マガジンのカバー画像

novel ジュプ・エ・ポァンタロン

18
2023年1月31日から2月17日にかけて note で公開した小説「ジュプ・エ・ポァンタロン」
運営しているクリエイター

#入学

ジュプ・エ・ポァンタロン (2)ここがレストラン?

 駅には十分前に着いた。駅前の広場に三人組の一人がいた。相手は孝子に気がつき 「来てくれ…

和泉佑里
1年前
9

ジュプ・エ・ポァンタロン (3)二駅先の喫茶店

 お店から出てきた三人は駅に向かって歩いていた。  後から来た女性は 「あの幹事の三人組、…

和泉佑里
1年前
14

ジュプ・エ・ポァンタロン (4)大学 入るのやめる?

 孝子はすこしだまってしまった。  カズエが 「どうしたの? なにかあったの?」 「今日はが…

和泉佑里
1年前
6

ジュプ・エ・ポァンタロン (5)あちこち行ってみた

 翌日、環状線で対角線の反対側にある駅までやってきた。  三十分もかかった。  なんとなく…

和泉佑里
1年前
4

ジュプ・エ・ポァンタロン (6)坂の途中のお店

 ゆっくりと食事を終えてからお店を出て、踏切の向こう側へ行ってみることにした。  駅の近…

和泉佑里
1年前
4

ジュプ・エ・ポァンタロン (7)ちょっとお店番

 そのお店は駅から少し離れた上り坂の途中にあった。お店の看板はあまり派手にならないように…

和泉佑里
1年前
6

ジュプ・エ・ポァンタロン (9)店長とのおしゃべり

 マダムを送った店長と孝子はお店の中に戻った。店長は孝子をテーブル席に座らせてからキッチンに戻り、コーヒーを二つ作って持ってきて自分も席に着いた。コーヒーはさっきのカフェ・ラ・テよりも濃い目でしっかりとした香りがあった。 「ありがとう。お留守番してもらって」 「いえ。何もできませんでした」 「そんなことはないわよ。マダムはあのジャケットを気に入ってたみたいよ」 「常連さんですよね」 「ええ。よく来てもらってるの」 「うまく接客できませんでした。やはり、私には無理ですよね」 「

ジュプ・エ・ポァンタロン (10)お店でアフタヌーンティー

 孝子は部屋に着いて、実家から送った引っ越しの段ボール箱の一つを引っ張り出し、ガムテープ…

和泉佑里
1年前
13

ジュプ・エ・ポァンタロン (11)孝子のデッサン画

 裁縫のお母さんと店長はこのあたりのおいしいお店の話しに花を咲かせていた。孝子は聞いてい…

和泉佑里
1年前
13

ジュプ・エ・ポァンタロン (12)居酒屋の騒ぎ

 アフタヌーンティーの翌日はガイダンスの日から三日目。孝子がクラスメートのカズエ、翔と会…

和泉佑里
1年前
13

ジュプ・エ・ポァンタロン (13)居酒屋騒動の後始末

 大学の職員が数人、最寄り駅の近くにいた。三月中ではあるが新入生ガイダンスが始まったこの…

和泉佑里
1年前
13

ジュプ・エ・ポァンタロン (14)孝子の結論

「そんなことがあったんだ」  孝子は、ことの展開に驚いた。 「あなたの勇気ある行動がクラス…

和泉佑里
1年前
11

ジュプ・エ・ポァンタロン ちょっと長いエピローグ その2

 店長が 「カズエさんにも、このお店を手伝ってもらうことにしたんです」  カズエが 「バイ…

和泉佑里
1年前
14

ジュプ・エ・ポァンタロン エンドロールの後のワンシーンのように

 次の日、孝子の両親は地元に戻ることにしていた。  お母さんは、お父さんにカバンを持たせて先に東京駅に向かわせた。  もう一か所、一人で行きたいところがあった。孝子やカズエ、翔が大学に行っているあいだに。  扉を開けて中に入った。 「こんにちはー。孝子の母親です」 「えっ。タカちゃんのおかあさん?」  女主人が急いで出てきた。そして 「あらっ、先輩? 先輩じゃないですか」 「やはり、あなただったのね。元気だった?」 「ええ、元気です。先輩は?」 「ありがとう。何とか。子育て