カッピングの評点時の香味表記、なのか?

コーヒー豆がオークションなどでスペシャルティコーヒーとして認定されるには、カッピングジャッジたちによる評価をパスしなければなりません。カッピングをするにも、あらかじめ決められた焙煎度合に焙煎をし、ジャッジの人数をそろえ、カップを準備して、評価がなされるわけで。

で、この認定時に、フレーバーの特徴リストが発表され、その結果として何点になったか、が出ます。

この点とフレーバーリストをバイヤーたちが見て(たいていカッピングジャッジでもある)、オークションに参加して落札する。これが海を渡り、商社に集積され、ロースターに転売されて私たちが目にする店頭に並ぶのです。

この、店頭で販売されるときのコーヒーのフレーバーリストですが、おおまかに2つのパターンがあります。

1.カッピングジャッジされたフレーバーリストを何があってもコピペして記載する
ロースト方針が、カッピングジャッジとほぼ同じ煎り具合に仕上げる場合は、フレーバーリストを独自に取らず、すでにあるものをコピペしてパッケージに表示するものです。コーヒー豆は商売道具。最低限の内容がわかればいいんじゃね?というマインドのコーヒー「業者」がやることですね。

2.ジャッジのフレーバーリストをもとに、ロースト結果を見て新たに表記する
ジャッジよりも深煎り、浅煎りにする場合、香味キャラクターは明らかに違ってきますので、その違いを明記するためにフレーバーリストを新たに作ることがあります。特殊な香味が出ればしめたもの。そのロースターの腕を自慢でき、差別化して高く売ることができる、かも。

その他、というか、こういうケースも
フレーバーリストを無視して、産地表示のみ、農園表示のみのラベリングをする。実は結構有名なところがこれをやっていますが、店頭のポップだけに記載していたり、大量販売するのでパッケージへの表記をせずにカードを別に作ってあわせて配ったりしています。


どういうわけか、フレーバーはだいたい3つ明記
シールを見てみると、3つリストしているケースが多いのに気づきます。4つあると高得点豆であることが多く、complexという表現は繊細でたくさんの香味が含まれている(が、それぞれが具体的に何であるかは表現しにくい)意味があり、さらに高得点、というような傾向がありますね。


リストされているフレーバーがすべてとはいいがたい
カッピング会をやってみるとわかるんですが、香味の表現は多種多様なので、おなじものでも断片的にキャラクター表現が重なることがあります。たとえば「シトラス」感でもバレンシアオレンジのような分厚いフルーツ感を意味しながら、温州みかんのようなさわやかさも感じる、という意見が出たり。個々の香味の記憶をベースに表現がなされるので、85点以下の銘柄でも10種類くらい出てくることはざらでした。

リストされているフレーバーをもとに、ドリップ結果や自分のカッピングでどんなものを感じるかを楽しむのもいいかもしれません。

というか、そういうものです。

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