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裏紙に落書きする人 はじまり


認定の資格を取って7年。やっと手に入れた、小さな小部屋。これで、部署のみんなが記録終わるまで待ってから認定の入力仕事したり、部長室で記録していて、部長たちが平の私に聞かれないようにしている態度を気にすることなく作業ができる。資格の業務に必要なカタログや用品を保管する棚も置ける。これで、ゆっくり事務作業ができるし、残業減らせる。

そう思ったのもつかの間、「Tさんはいませんか?」と尋ね人。


(見りゃわかるだろ。畳1畳ないスペースだよ。私以外誰がいる?)


「Tさんはもう、OOに移動してこの棟にはいませんよ。」
にっこり答える婆。
まあ、久しぶりに訪ねてきたのかもしれない。Tさんが移動したのは、昨年の年度末だったと聞いてるし。

しかし、訪ねてくるのは一人じゃなかった。

「OO管理室って、ここじゃないんですか?」
「ないんですよ。その部署は1Fの受付の横の広い部屋に引っ越しましたよ。ICTと合流して」

この会話を何度かわしたことだろう。
言われた方は、合点行かない顔で去っていく。

そうよ、訪ねてきた方は間違ってない。
この部屋の扉には「OO管理室」って書いてあるものね。

OO管理室が引っ越した先は、XXセンターの部屋だった。
いろいろあって、センターが別に引っ越してOO管理とICTがそこに引っ越した。
引っ越して、2週もせずに入り口の部署名示す看板が変わっていた。
さすが、パワーのある部署はすぐにそういうことしてもらえるんだって思った。

対して、私がもらった部屋の扉には、OO管理室の文字のまま。
いつまでたっても変えてもらえる気配はなかった。

しょうがないから自分でその上に紙を貼った。
どうせ、メモ程度の気持ちなので、裏紙に書いた。

ここはOO管理室ではありません。
OO管理室は(図解)ここに引っ越しました。!!

愛用している、携帯用の筆ペンで書いた。
思い返せば、これが始まりだった。

これで、扉をノックする前に理解してもらえるだろうと思った。

しかし、
日本語を読めるのと、読んだ日本語を理解できるのと、理解したつもりの文章に合致した行動ができる、は別の話なのである。
掲示された文章を読んだ人の中には、ここにはいないのかと理解して新しい部署に向かう人もいれば、自分の読んだ文章の理解が正しいのか確認する行動に出る人もいるのだ。
そう、こうやって掲示してあっても、それが本当か確かめるために扉をたたく。
「すいません、ここ、OO管理室じゃ、Tさんはいなんですか?」
「はい、いないんです。ここに書いてある通りです。OO管理室の場所がこの図でご理解いただけないのなら、ご案内しましょうか?」
(受付の横だよ、迷うはずもない場所だろ!!!)
こんな会話も数回した。

いけない、いけない。
いい年こいた婆が、こんな小さなことで(何度も仕事中断させられる)って、気分みだしてちゃいけない。私の字が下手だから、読んでも理解できないだけかもしれない。もっと扉の前で停止して、文字をじっくり読んで理解できる時間ができるようするといいのかもしれない。
文字のほかに、右脳も刺激して理解が深まるように絵でも掲示しておくとよいのかもしれない。

筍ご飯のお礼

ちゅうことで、これを掲示した。


もともとは、手作り惣菜を差し入れてくださる上司へのお礼に書いていた落書き。しかも、裏紙。裏紙と落書きで上司にお礼……
ビジネスマナーとしてはありえないのかもしれない。
でも上司も
趣味の畑でできた食材で、手作りした惣菜の差し入れは、パーソナルな関係線の気持ち。だから、裏紙と落書き(とへたくそな絵)程度が良いのだ。
筍ご飯の入っていたタッパに置いた落書きを、自分の部屋の前に掲示した。
(お、お礼は?お礼を廊下に向かって叫ぶ気か;;)

管理棟の廊下の中央付近、部署名を書き換えてもらえない扉の文字を隠すために掲示した裏紙の落書き。
その落書きを、紹介していこうかと思う。


最初の掲示から3年。今でも裏紙の落書きは続いてる。
つまり、そういうことです。


#裏紙の落書き
#筆ペンの落書き


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