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友達の専門店があやしいのですが?#3(岩・花ver)

「友達の専門店があやしいのですが?」
EP3 近くにいることにしましょうか?
岩・花バージョン(目安 30分以上)

©猫寝来緋伽
猫寝来緋伽(@NenekiHitogi)さん / X (twitter.com)
YouthfulMaterial
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――必読事項――
作品【友達の専門店があやしいのですが?】について。|Youthful Material (note.com)
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=======登場人物 略一覧===========

来竹雪    (性別はどちらでも OK)
セネヴィル  (性別はどちらでも OK)
ハジカミ    (男性寄り)
岩姫皇子    (女性寄り)
花姫皇子    (女性寄り)  

亡者

――(セリフ以外のところ) 音
― ―場面転換
= ト書き

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―セネヴィルの店 店内―
=真剣な表情をしたセネヴィル。
=商品棚を陳列をしているふりをして、なにかしらの手紙をみている。
セ:やっぱり動き出したか…。
=ハジカミが軽くセネヴィルの頭を小突く。
ハ:おう、どうしたよ、難しい顔しちゃって
セ:ん?あー…。
=セネヴィル、くしゃっと手紙を握りつぶし、隠す。
=ハジカミ、セネヴィルの反応が薄いことが気になり、手紙に気付いていない
ハ:おいおい、どうしたんだよ…体調悪いのか?
セ:いや。ただの商人の名前を、都市伝説レベルの魔力しかもたないやつらが知ってるんだろうって思ってね。
ハ:両方とも、店の近くだったからじゃね?
セ:彼らには、道具は必要じゃないじゃない。自分の力がすべてだから。
ハ:あー。そういえば…。じゃあ、他の商人の線はどうだ?
掟破りのセネヴィルを潰したいやつらは、いつも通り、手段は選んでこないだろう?
となると、過激派が出てきたってことじゃないか?
セ:商人(あいつら)は、営業妨害はできないんだよ
ハ:ん?
セ:掟でいうなら、道具屋は魔法を行使してはいけないっていう掟は知ってるね?
ハ:あぁ。ほかにもいくつかあるけど、道具屋や道具屋だってのがそうだよな?
セ:集団で動くには少なからず掟は必要なものだから。
商人や、技術師同士が潰しあうことのないように、制定されているんだよ。
ハ:そうか、人間は、潰しあいっていうのがあるんだったな。
セネは、単独行動が認められてる部分があることはわかってるんだろう?
セ:ほぼ交換条件みたいなものだけどね。
ハ:何があったっけ?
道具屋だけど、道具を制作、加工してもいい。
店に置くものは多種多様なものを置いていい
街中に店を構えていい。
魔法を使っていい。あとはー…。
セ:最後のは、噂から生まれた勘違い。
ハ:え?
セ:私は、魔法を使ってない。
ハ:この間は?
セ:この前の花束や、破魔矢は、魔法道具の力の解放をしたってだけで、どうしても道具頼りだし、道具側の気持ちが必要なんだよ。一反木綿の切れ端がいい例だね。
ハ:つまり、道具を加工して、力を開放する言葉を口にした。
セ:そうだね。道具を作る上で、こちらで設定できるからね。そもそも、私から攻撃をしていない。
ハ:確かに。自衛にはなる。ムズイな。
セ:まとめると、この店には、どこの国の道具もおける。
それを基盤に、回路をくんだり、作ったり加工していい。
人間界の街中に店を構えることも許可してもらっている。
これらは、『雪を監視する』命令と引き換えに許諾してもらってる。
ハ:ほぼ、何でも屋だよなぁ…。
セ:で、最初の話に戻るね。力がすべての都市伝説魔族は群れない。名前なんて関係ない。覚えることもない。
ハ:だからやつらを、動かしてるヤツがいると思ったってことか
セ:そう。で、各族長からのお返事がこちら…。
=指さす先のテーブルの上には、いくつもの封筒や、巻物が置かれている。
=ハジカミ、手紙を手に取る
ハ:すげえ数だな…。ほぼ全種族じゃないか…?
=ハジカミ、いくつか、めくる
ハ:えっと…。これ全部の返答は知らぬ存ぜぬっていう感じなのか?
セ:雪が店にきたタイミングを出されてるから、そうだろうね。
ハ:あー。なるほど。キタケユキには誰も関わりたくないだろうなぁ。
セ:ここで、一つ問題。
ハ:なんだよ。
セ:命令が遂行しにくくなる。
ハ:確かになぁ。あんだけ派手に魔力ぶっぱなしてくるからな―…。
セ:ならいっそ、迎え入れるかって許可を取り終えたとこだったんだ。
ハ:え?迎え入れる???
セ:うん。迎え入れる。
ハ:え?
セ:ん?
ハ:は?
セ:…もう来るかな?
ハ:まてまてまてまて…!それってキタケがまるで…!!

―勢いよくドアが開く

雪:こんにちはーーー!!!
ハ:ひぃ…!
=ハジカミ、素早く隠れようとするが、間に合ず、変な姿勢のまま硬直。
セ:いらっしゃい
雪:今月は、ほんとピンチで、ほんと!ありがとうセネ!!
=雪、ハジカミに気付く
雪:えっと?
セ:ここで商い修行してる、ハジカミさんだよ
雪:外国の方ですか!
ハ:え、あ…。ハイ
雪:コスィ、イタメマシタカァ?
ハ:ダイジョウブデスウ。オカマイ…ナクゥ。
セ:日本語話せるから。あとそれ、英語じゃない。
雪:えっと。来竹雪です。今日からよろしくお願いします!
ハ:お、俺は…ちょっと裏の片づけでも…
雪:あれ…。
セ:はぁ…。雪。さっそく仕事を覚えてもらおうかな。これもって。
雪:うん。

―セネヴィル 店裏 勝手口外。―

ハ:まじかぁ…。どうすっかなぁ…。
岩:これ。
=岩姫皇子、ハジカミの頭を軽く小突く。
ハ:いって…。来てたんすね…って当たり前か。
岩:そんな顔をするんじゃない
花:セネにとっては、唯一の人間の友達なんですよ?
ハ:人間?
花:セネだって、道具屋である前に人間でしょう?
ハ:(押し黙る)
花:急すぎてびっくりしました?
ハ:それはそうっすよ。守るのが難しくなったからってのはわかります。
岩:ハジカミ。お前。前回、壊れたらしいな?
ハ:あぁ…。木っ端にされました。
花:まだ傷は痛みますか?
ハ:いや。ヒメさまたちからもらったもので強化はしてもらったんで。
花:あなたのそういう姿を、二度と見たくないからともとれるんじゃ?
ハ:それでも店で匿うってのは違うんじゃ…。
岩:セネヴィルも、ハジカミの安全地ではあるからな。
花:ここは、セネの家で。店で。ハジカミとの生活の場所。だから色々調べもしたし。許可をもらったのではないでしょうかね。
ハ:そういや、精霊皇たちに許可って…。
花:ちゃんととってますよ。何往復かしたので、苦戦はしたのでしょうが。
ハ:…。

―セネヴィル 店の中―

セ:どう?
雪:うん、わかった。
セ:今ので、説明は、一通り終わったかな。お客さんがいない時だったら、お茶のんだりしてくれていい
雪:すっごい緩いバイトだけど…大丈夫?
セ:ちゃんと、バイト代はでるよ?
雪:そうじゃなくてさ~?
セ:ここの商売なんてこんなもんだよ。チラシ配布とか考えなくていいからね
雪:なんでわかるのぉ…。
セ:メモの取り方が尋常じゃない。-この店は、ある程度専門的なお店だからね。チラシをくばっても意味ないんだ
雪:そっか~。なんかできたらいいのにな…そうだ。セネ、同窓会があるんだけど!!
セ:同窓会…?
雪:こないの?
セ:行くつもりはないかなー。誰か覚えてたりした?
雪:ううん…誰も覚えてないって
セ:そうか。だったらなおさら行かなくていいじゃん
雪:それでいいわけないよ
セ:どうした?
雪:セネがみんなから忘れられたままで、いいわけないじゃん。
=早口でまくし立てるように混乱していく
雪:友達として許せないよ。セネもみんなに忘れられてそんな風にへらへらしないでよ。私の友達。一番仲のいい友達なのに。なんで!!!
=雪のまわりに尋常じゃないほどの負のオーラが発生。蝕むようにべったり覆いだす。
セ:これって…
=裏口からハジカミが急いで戻る。
ハ:おい!なにがおきてる!?
セ:雪の力に負のエネルギーが呼応しいまも膨れ上がってる。
ハ:おい、窓!
=どうみても生気のない人が扉や、ガラスを叩いている。
亡者:この体の痛みを…とって下さイ
亡者:やり直したいだけなのに…この店ならアるっテきいたんですが
ハ:えっとこの場合。コイツら…いや、違う。この方々に安息を…だな!?
セ:正解!
=バトル開始 2人にとっては簡単なものである。が―。
ハ:よっと。すんませんね!!とりゃ。ほっ。
セ:ふぅ…。はっ。…くぅ…。
=戦いの内容としては、暴れないようにお札を手錠のように手に張っていく
=ハジカミ、セネヴィルの動きが鈍いことに気付く。
ハ:なにやってんだよ。
セ:こっちはいいから、外側から!ぐっ!こいつっ!!
=セネヴィルの動きが鈍いのは、雪に群がろうとする亡者の相手もしているからと気付いたハジカミ。
ハ:…セネ…。もしかして。
セ:こっちはいいから! それ以上は来るな!
ハ:は?こっちは、心配して…!
セ:いま雪の力は人間じゃない。みんなが危険視してるそのものに近い。…。ハジカミの核が侵食されないっていう保証が、できない。
ハ:だからって!
セ:壊れたら治せる。でも、浸食された場合、ハジカミが、その性格のまま再構築できるか、それとも、破壊対象になってしまうか。私にもわからない!
ハ:でも!!作り直せるんだったら!
セ:その性格じゃなかったら、ハジカミなんて認めないから
ハ:セネ、お前かかえすぎだろ!!
セ:うるさい!!外側の止まってるやつら先!
ハ:あーーーもう!! -絡繰り変化。孔雀マユラ!!
=ハジカミ、和の中心部から、外側へ飛び、変化する。
=木製の羽根に札をのせ、外の亡者に次々とはりつけていく。
セ:消費が激しいって、やらないくせに。
ハ:うるせぇ!!
=岩姫皇子と花姫皇子が騒ぎに気付き店内にはいる
花:支援はおまかせください
岩:死角などきにせず思う存分にやるがいい。

―間

=戦闘終了。静かになった店内。息切れ、疲れている2人。
ハ:すっげぇ、疲れた…気を使うってやつ?いつもなら、手加減しなくていいのにな…。
セ:(かぼちゃを投げる)
ハ:なるほど、今ってHalloween…ん?でも日本じゃ…
セ:ハロウィンが日本に伝わったのは、1970年代
ハ:は?もっと最近じゃね?
セ:定着して、商戦シーズンとして広まったのはね。
ハ:あー…。あの世とこの世が繋がるのは、変わらないってことか。とんでもねえな…。
岩:セネ、疲れてるところわるいんだが、対応が先に。
花:よかったら、この花もいっしょに。
=セネヴィル無言で花をうけとり、ふらふらと散らばった店の道具の中から、ひとつの道具を見つける。鈴をひとつちぎり、祈る
セ:亡者の嘆きは、この世の未練。この花と鈴で慰めの歌を奏でてくれる?
=花の香を鈴が纏い、鈴の音が高くやさしく鳴り響くと、精霊が姿を現す。
セ:…ありがとう。彼らの血族のかわりに彼らの尊厳を守り給う。…金色葬術-Requiem(こんじきそうじゅつ れくいえむ)
=鈴の音が響き渡り、様々な装束をまとった、守り人があらわれる。
=彼らに引き寄せられ、守られるように、亡者たちは行列をつくり、花でできた道をゆっくりとのぼっていく。
花:金属性の術ですか。花の衣装も似合うのですね。みなさん、よろしくお願いします。
=守り人たちは、花姫皇子の言葉に応じ、奏でながら、踊りながら天に昇っていく。
ハ:鎮魂歌…じゃないのな
セ:どっちも死者を悼むけどね。今回は、「安らかな眠りを」っていう儀式の道具を使ったから。
それに、荒ぶってる感じというよりは、亡者として当然の願いを口にしていたし。鎮める…ではない。癒しかなって。
ハ:なるほどなぁ。
セ:さて。ハジカミ、雪を奥につれてってもらっていい?ここ片づけなきゃ…
ハ:おう…。…ん?背中大丈夫か…?
=セネヴィルの背中。服が割かれている。
セ:あぁ、これくらい、大丈夫でしょ
ハ:そうか…?ん!残った羽根。
セ:ありがとう。でもこれは―。
ハ:わかった。キタケにつかえばいいんだろー?
セ:ん。よろしく。私は、店を片付けるよ。

―店の奥 仮眠室にてー

=寝ている雪の額に、羽根を置く。
=すると、淡くひかったあと、木は粉々になって空気に散り消える
=雪の傷は消え、目を覚まし、起きあがる
ハ:あ!…まだ…―。寝てた方がいい…ぞ。
=雪、ぼーっとしている
ハ:おーい…?大丈夫か?
雪:え、あ。大丈夫です!…もしかしてですけど…。なんか…あった感じですか?
ハ:あったといえばあったけど…。
雪:…ごめんなさい!
ハ:え?大丈夫、大丈夫。疲れたってやつだろ?
雪:え。あ。あはは…。自覚はないんですけどねぇ。
=2人の間に、齟齬が発生しているが、うまくかみ合って気付かない。
ハ:もしかして、気を失うほど頑張るって…前も?
雪:え。はい…なんか…。実は…。
ハ:それでバイトが落ち続けるみたいな…?頑張りすぎだからじゃね?
雪:でもセネにも言い出せなくて…。
ハ:ん?え?
雪:えっと、セネは…!
ハ:店内の対応してる。
=雪、あからさまなしょんぼりとした顔に、ハジカミはたじたじになる。
ハ:あ、セネは、怒ってもないぜ。謝るのはあとででもいいとおもう
雪:うーん。
ハ:すぐにそういうことはしなくていい。休んでからにしろ?な?
雪:すみません。ありがとうございます。
ハ:えっと…俺からも、本当に大丈夫でしたか?
雪:?
ハ:俺、初対面で失礼なことをしたからさ
雪:え?何がですか?全然大丈夫ですよ!!セネの共通の友達ってだけなのに、こんなに気を使ってくれて、ありがとうございます!
ハ:友達…。へへ。

―セネヴィルの店 店内―

ハ:俺…。ちょっとキタケのこと見直したかも―。
セ:へ?
ハ:一緒にこれからいてもいいと思うし、セネがいうなら俺も護る
セ:なにがなにやら…?
ハ:は、はやく片しちゃおうぜ。まじ、今日の晩御飯力入れて作るから!
=セネヴィル。命令文をまた開きみる。
セ:できるわけない…。もう二度と離さないって決めたんだ…。

ep3 Fin

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