あとがき(入江、スパナ)

入江正一の部下が退職する話

前後編です。ミルフィオーレ務めの女の子の退職と再就職の話。
前編で、退職を告げた女の子に入江さんが笑いかけたのは、退職の理由が「ボンゴレ狩りに反対だから」だったから。
自分が戦う本当の理由は言えないけど、自分を慕って働いてくれた部下の幸せを願っている。本当はマフィアが良いものでないことは理解しているから、自らの意思で抜けたいと言った彼女を応援したいと思ったんです。
後編は、ボンゴレへの再就職。
入江さんが、有能な彼女をまた登用しようと思って連絡した話。
メールの日付が過去だったり、電話番号が知られていたりするのは、もちろん入江さんがちょっと頭をひねったから。メールの方は、白蘭さんをやっつけた後で入江さん自身が「空白の十年」を取り返したから…みたいなイメージですが、聡い彼女はおそらくメールがありえない日付で届いたことで自分の存在を思い出してくれるかも、と企んだから。という裏話も。
ボンゴレとして有能な人間を雇う、という大義名分を掲げつつ、「僕の仲間にならないかい?」という言葉が彼の本音。自分のために心配してくれる、役に立つために努力してくれる、そして泣いてくれる……そんな彼女を、実は本当に大切に思っていて、別れがたかったのは彼の方かもしれないのです。


スパナとお目付け役の女の子の話

交流企画用。「もう少しだけ」という台詞を使うのがテーマでした。
本文に出てくる「お騒がせミニモスカ」というのは、小説版(隠し弾3)に収録されているミルフィオーレパニックというお話に出てくる子です。
人に興味のないスパナですが、身体を気遣う程度には彼女のことを気に入っている設定です。布団に一緒に入ってもいやらしくないのがスパナのステキなところだと思います。
翌朝、様子を見に来た入江さんに発見されて勘違いされるまでがセット。