「乖離と邂逅」という曲を公開したよ

いつもの楽曲解説、ライナーノートです

↑ここからどうぞ



歌詞

偶然か、必然か 僕らは出会った
きっと、僕らは同じ景色を見ていた
綺麗だねって言って、それから語り合って、手を取り合って
いつしか僕らは共に歩いた

偶然か、必然か 僕らはすれ違った
互いに違いに気付いた たとえば身長
視点の高さが違った つまりは見えてた景色が違った
歩幅が違った つまりは歩く速さが違った

僕らは友達のままで、乖離を選んだ
分かれ道で手を振って、それぞれの方向へ歩いた
隣で歩くわけじゃないけど、たまに巡り会って
きっと、これは、必然だから
また後で、って言い合って

乖離と邂逅

僕らは互いに違った 見えてた景色も違った
それでも叶えたい夢は同じだったんだ
手段が違っても 道のりが違っても
同じ星を見ていた だからまた巡り会えた

乖離と邂逅

歌詞について

ポリリズムが「違う拍どうしがズレていって、やがて一致する」
のを楽しむ概念なので、

※ポリリズムについての詳細な話は
「楽曲について」のセクションで書いている

人間たちがすれ違って、やがてまた巡り会う。

みたいなテーマを書きたいと思った。

例えばバンドあるいはユニット、もしくは恋人同士とか、あとはヒーローとダークヒーローあるいは悪役が一時的に手を組む、とか。


1.
複数の人間が同じ方向を向いている時、
そこには必ず最初の目的・理由が存在していると思っていて

バンドあるいはユニットなら、良い曲作って売れたいとか。

恋人なら、一緒に幸せな生活を送りたいとか気が合うとか。

ヒーローと悪役なら、もっと強大な敵を倒すため。

みたいな感じ。


2.
人間は相互に違う生き物なので、大なり小なりすれ違う
(か、すれ違わないように片方が遠慮したりとかする。でもそういうのっていつか決壊すると思う)
人間同士の視点と立場も違うし、できることも違う。
心情だって完全に同じわけではない。なので

バンドあるいはユニットなら、音楽の方向性が違ったとか活動への熱量が違ったとか。

恋人なら、価値観が合わないとか。

ヒーローと悪役なら、強大な敵を倒したならまた敵同士に戻る、とかね。


3.
でも、一緒にがんばりたいと思った時。それは最初の目的・理由とは違うものかもしれないけど、もっと本質的に合う部分はあるはず。

バンドあるいはユニットなら、そもそも音楽を楽しみたいとか。良い曲を作りたいとか。売れたいじゃなくてね

恋人なら、結婚するには価値観が合わなすぎるけど、友達ぐらいのほどよい距離感だったら良い関係でいれる。とか。

ヒーローと悪役なら、世界を守りたいっていう結論の部分は同じ、とか。


4.
っていう話なので。
同じ景色を見て一緒に頑張って。相互の違いで決裂したけど。本質的に合う部分は必ずあるはずで。どこかでまた巡り会えたらいいねっていう話。

バンドあるいはユニットなら、また集まってバンドやるぐらいではないけど、たまに連絡とって一緒に曲作ってみる、とか。

恋人なら友達としてまた遊ぶとか。

ヒーローと悪役なら、また強大な敵が出たら協力できる。


すれ違いの話ではあるので悲しい面もあるけど、個人的には希望も含んだ話だと思っている。別々の道を進むけどたまに巡り会うとか。またそれぞれがんばろうね!みたいな感じ。
すれ違いだって、喧嘩別れだけじゃなくて別の形もあっていいと思う。

楽曲について

まずは概要から。

ポリリズムをやってみたくて、の挑戦作。

ポリリズムとは?以下wikiの引用

ポリリズム: polyrhythm)は、リズムの異なる声部が同時に奏されること。クロス・リズム(: cross-rhythm)ともいう。アクセントや拍子がずれているときはポリメトリック(: polymetric)ともいう[1]

の一致しないリズムが同時に演奏されることにより、独特のリズム感が生まれる。世界各国の民族音楽にもみられる。 それぞれの声部の拍の長さがx:yであれば、xからみてy小節ごとに、またyからみてx小節ごとに、それぞれの拍が一致するのが普通である(参照:倍数)。

例えば、3/4拍子と別の拍子を組み合わせる時、分子の倍数小節で拍が一致することになる。

したがって、組み合わせとしてはもう1つが4/4拍子の場合、分子の最小公倍数は「3×4」となり互いに12拍目で一致するので、「3/4拍子を4小節+4/4拍子を3小節」と組み合わせて同時進行すれば互いに「12/4拍目」で一致し1つのポリリズムとなる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

今回はBPMじゃなくて拍のズレで挑戦。

BPM135。

L側ギター5拍子 / R側ギター7拍子を基準に、
最小公倍数の35拍でひとくくり。

真ん中ギターは基本3拍子(10小節+2拍+1小節)。
ベースとドラムは基本4拍子(8小節+3拍子1小節)。


ここから反省点。

ベードラが基本4拍子だから聴いた感じあんまりポリリズムっぽくないかも(普通に4拍子で左右がなんか弾いてる?みたいな)って感じた。この辺はフレージングの工夫でもっといい感じにできるのかなぁ、とか、なんとか。

一応ベードラと真ん中ギターなら4と3のポリリズムだから12拍でひとくくりになるように聴こえるし、注視するトラックを変えることで拍の体感が変わって聴こえるようには出来た気がする。聴き方を変えると楽しめる構造。

ベードラ・真ん中ギターで12拍ひとくくりの聴き方と、左右ギターで35拍ひとくくりの聴き方と…って色々楽しめそうな気がする。

35拍でひとくくり、っていう制約の都合、コードを変えることが難しかった。
例えば丸サのFM7-E7-Am7-Gm7/C7っていう進行にした場合、3拍子、4拍子、5拍子、7拍子で拍が切り替わるタイミングがそれぞれ違うから拍が切り替わるタイミングでコードを変えようとすると多分不協和音になる。

この辺もなんかうまいことできたんだろうか。コードを切り替えるタイミングは4に固定するけどフレージング自体は3,5,7でとる、とか?できる?

上記の理由から、今回は3カポのEmのフォームのコード1発。(男すぎる)

コード進行がない楽曲なのでメロをつけることが難しかった(つけてもいいけどコードが1つしかないからメロの制約がキツくて一辺倒になりかねない)ので、ポエトリーでやるか、っていう方向に転換。


ここから余談。

余談1。
制作環境をMacにしたんだけど、旧PCで使ってたVoiceroidがOSの都合で使えなかったので新しくVoicepeakを買ってみた。これマジですごいかも。感情のパラメータが便利すぎるし特に調整しなくてもいい感じに喋ってくれる(今回イントネーションは全く調整してない。リズムはちょっといじったけど)。

BPMの指定ができると楽なんだけど…それは目的が違いすぎるか。

余談2。
ギターのアンプシミュについて。現在Archetype:Tim Hensonを使っているのだけど、これクリーン〜クランチ専用機かと思いきや、意外とグワーっとした歪みもいけるみたいだった。
前段のブースター、コンプ、オーバードライブをONにして、アンプのチャンネルを歪むやつにしてゲインをガッツリ上げるといい感じ。
0:33~からのセクションはグワーっとシューゲイザーぐらいの感じでやりたかったので、いい感じにできてよかった。
このアンシミュ、意外と守備範囲が広いしナイロン弦のチャンネルもある(本楽曲では1:21~)し、単純に音が良いし、特にガッツリ音作りしなくても良い音が手軽に出せるのが良い。まさに神。めっちゃおすすめしたい。


おわりに

「夏風、凪いで」を投稿した時もそうだったのだけど、Youtubeには今のところ上げる予定はない。
1枚絵がある+テキストが切り替わって表示される、のクオリティラインをYoutubeでは守っていきたい、けど、手配がめんどくさい。
すまん。気が向いたらやるんだが、多分やらないと思う。

あと最近変な曲を作りすぎている気がする。夏風〜は11/16拍子だし今回は35拍ワンループのポリリズムだし。今度出す新曲6つ入EPには11/16拍子を基調として3,7,8,13拍子を取り入れた楽曲とかもあったりして、どんどん難解に走りすぎている気がする。
売れるだの評価される未来が全く見えてない。

ただ、自分みたいなニッチな音楽性だけど(自分よりもっと変なことしてる人もいっぱいいる)クオリティ最強すぎて評価されてる人たちがいるのも事実ではある。結局パワーが足りてないんだろうか。もしくはマーケティングの問題なのか。直近これで病みすぎた。とりあえず大丈夫になりたいのだが。

難解なのはいいことだけど難解なだけでは自己満足になってしまうし、最低限のキャッチーさを担保できるようになりたい。修行です。がんばります。

まあそれは置いといて。

次はみんながノれるようなシンプルでアップテンポなギターロックを書きたいと思っている。今は。また曲書き始めたら変なことやってるかもしれないが。


最近、2拍3連のスネアのBPMで再計算して新しいBPMに移行するためのメソッドを確立して…

▼2拍3連ベースで再計算
(元のBPM)/2*3=(移行後のBPM)
例:BPM130の2拍3連のスネアはBPM195としても計算できる

▼戻す
(移行後のBPM)*2/3=(元のBPM)
例:BPM195の3/8拍子のスネアはBPM130としても計算できる

みたいなことを思いついたのでこれもやりたい。

ああいけませんまた変なことを始めてしまいます…


おしまい

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