残痕

老いについて少し整理してみよう。
人は最後の時を迎えるにあたり、限られた時間を楽しく過ごそうと願う、実際私もそう願ってやまない。

生きていく上で障害となる事柄が幾つも押し寄せる、その度に挫折しそうにはなるが、立ち上がり又歩き出す。

つかの間の幸福感は一瞬で過ぎ去り消えゆく、持続した幸福はなかなか得られず、マインドをすり減らし続けてきた。

これがエルフの如く永遠に続くのであれば、思考を止め生きた化石に成りうるだろう、限られた時間だからこそ、生に執着をし、性に本能を委ね子孫に託すのだろう。
役割を終えた老者は消えゆく炎に納得する者と抗う者に分かれる。

失望が心を覆い隠そうとするならば、自衛手段として、時を逆行する事を無意識に選ぶ、それが私は老いだと感じる。

巷ではボケとも言うが、それは恐怖に心を奪われる前に本能のスイッチが入ったのだろう。
私も最近物忘れがちょっと多くなってきた。
では、そろそろ旅立つ準備を始めようか。