遍歴デザイン職、退社に至るまで。Iさん編

前提として、経緯を書いておきます。

2020年12月1日、某看板業社にデザイン担当として入社しました。
社員数名の小さな会社です。

デザインのみならずいろいろな仕事をさせていただきました。
看板の構造的な図面の製作、現物の製作に係る発注業務、予算計算や見積書等若干の事務業務、施工日の管理、動画製作、諸々の雑用。
面接ではデザインの仕事と伺っていましたが、本来営業職の業務のようなことまで、本当に多岐に渡ります。
研修的な指導は受けられないまま、都度不明点を社長に指導を乞うという、コミュ障な自分には不向きな難しいやり方でしたがなんとか覚えつつあったと思います。
少しずつ任せていただけるようにもなっていました。
それまでの紙媒体とは異なって難しくもあり、繁忙期には残業も多く、それでも足りない時間は自宅で埋めておりました。
休日も自宅で作業または学習というプライベートを犠牲にした働き方でした。
また、1ヶ月ほど先輩に当たる事務員Sさんともいろいろありましたが、(それはまた後日綴るとして)社長のハラスメントぎりぎりの高圧的な態度にも耐え、まぁなんとかやっていたという感じです。

2021年6月1日、紹介予定派遣の方が別職種で入社してきました。
派遣会社さん提出の応募者履歴書を見て、立派な経歴と資格、実績もある方が他に複数名いらっしゃったというのに、なぜ職業訓練校でしか学んだことのないという方を選んだのか不思議には思っておりました。20代半ばで若いということが他の方々と違っておりました。
この方が自分の退職の理由のひとつになるとは当時思ってもおりませんでした。

さて、この方をIさんとしましょう。

Iさんは社内に研修を担当できる人間がいなかったため、1ヶ月ほど協力企業さんに出向という形で指導を受けに行っておりました。
Iさんが社外研修より戻ってから自分の精神的負担が増加していきました。

Iさんについて書き綴ってもキリがないのでまとめます

  • 雑用は一切しない
    手伝いを求められたり指示を受けても「えーなんで俺っすか?」と嫌がる。

  • 日がな一日雑談
    大きな声の独り言で他者の反応を待ち、他者が反応すると雑談開始。
    勤務時間の8割方は喋っている。

  • Sさんへのセクハラ
    Sさん曰く、臀部を触られたらしい。

  • 敬語が使えない
    お客様にタメ口。方言丸出し。

  • 締め切りを守らない
    社長の「無理なら早めに言うように」の言葉をそのまま受け止めて、社長に報告すると締め切りは伸びるものと思っている。

  • 人の意見を聞かない、認めない
    協力企業の方が必要なものやあれば便利のいい機能等を伝えても態度を硬化させて屁理屈を言い絶対に対応しない。

  • ミスを認めない
    システム上バグが出て報告しても「そういう仕様なんで」と言い切り直さない。

  • 仕事上の連絡事項を特定個人にのみ行わない
    社内システムの稼働等を自分にだけ言わず、他社員でのみ施行した。

なんだかまとめてもキリがなさそうですので、とんでもエピソードをふと思い出した時にでも紹介しようと思います。

閑話休題。

Iさんの作ったシステムの動作チェックを自分が行うことがあったのですが、初見からバグが続出しました。
その報告と、追加してほしい項目を伝えたところIさんの気分を大きく損ねたようで、その後は自分と話すときは自分の方を向くことがなくなりました。
文字通り背中を向けたままで適当に聞き流すようになったのです。
何を言っても、職務上の打ち合わせでさえも
「はぁ〜、そっすか〜」
としか言いません。
しばらく様子を見ていましたが、その間Sさんへのセクハラの件を聞くこともあり、協力企業さんからのアドバイスや指導も無視し尊大な態度で取り合わない、そういったこともありまずはSさんにどうしたものか相談をしました。
以前、社長より「ふたり(Sさんと自分)ありきで体制を整えていこうと考えている、何かあったら報告してほしい」旨言われていたこともあり、社長に報告することになりました。
とりあえず、背を向けたまま話すことと協力企業さんへの失礼な態度、人の話を聞く気がないこと(自分の作ったシステムに指摘を受けると貶されているとのみ受け取り不機嫌になる?)のみを報告することになりました。
自分としてはセクハラの件も伝えたほうがと思ったのですが、それはSさん本人が拒否しました。

「それは困ったね。だけどIさんはまだ若いからジャッジを下すのはまだ待っていてあげてほしい。」

というのが社長の答えでした。
しかしながら、おそらく社長からIさんに何か話をしてくださるのだろうし、少しでもIさんが態度を改めてくれるのではと思っていました。

ところがIさんの態度はあらためられるどころか、その後ますますエスカレートしていきました。

最終的に自分にだけ業務連絡を一切しない等業務に差し障る嫌がらせをしてくるようになりました。
そのために自分が社長より叱責を受けたこともあります。
そんなIさんによる嫌がらせにより自分はストレスで体調を崩しました。

2021年11月にはもう社内にいると息苦しさを感じるようになっていました。
それはどんどんとひどくなっていき、12月に入った頃には、寒くもないのに手が震え、パソコンの画面を見ていて視点が合わないようになったり、突然叫びたい衝動に駆られたり、食事もまともに取れず夜も眠れなくなっていました。

自分にとって仕事とは大切なものです。
ただ、生活のため働くということではなく、説明し難いのですが自分の中で重要な位置を占めています。自分のあらゆるものの根幹でした。
その仕事をまっとうできない、業務上必要な連絡を受けられない。
そのことは自分の中で大きなストレスとなり、その状況を作り出しニヤニヤ笑っているIさんにかけがえのないものを踏み躙られた感覚です。
未知の化け物に襲われて手足を食いちぎられたようなといえば、我が子を悪漢に蹂躙されたようなといえば、イメージしやすいでしょうか。

ともかく、この件がきっかけで退職をすることになったのです。

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