2日目

昨夜は泥のように眠りました。
昨日の手紙を書いたあと、意識が遠のく身体を叩き起こし、数週間ぶりの入浴をしました。
なるべく毎日お湯には浸かろうと思うのですが、なかなかどうして、毎日の時間の進み方が日々変わっていくので、毎日確実にお風呂に浸かる時間を確保することが、私には簡単なことではないのです。

お湯に浸かりながら思い出すんです。
お風呂に入るといつも思い出します。

君が教えてくれたこと、「おしりの肉が暖まるまで浸かるんだよ。」
もう十分暖まったと思っても、おしりのお肉って、なかなか暖まらないものなんですよね。
しっかり身体の芯まで暖まると、ここ1ヶ月のストレスと疲労と負荷を抱え込んだこの身体は、それはもうここぞとばかりに音を上げて、私の意識を深く、深く、夢の向こうに誘うのです。
そうやってベッドに沈んだ身体は、iPhoneの、ちっぽけなアラームの音では目覚めることが出来ず、スヌーズを止めて瞬きすると、次の瞬間には出勤の20分前でした。

今日の私は全くダメでした。
目覚めは最悪。
寝坊してなんとか出勤しても、上手く仕事もこなせず、パニックを起こして立ち尽くしてしまったり、不甲斐なくて仕方がありませんでした。
これは決して君のせいではありません。

私は今、抑うつ状態を引き起こしているのです。
躁と鬱の鬱のほう。
高いのと低いのの、低いほう。

君のせいではありません。
でもこの1ヶ月の怒涛の日々による、精神的、身体的余裕のなさが、私をまたこの位置に引き戻したんです。

昨日私はふと気が付いたのです。
あぁ、私、鬱に戻ってる。と。

実を言うと、君に手紙を書こうと思ったのも、それに気が付いたからなのです。
私は、学生時代に酷い躁鬱を患っていました。
自分で分かるのです、物事を悲観的に捉え、事実以上の私の非を、自分で自分に科してしまう。
理由もなく息が苦しくなったり、喉の奥と胸の間がぎゅぅ、と痛んだり、思考にモヤがかかったり、一口物を食べただけで胸がムカついて、吐き戻したくなる欲求に駆られたり。
実際に診断を受けたわけではないのですが、これが正常じゃないことははっきりと分かります。
なぜ診断を受けなかったかというと、何故だか自分でもよく分からないのです。
ただ、ずっと抵抗していました。ひたすらに。

だけど、君が私を叱ってくれて、病院に行けと何度も言ってくれてたので、行ってみようかなという気持ちになっています。
というか、新しいアルバイトを初めて気付いたんです。

私の社会への適応が著しく低いことを。
しかし私は粘り強くて(というか、辞めることが怖くて)苦しくても我慢して続けるのが得意だし、大嘘つきなので、他の人の何倍も努力して、他の人よりも涼しい顔でこなそうとして、過剰適応をしやすいのだなと思いました。
よく考えてみれば、前の職場も、適応出来てないのに2年も働き続けたのは異常でした。

今回、はっきりと、私が普通に仕事をしていくには工夫が必要なんだと気が付きました。
だから、ちゃんと、自分を知ろうと思います。

自分の精神的な状態も、発達的な状態も、ちゃんと知って、対策をしていこうと思います。
これでもし、病院に行って、なんでもなく、ただの出来損ないの人間だったら、私は心が折れてしまうかもしれません。
そうなったら病院に行けと勧めた君のせいですからね。

いや、全くもって君のせいなんかではないのだけれど。


ただ、こんなにも君に傷つけられたのに、君への感謝でいっぱいになりました。
それはとても、幸福な、気持ちでした。
ありがとう。


期待をしなくなると、純粋な愛で接することが出来るのだなと、とても実感しました。


追伸、
ギターを、始めてみようかなと考えています。
考えているだけで、今は買うお金もないし、いつ始められるかも分からないんですけど。
でも今回は本当に始めようという気持ちになっています。
今の私の人生には、あまりにも音楽が無さすぎる。
身体の中はこんなにも音楽でいっぱいなのに、吐き出さなきゃ、そりゃあ、情報量が増えすぎて、パニックも起こすってもんですよね。

青いギターを買おうと思うんです。
買ったら、いっぱい練習するので、私の演奏で歌ってくださいね。


追伸ってこんなに沢山書くものじゃなかったね。
今日は遅くなりすぎる前に寝ます。
明日は寝坊しないようにね。

おやすみなさい。

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