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【アイドリッシュセブン】和泉一織のしんどいとこ語る①

熱烈な布教を受けて「アイナナ」こと「アイドリッシュセブン」を始めてからおよそ10ヶ月。
すっかり和泉一織沼に転げ落ちたので、彼のたまらんところをここらで心ゆくまで語ってみようと思います。

長くなるので知らない人への解説は一切抜きでつらつら語ります、ご了承ください。四部読了、特別ストーリー読了、イベストは昨年の星巡り復刻以降、ラビチャは手に入るものはガツガツ読むスタイルですがまだまだ読めてないのたくさんあります。コミカライズ・ノベライズも、出版されているものはおおむね抑えています。
(あとこの記事で恋愛妄想を絡めて書く気はないですが書き手はフラウェのふじょしです。)
以上よろしくお願いします。

突然のオーディション、心中やいかに

第1部一章。スカウトされた! このメンバーでアイドルやるぞ! と思ってたらいきなりオーディションで4人落とせと。抜けると大和さんが言い出したところで、引き留めないのは環と一織だけ。

スカウト事情を知ってからあらためてこの場面を振り返って一織の胸中を想像すると、ヒイッてなりませんか。私はなります!
だって三月には内緒にしてるけど、先にスカウトされたのは一織で、三月がスカウトされたのは一織の紹介があったから。一織自身はアイドルになりたかったわけじゃないけど、自分がスカウトに応じることで三月の夢が叶うならと、アイドルになることを決意したんでしょう。なのにオーディションで半分が落とされるという。

これまでも三月は何度もオーディションに挑んで落ちている。歌やダンスが得意なわけでもない、小柄でかわいい顔立ちだけどそこを自分の武器として推していくつもりのない三月は、オーディションという短い時間だけでライバルを押しのけるには難しい。スカウトした小鳥遊社長ならともかく、見るのは初対面の、自分と同世代の女の子……。

一織は自分が女性に好まれる容姿をしていることはよくよく知っているでしょう。高校生という若さも武器になる。歌もダンスも自信ある。(おそらく三月の練習に付き合っていたか、アドバイスのために練習していたんでしょうね)一織は、自分が受かる確率は高いと判断していたと思います。

そして、残る5人のライバルを見渡したとき――同じく若く、男性的な魅力あふれる環、飛び抜けた美形のナギ、中性的な美人の壮五……ぱっと目につくだけでも、三月より選ばれやすそうなメンバーがいるとも、判断できてしまうでしょう。もちろん、オーディションで歌やダンスが酷ければ選ばれないだろうけれど、三月だってそれをカバーできる技術があるわけではない。

……自分が選ばれて、三月が落選する。
その結末が簡単に予想できちゃうじゃないですか。その予想を覆せる材料を、この時点の一織は、おそらく持っていません。

おそろしいよね。どんなにか不安だったろう。

オーディションに落ちたら、三月は傷つくでしょう。その目の前で自分が選ばれたなら、どんな顔をしたらいいのか。喜べるわけがない。でも、選ばれて喜ばないのも、三月の夢であるアイドルを軽視するようなものです。あまりに身の置き所がない。

三月を想って小鳥遊事務所に売り込んだのに、ともにアイドルになって兄を支えるという夢を思い描いていたのに、余計なことをした自分のせいで、落ちて傷つく兄を目の前で見る羽目になるかもしれない。

一織が受かったなら、三月はどんな顔をするのか。おめでとうというのだろうか。なんでなる気もなかったおまえがと罵るだろうか。笑ったまま黙って深く傷つくだろうか。
あのとき一織の脳裏に浮かんだだろう未来予想を想像するたび、頭を抱えたくなります。

「歌もダンスもうまい」

そしてオーディション。一織に対する紡の評価はこうです。

「…………! 歌もダンスもうまい。
 無理がなく楽々こなしてる感じ。
 それに高校生って若さ……。」
「あの自信もなるほどだ。
 一織くんはグループに必要だな……。」

手は抜かなかったけど、必死にもならなかったのかなぁ、なんてことを想像しました。(そしてその「必死でなさ」もまた紡の目には一織の魅力として映ったのだろうとも)
たぶん、”わざと下手に” はやらなかっただろうなと思います。想像だけど、それは三月が夢見たアイドルという仕事に対する、一織の誠意なんじゃないかな。
あとは、二人して落ちるよりは、自分だけでも受かってアイドル事務所と強いつながりを作ろうとしていたかもしれない。

そして、上でも少し触れましたけど、アイドル志望だっただけではない、おそらくは進学校の高校生だったろう和泉一織という少年が、芸能事務所の娘で目の肥えている小鳥遊紡をして「グループに必要」と言わせる歌とダンスの技術を持っているという事実……。震えちゃうよ。

一織は一番手だから、この評価をした時点で紡が他のメンバーと比べたわけではないんだけど、少なくとも三番手である三月の評価は

「……三月さんは歌もダンスも、
 うまいわけじゃないけど……。」
「一生懸命なところに勢いがある。
 グループにいたらムードメーカーに
 なってくれそう……。」
「三月さんも捨てがたい……。」

……というもの。一織のほうがうまいんですよ、どう考えても。
アイドル目指して日々レッスンに励んでいた兄よりも、スカウトされるまで自分がアイドルになる気はこれっぽっちもなかった弟の方が。

大和の演技力、環のダンス、陸の歌唱。ストーリー上で飛び抜けた才能の持ち主として語られるのはおもにその三者です(のちに三月のMCが加わるね)。一織が、彼らのような賞賛のされ方をする場面はほぼありません。
でも、血筋と環境というバックボーンも、元々それで身を立てる意志があって練習を積んでいたという経緯もなく、彼らと並び立てるレベルでできてしまう。

パーフェクト高校生、和泉一織

和泉一織というのはそういう人物なんですよね。容姿も能力も、欲しがる前から、多くのものが与えられてしまっている。基本スペックがおそろしく高い。
そして、ゼロに憧れ、アイドルを目指して努力してきた四つ上の兄である和泉三月は、弟のその能力の高さをよくよく知っていると思います。
ダンスの練習に弟を付き合わせたら弟の方が先にうまくなっちゃった、みたいなことも、きっと何度もあったんじゃないかな……。

きっつい。

三月もしんどいけど、一織もしんどかろうなと心底思います。だってできちゃうんだもん。なにひとつ望んだわけじゃなくても。大好きな兄は同じことができなくて悔しがっているのに。
ほんと和泉兄弟さぁ……。

長い、長すぎる

一部1章を振り返ってさらっと語るだけでこの長さですよ。分割するしかあるまい。というわけで、②に続く。

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