ジュプ・エ・ポァンタロン (10)お店でアフタヌーンティー
孝子は部屋に着いて、実家から送った引っ越しの段ボール箱の一つを引っ張り出し、ガムテープをはがした。実家の自分の部屋で本棚に並べていた本やノートのうち、まだ手放せないものを詰めた段ボール箱だった。中にある本を全部取り出して、箱の底にしのばせておいたA4のノートを大事そうに手に取った。一ページ一ページめくってみた。そこにはデッサン画が描かれていた。高校生の頃に興味のあるものを描いていたものだ。探していたのはこのノートである。カバンの中に入れた。
翌日、店長との約束の時間は