量のある、パワーのある人っているでしょ。なんか、身体が割と大きくて声量のある人とは、違う「鳴り方」をするじゃん、そういう人って。
いん/あ~、なるほどな~……。まあ、そこに着目している人が世の中に何%くらいいるか分からないけど(笑)、分かるな~……(笑)爆発するような、体内からはじけてくるような、快活な感じ。
よう/そうそう。まあね、この曲のPVとかも結構面白くって。ダンスとかしてるんだけど、もうめっちゃくちゃ再生されてるはずだよ、アニソンの中では。
いん/ああ、分かるなあ……。この曲はですね、何ていうのかな……「日常がつらい人に対する麻薬のような良さ」が、すごいんですよね。
よう/ああ、「吹き飛ばす」感じだもんね。
いん/そうそう。あとは、何でしょう……ボーカルについては、僕より詳しい人がいっぱいいるかもしれないんですけど、「底抜けに明るい声を出せる異能」みたいなのがある、ってのはともかくとして。
よう/うん。
いん/バックの演奏も、なんていうのかな……「わっしょいわっしょい」ってボーカルを盛り上げてくために作られている感が、すごいなと。
よう/そうかあ……なるほどなあ……。
いん/なんていうんだろ、「この声をたたえるために、どういう音を用意しておけばいいか。この綺麗な大輪の花を、邪魔せず、且つ、どう盛り立てていくか」っていう感じで作られた、すごいゴージャスな伴奏なんですよね。ステージで主役を立てて、わき役たちが両脇で手を開いて、星みたいにきらきらーっとさせてるみたいな。
よう/ああ、なるほどね。
(36分49秒)

いん/盛り上げて盛り上げて、決して邪魔をしないように、リズムをちゃんと作り……みたいな。
よう/メロディもさ、基本的に声量を必要とするメロディになってない? サビとか。
いん/なってます、なってますし……でも、これ歌える人あまりいないと思うんですよね。
よう/またこれが、ビブラートがかかってなくて、「すこーん」とした声だもんね。
いん/そうですね、青空感があるっていうか……あ、そうか『青空のラプソディ』だもんな(笑)そうだそうだ。まさにそうですよね。


よう/この人も、相当アニソンの主題歌を歌ってる人で、よく名前を見るグループなんだけど……
いん/そうなんだ。
よう/毎回、ちからがある。オープニング感があるんだよ、常に。
いん/……なんかですね、あと完全に打ち込みなんですけど……
よう/うん。
いん/要はバックバンドが要らないんですけど……なんだろうな、ちょっと、ゲームミュージック感もあるんですよね。
よう/……あ~、なるほどな。
いん/なんだろうな……。ええとですね、「これを聴いている人たちが、曲と一緒に宇宙に飛び出して行って、どんどん先に進んでいってくれ」みたいな。『グラディウス』でも何でもいいんですけど、シューティングゲームで「どんどん前に一緒に進んでいこうぜ!」みたいな感じで作られた曲なんですよね、イメージが(笑)すごい雑なイメージだけど。なんだろ、とにかく「一緒にいこうぜ!」って感じなんですよ。
よう/……うん、あおってるというか、盛り上げてるというか、ね。


いん/そうですね。うん、そうだな。「もし、これをライブ会場でやる機会があったら、我々は生演奏できっちりやるけれども、君らもどんどんあおってくれ!」みたいな、そういう感じ(笑)とにかくボーカルを全員で盛り立てようぜ!みたいな感じがあるっていうか……。だから、音色(おんしょく)が多いんですよ。手を替え品を替え……って。
よう/ああ~、なるほどね。
いん/「5秒くらいごとに、メインに出てくる音色を変えながら、でもボーカルを越えない」みたいな感じで作られてる、……っていうのかな……
よう/「このボーカルのためのドレスを作っている」っていう感じだよね。
いん/あ、いいですね。そう、「ドレス型」っていうんですかね。
よう/「ドレス型」(笑)よく分からないけど(笑)

いん/今までのアニソンは、半分くらいがそうなんですよ。「ドレス型」なんですよ。ボーカルのお嬢さんの……(言いかけてかぶったので止める)
よう/ドレスが、より豪華な感じのドレスだよね。
いん/そうです、まさにそう。
よう/なるほど。
いん/叶姉妹は、どんなコスプレしても叶姉妹なんですけど、そこに添え物で出てくる服がダサかったら、話にならんだろう、っていう……そういう感じですかね。
よう/……そうですか。(笑)
いん/全然、音楽論でもなんでもないけど、はい、そうです(笑)そういうことです。


よう/はい、いいですね(笑)『小林さんちのメイドラゴン』は、めちゃっくちゃ!(強調)いいアニメーションだったから。京都アニメーションなんだけど。
いん/そうだ、京アニ、面白いよね……(ぼそっと)
よう/これラブコメなんだけどね、ちゃんと「人間」を描いてるっていうね。「人外ものなんだけど、人間を描いてる」っていうところがね……。
いん/ああ……
よう/じゃ、いいっすかね。


いん/京アニね、見たいなあ……。人間に疲れたから、そういうのが見たい。
よう/『ケムリクサ』見れてないんだよなぁ……。
いん/(食い気味に)何で『ケムリクサ』まだ見てないの!?(笑)
よう/あの……こう、「伏線があるアニメ」って疲れるんだよ……。
いん/ああ……。
よう/あはははは(笑)
いん/あれ伏線……? まあいいや、はい(笑)
よう/面白いんだよ、面白いんだけど「ステーキ、最近食えないんだよね」っていうのと同じだからさ。
いん/分かるなあ……。あはははは(笑)


よう/うん、「胃が弱くてステーキ食えないんだよね」っていうのと同じだから(笑)
いん/僕は今、「ずーっと絶食で、時々吉野家食ってる」みたいな状況なんで(笑)
よう/あ、うん。だから、いっちーはちゃんと、お腹空いてからアニメを見てるんだから、それはすごくいいことだと思います。
いん/ありがとうございます。(笑)
よう/はい、以上です。ありがとうございます。
いん/ありがとうございました(笑)
(40分47秒)

(♪)

(おわり)



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