新生活との出会い、別れ、心

異常に暑い。
暦上では残暑の真っただ中だ。
こんなものは、残暑の熱気ではない。
屋外どころか部屋の中全体が暖房に包まれている。冷房設定は、まやかしだった。

2020年、令和2年度。
元号が変わって間もない頃、今の世界がこうなっていることなど、誰が予測できていただろう。
一大イベントを控えていたはずだった7月も終わり、8月ももうすぐ終わる。
9月になっても、10月になっても、11月になっても、おそらく年を越しても店頭に消毒用アルコールを見かける日々は続くことだろう。

例年、3月~4月にかけて、学生が学生の期間を終え
社会に従事するための時期のことを総称して「新生活」と呼ぶ。
本年は、以前までと生活のスタイルそのものが変わってしまった。これもきっと新生活の幕開けだ。
生活は、自分の立場が変わることで変化することもあれば
周りの環境が変わることで変化することもあるのだ。
生きている上では止めようのない摂理だ。受け入れつつ暮らしていくしかない。

つい先日、個人的にTwitter上で贔屓していた人がアカウントを消した。
彼が最後に残した文章によると、「人生に不満はない。このままいけば年収は1000万を超えるだろう。」とのことだ。
しかし「自分が何をしたいのか分からない。したいことがあるのかどうかも分からない。」とも書いていた。
日々を徒労に暮らしていくうえでは、お金があろうとも充足は得られないのかもしれない。

また彼曰く、「大事なのは、大切な人を悲しませないように生きることだ。大切な人を笑わせられるように生きることだ。」とのことだ。
生活に満足感を得られない時は、きっと何かが欠けているのだと思う。
それは、自分一人の能力で得られるものもあれば、他人の力を借りなければならないものもある。幸せは、一長一短のちょうどいいバランスで得られる。
彼は今元気だろうか。
また戻ってきてほしいと思いながらも、反面背中を押したい気持ちもある。
……数ヶ月後にまた戻ってきている可能性もあるが。


生活を変えることで失った縁も、変えたことで得られた縁も、きっとまた数年後に振り返ったときには全て覆っている可能性がある。
今は大好きでも、いつ嫌いになるのかはわからない。大切な人に全て話せば受け入れてもらえると思ったら、大間違いだ。

人は信用してよいところと悪いところが往々にしてある。
かくいうこの記事を読んでいる君のことも、僕は信用していない。

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