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高次脳機能障害の夫と楽しく! 仲よしは、記憶障害のおかげ。

夫とわたしは仲がよくて、「仲よきことは美しきことかな」って、あれほんとです。
毎日、笑ってワキャワキャしながら過ごしていて、心を削る諍いはなく、トゲトゲすることもほぼなく。
それは、とてもとてもありがたく、幸せとはこういうことなのだとしみじみと。
夫が、今はじめて気づいたような口調で、1日に何度も言ってくること。

「あのさ、俺たち二人は仲いいよね~」
「うん、仲いいよね~嬉しいねぇ」
「ありがとー」
「ありがとーオリゴトー」
「俺も今それ、オリゴトーって思ったよ。えー嬉しいなー。すごいよね、言ってないのにわかるんだもんね。二人は最高だね。あ、俺これ何回も言ってる?」
「うん、いつも言ってるよーでも毎回嬉しいよー」

こんな会話を、1日に何回も何回も繰り返すのです。
夫は重度の記憶障害だから、「ありがとーオリゴトー」を繰り返していることも、その瞬間はすっぽり忘れてしまう。
でも、「ありがとう」って、何回言っても言われても嬉しいじゃないですか。
しかも、夫は毎回とびっきりの笑顔で、本当に本当に本当に嬉しそうに喜んでくれます。

記憶のない夫にとって、毎回が「とっておき」。
だから、ワクワクしてドキドキしながら、私と話せて楽しくて楽しくて、自分が思ったことを私が言わないのにわかったと嬉しくて嬉しくて。
そんな気持ちを、毎回、毎回、伝えてくれます。

こんな夫と、仲よくならないほうが難しいですよね。
ありがとう、オリゴトウ。

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