「スパーオオオオオオオオオオオオ!」

*この記事はTrump_Bridge様主催「Trick-taking games Advent Calendar 2023」の参加記事です。*

*今回の記事は相当あたまがわるいです。ご了承ください。

絶対すきになぁる…
日○!
Sparおおおおおおおおおお!おお↑おおおおおおお→おおおおおおおおおお~↓…

はい。すいませんでした。
インターネット老人とかニコニコ民ならご存じでしょう。
Spa王のCMのパロディです。余談ですがSpa王は冷凍食品で生き残ってるそうです。うん。というのも、「スパー」というトリックテイキングがはちゃめちゃに好きなんですよ。はい。シンプルなルールで分かりやすく、トリックテイキングの入門として最適。最後勝てばいいんだよ。最後。

そ ん な 分 か り や す く て お も ろ い ト リ テ あ る ?
いやもっと他にあるだろうけど。

何かこういうこと言うと周りから「ハーツ」やれだの「スリートリックス」やれだの言われそうなんですが、俺は遠慮など知らん、蟹、油、勝利!ってことで、誰が何といおうと「スパー」を推し続けます。

まず、「スパー」とはそもそも何ぞや?という話ですが、これはトランプを使って遊ぶトリックテイキング。カードは2~5を除いた計36枚。JOKERは使いません。ルールは単純で、いくつかあるトリックの最後を勝てれば勝利。これだけです。
あれ?たったこれだけでゲームが成立するの?と思うかもしれませんが、たしかに運の要素は強めです。強いカードをつかんでいればいいので。
ただ、大事なのは「マストフォロー」の制約があるため、強いカードを残していても最終トリックを取れるとは限らない事。もちろん切り札なんて優しいものはありません。それと、最弱の6と、その次の弱さの7で最終トリックを取れればボーナスとして勝利時の得点が増えます。
これを3人とか4人くらいでやると面白れぇんですわ。ホントに。5人だとちょっと多すぎかな?配りきりでないからこそ、カウンティングという要素が排除され、直感的に遊べる。また、上級者でもある程度のカンで手札を読み切る。スパーはとてもいいゲームだと思うのです。
さて、これらを強く推している理由ですが、シンプルに言えばトリテとは何ぞや?を理解してもらえるゲームと思っているからです。
まず、トリテを遊ぶ際の障壁としていくつかありますが、「マストフォロー」「トリックの損得勘定」「運ゲー問題」の3つの観点から話を広げてみましょう。

*「マストフォロー」
純粋無垢な子どもに「ねぇ!子どもってどうやったらできるの!?」と訊かれて答えに一瞬困るように、
トリテを遊ぶ人に「ねぇ、なんでマストフォローなんてあるわけ?」と訊かれ、未だに僕も一瞬困ります。
「スパー」はそれに対していい答えを出してくれます。

「最後のトリックで勝つために、あえて相手の強いカードを出させるため」

最後のトリックに勝利を飾るためには、必然的に強いカードを持っていることが勝率を高めることに直接つながります。最強カードを持っていてリードを取れたのなら、もはやその勝利を揺るがすことは誰もかないません。
だからこそ、同じマークを何度も出させて「違う、今じゃない。」を発動させるためのルールとしてきちんと機能している気がします。
他のトリテでも、他人の予想を崩すため、或いは余計なカードを取らせるため(失点)にマストフォローを活用して立ち向かうことも有るでしょうが、スパーは個人的に序盤にAが出た時に「ニヤリ」感がたまりませんなぁ…。

*「トリックの損得勘定」
トリックには基本的に価値がつくものです。それが後付けであれ必ず基本的には点数がつきます。
ビッド式でも、例えばミスって失点を受けたとしたのならそのトリック数÷受け取る減点がトリックの価値です。
例として「ボトルインプ」を挙げると、その獲得トリックのカードに記されたコインの数が加点となります。(細かいことは省きますが)
スパーでは、これらの「トリックと予想」や「獲得したカード」による要素は超極端に抑えられており、「最後に勝てば1点、道中のトリックは全て0点」という仕組みのみが生きています。これはつまり「最後で勝てばよかろうなのだ」という目標を一目で分かるようにしています。
前述したビッド式は、今このトリックを取るべきか、という損得勘定を考える必要があります。例には挙げていませんが、「スリートリックス」は3トリック以内なら、獲得トリックの2乗がそのまま加点になるゲームです。この場合の損得勘定は「3回勝てば最も良い」となりますが、その時々で「損得勘定」の基準は各々変わるはずです。
「スパー」は一目でわかるほか、常にその目標が同じなのです。いついかなる時も。誰が何トリック取っていても。基本的に常に同じ。いかなるラウンドも最後以外は0。最後だけが1という、ハチャメチャにわかりやすく、基本的に不変の価値観なのです。
と言うことは、各カードの価値も基本的に固定です。「強ければ強いほど良い」。これがスパーの黄金律で、「だからこそ」の分かりやすさなのです。

*「運ゲー問題」
トリテはよく、「手札運による」ことが多くあります。これは極端に多く強いカードが配られたり、弱いカードが配られたりした場合には、何も考えなくともその手札によって利益や不利益を被ることがある場合です。つまり「どうあがいても勝ち目がない」「どうしようもない」という場合が時々あります。
一応これを防ぐ方法として「複数ラウンドを行う」や「カードを交換する」などがあります。スパーはこの前者にあたりますが、それでもなお運ゲー感が強いです。最終トリックにおける最強カードを持っていればいわゆる「勝ち確」ってやつですね。
まあ全く考えなくても勝てるわけではありません。その強いカードを守るために如何に防衛線を張って、最後に前線に出すか。これがカギになります。
また、アクセントとして「弱いカードでリードを切り、勝利を収めると得点増加」というルールがありますが、これもまた運ゲー問題にしないために若干は働きかけているモジュールだと思います。
強いカードを道中で捨て、弱いカードで勝利を収めるためにはどうすべきか?果たして、その戦法は正しいのか?生兵法じゃないのか?と、自分で少し葛藤しながら戦うことでしょう。多分。

このまま終わるとちょっと不親切なので、ここで僕が知っているスパーのルールを書き記しておきましょう。

「スパー」2~5人(3,4人おすすめ)
【使うカード】
各スートの2,3,4,5を除外した36枚
(場合によってはスペードのAを取り除くこともありますが、基本的にはこれでいいと思います。)

【得点記録】
得点記録用のチップやメモなどが必要です。

【ゲームの準備】
1:ディーラーを決めます。初めはランダムに決め、以降は直前のラウンドで最終トリックを取ったプレイヤーがディーラーを務めます。
2:ディーラーは各プレイヤーに7枚ずつ手札として伏せて配ります。余るカードはそのまま伏せて脇に避けます。
3:トリックテイキングをプレーします。マストフォローの切り札なしです。
*1トリック目のリードはディーラーの時計回りに次のプレイヤーが、
2トリック目以降は直前のトリックの勝者が務めます。
*リードを務めるプレイヤーは手札から任意のカードを1枚自分の前にプレーします。
以降は時計回りに手札を1枚プレーしますが、手札にリードの出しかスート(マーク)と同じカードがある場合、
その中から選んでカードをプレーしなければなりません。
*全プレイヤーが1枚ずつプレーしたら、その時点でトリックの勝者を決めます。
リードと同じスートを持つカードの中で、最も大きいランクを持つカードが勝利します。
なお、ランクはA>K>Q>J>10>9>8>7>6となります。
*これを、全員の手札が無くなるまで繰り返します。
4:全員の手札が無くなったとき、最後のトリックとなるはずです。そのトリックの勝者がこのラウンドの勝者となり、点数を得ます。勝利したプレイヤーは1点を得ますが、勝利した時に出していたカードが「7」であれば2点、「6」であれば3点になります。
5:これを繰り返し、誰かが合計で7点を取るまで繰り返します。7点を得たプレイヤーが勝利です。なお、事前にこの点数を変えてゲームの長短を変えたり、ラウンド数を決めてそれまでの合計点を決めて点数を競っても構いません。

ルールはたったのこれだけです。ね?簡単でしょう?
僕は思い切って「これはギャンブルゲームだ」と割り切ってプレーしているので、運ゲーとして遊んでいます。
さっきの運ゲー問題は何だったのかって?水増しですよ。下駄をはかせたんですよ。運が強いってもう書いちゃってるじゃん。
それでも、マストフォローやトリテとは何かを知るためのエッセンスは抽出されているはずです。ぜひ、いろんな人に普及してあげてください。

さあ、今日から君も「スパー王」だ!!!

スパオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

fin.

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