ブロウィンインザウィンド

どうやら12年くらい前に書いた友人バンドのJUNIOR BREATHのCDのライナーノーツを7年前の今日SNSに投稿していたらしいとFacebookがお知らせしてきまして。
それで当時のことを色々思い出したのでここに書き記す。
スペシャルサンクス : mixi
(実際には書き始めて3日経つ)

当時のワタシのバンドは東京をホームとして活動しながらも毎月大阪神戸で3本から5本ライブをしていた。それ以外にも埼玉や千葉でもやっていて毎月10本ほどやり、スタジオワークは週2でやっていた。

なぜ遠い関西を攻めていたかと言うとそれは大阪のバンドやお客さん、街が好きになったのもあるが大阪でもお客さんつけて向こうでイベント主催出来る様になろうという目標があった。
仕事が終わって夜行バスに乗り込み5日連続でライブしてその夜に夜行バスで帰るなんてのもザラだった。
大阪のホームがFireloopでそこでブッキングをしていたのがJUNIOR BREATHのヴォーカルのホシヲだ。

ワタシのバンドはグランジ / オルタナティブなサウンドにブンブンサテライツ的な踊れる要素を混ぜたバンドをやっていて、JUNIOR BREATHは歌詞を大事にした所謂パンクバンド。
でもなぜだかホシヲは我々の事を気に入り自身のバンドのイベントに何回も呼んでくれた。
Fireloopのアニヴァーサリーにも毎回呼んでくれて、ワタシも自身が働く渋谷club kinotoのアニヴァーサリーには彼らを呼んだ。
そしてそれはお互いの誕生日にまで飛び火した。
それはワタシのバンドが解散に近い活動休止になってからも大阪までDJをしに行くという形で敢行された。
どうもワタシとホシヲはお互いを近所に住んでいると思っているフシがある。
例えばこうだ。

ホ「なあゆうじろう。来月のこの日にアレとコレが出るんだけどDJやらんか?」

ゆ「あーその日なら休めるからやるよ!」

電車で20分の渋谷にDJをしに行く感覚で返事をしていたし、彼も彼で難波に行くくらいの感覚でオファーしていたと思うが、東京と大阪、車の移動距離にして500km。
夜行バスで8時間の旅。
全然近所ではない。
お互いいつもそんなオファーをしては会えばいつも朝まで飲んだ。

朝まで飲んだ、と言えばこんな事もあった。
その日もFireloopにて我ら「対バンからの質問のほとんどがなんで3人であんな音出せるんですか?」バンドはガツンとライブをやり遂げ箱で打ち上げ。
24時を過ぎお開きとなったがまだ夜を終わらせたくない我々10数名は居酒屋になだれ込んだ。
和気藹々飲み続けやがて空が明るくなってきた。
それは今日の終わりを意味するが往生際の悪い残った精鋭数名で朝方の吉野家に乱入。
しかしワタシの記憶はそこでフリーズ。
そう、寝てしまったのだ。
起きたワタシの目の前には一切手をつけてない牛丼とこれから出勤するであろう人達。
一緒に行った連中はいない。

「アイツら置いていきやがった…」

と思いながら左を見ると同じく一口も食べてない牛丼を前に突っ伏して寝ている派手な髪色の男がいた。
お察しの通りホシヲである。
とある友人曰く

「西のホシヲ、東のユウジロウ」

とのこと。


ある日ホシヲから電話がかかってきた。
「JUNIOR BREATHの新しいCDのライナーノーツ書いてや。」
ワタシのバンドのCDにも同様のお願いを彼にしたばっかりだったし2つ返事でOKした。
〆切は?と聞くと彼は返す刀でこう言った。

「今夜。」

電話が来た時点で既に夜の19時だった。
まあ分かる、分かるよ。
最後の最後で閃いちゃったんだよな。
そういうの嫌いじゃない。

しかしその夜は友人のバンドの活動休止ライブを観に行く予定で、もう出る所だったので深夜まで待ってもらう事を条件に出した。
だったんだけどもライブに一緒に行った当時のバンドメンバーの秀臣とまっすぐ帰りたくなくて飲みに行っちゃいまして。
ライブハウスで飲み(飲み放題システムがある今は無き新宿JAM)、居酒屋で飲み、そのあとは秀臣の家で飲み。
あ、打ち上げも行ったかも。
ライナーのことはもうすっかり忘れていたがホシヲから連絡来たか急に思い出したかで急遽音源聴いて酩酊した頭で慌ててなんとか書き上げたってワケ。
その代物が写真のコレである。

画像1

ちょうどその1ヶ月前くらいにワタシのバンドの実質ラストライブになってしまったワンマンがあった。
たくさんの人が来てくれた。
まだブッキングがメインの活動の頃、演奏時間は大体30分、たまにバンド企画に出るみたいな頃からほぼ毎回来てくれていた千葉のお客さんは来始めた当初から
「ワンマンはいつやるんですか!」
とずっと言ってくれていた。
いつも「いやーワンマンはまだまだ先だよ」と苦笑いで返していた。
やっとワンマンが観れて嬉しいと喜んでいた。
観てもらえてコチラも嬉しかった。

色んな土地からお客さんが来てくれてパンパンのフロアにはワタシがよく知るアイツがいた。
そう、ホシヲである。
そこは渋谷で大阪からは500km8時間。
2時間ないくらいの演奏時間の為だけにトンボ帰りしていった。
ワタシには良い友達がいるんだなと思った。

先日、その当時のバンドメンバーの秀臣と友人3名と飲んだ。
コレ実に12年ぶりのご対面。
活動休止の話をした深夜の下北の居酒屋で別れて以来。
屈託なく笑う彼は当時と変わりなかったが変わったことや知らない苦労もあるんだろな。
レバ刺しとか好きだったよなと思って店をチョイスしたんだが

「いやー実は1ヶ月前に痛風デビューしちゃってさあ。そしたらレバ刺し食べようぜってコイツから連絡来てよお」

って笑って話しながらレバ刺しを食べていた。
そういう噛み合わないところあるんだよな俺たち。

どうしても伝えたいことがあったがタイミングがなく言えなかった。
まあそれはそれでまた今度ってことかもしれない。
彼は今は職場周りの人とたまにコピバンをやっているらしく、ワタシは新しいバンドをやる為の準備中。
バンドメンバーというのは家族のそれに近く、世界でその相手しかいない。
それでもやっぱり秀臣は大切な友達だ。
また会えて笑って酒を飲めて嬉しい。

ロックンロールハートイズネバーダイ
人生は続く



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