生きてるだけで偉い #10
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
生きてるだけで偉い
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
ふたりきり
映画、当日。サムから電話がかかってきた。
「もしもし、葉月?」
「んー?どうかした?」
「あのさ、葉月の彼女さんと同じことになっちゃった…」
「え?どーゆー意味?」
「いや、だから。熱出して行けなくなちゃった。ほんとごめん🙇♂️」
「え?ってことは晶と二人っきりってこと?」
「申し訳ない。あっくんには葉月から伝えといてくんないかな?」
「わかった、サムも体調に気を付けて無理だけはせんようにね。」
「うん、ありがとう」
サムは、携帯を持っていないから家から電話するしか方法がない。声からにして、震えて熱出してるんだろうなというのを察した。それでも少し泳がせてしまった。サムのことだから捻った言い方をするんじゃないかと思って。やっぱり捻った言い方だったなと思いながら、部屋にあるあの日お母さんから貰ったゆきの写真を見る。そういえばゆきもサムと似たような人だったなと思いながら、私は出かける準備をして晶にメッセージを送った。
〈おはよー、サムが熱出して来れなくなったってさっき電話来た〉
おはようのスタンプと女の子が落ち込んでるようなスタンプが送られてきた。晶とNINEを交換してから意外な一面を知った気がする。女子が使うようなスタンプや絵文字が多いこと、NINEの中では一人称がうちになっていること、あと個人的にNINEの方が晶は素直でいると感じた。直接よりも画面を通した方が喋りやすいのかな。それも、私が女の子だからとか関係しているのかなと色々感じた。
『この服間違いだったかな。』
待ち合わせ場所に着き、自分の服装を確認する。私が来ているのは白色のワンピース。ゆきと初デートの時に着ていこうとしていた服だ。あれ以来着る機会もなく半年以上放置していた。半袖のワンピースだから、今の時期にはまだ寒い。以前テレビ電話をした時にゆきが好きだと言っていた紫色のカーディガンを上から着た。そういえば、ゆき紫好きだったよな。と余韻に浸る。手紙をお母さんから貰ったあの日以降も私はゆきのことを考えていた。この映画の元のドラマもゆきも好きだったやつだ。やっぱり私はゆきのことが好き。そう思うと涙が出てくる。
『葉月、お待たせ。ってごめん、俺結構待たせちゃったよね』
『ううん。そんな事ない。晶には関係ないから。』
『もしかして、ゆきさんのこと??』
『ほんと、晶には関係ないから。ほら早く行こ。晶が遅刻したせいで映画始まっちゃうでしょ』
私はその場から離れるように映画館に向かった。映画を見終わったあと、特に行くあてもなく少しのお菓子を持ち寄せカラオケボックスに向かった。
『俺カラオケなんて初めてかもしれない』
『マジ?私も久しぶりに来たわ』
『何歌おっか。あんた先に歌う?』
『じゃあ、お言葉に甘えて。』
私はここでも、ゆきが好きだった曲を入れた。やっぱりゆきが居なきゃ、ゆきが私のそばに居てくれなきゃ。何も出来ないなと改めて感じた。
♪僕は一人じゃない
『よいしょっと。晶は何入れたの?』
『俺はねー、この曲‼️』
『あー、これめっちゃ楽しめるやつじゃん!てか、うちら世代じゃないでしょ!笑』
『いいじゃん。好きなんだから』
『うん、それもそっか』と私は言いながらその曲の合いの手を打っていた。晶とは、アニメだったり音楽だったりの趣味が合う。そういえば、晶に好きって言われたことなかったかもと思いちょっとドキッとした。別に私に言ってくれた訳じゃないし、私はゆきが好きだしとそう考えた。19時に解散し、家に着いたのは20時過ぎだった。晶に、今日はありがとうとメッセージを送る。晶らしいスタンプが送られてきた。気付いたら私は彼に電話を掛けていた。
「もしもし?どうかした?」
「いや、ごめん。なんでもない」
「そっか。あのさ、今日は楽しかった。ありがと。あと遅れてごめん。」
「ううん。こっちこそ最初悪い態度撮取ってごめん」
「いいよ、別に。俺が悪いんだし」
「あのさ、晶。晶、恋が分からないって言ってたじゃん。私もまともな恋したことないし。確かに、ゆきのことは本当に好きだったし。あれが恋だって言うなら、恋だと思う。今だって、思い出すだけで涙出てくるし。今日だって、晶と一緒に居たのにゆきのこと何回も思い出して。何回も泣きそうになった。こんな形でさ、言うのもあれだけど。晶とならこの先も一緒にいれる気がするの。なんとなくでごめん。私とさ、試しに付き合ってみる?」
「あ、え、うん。そうします?」
「ほんとに、言ってる?」
「うん、別に俺もあんたと居て楽しいし」
「そっかじゃあ、そういうことでよろしく」
「わかった。これからもよろしく」
続く。
この小説は実話を基にしたフィクションです。
登場する団体、名称、人物等は実在のものとは関係ありません。
まいど❗️
姉ちゃん誕生日おめでとーー!!
じぃです🐱
第10話ありがとうございました🙏
9話に比べたら量がえぐい事になりました笑
来週で終わりますね。
なんか、あっという間でした。寂しい😢
またの機会があったら書こうと思います✌️
とりあえず、まだ完成していないので笑
来週もお楽しみください😊
今日は僕の姉ちゃんの誕生日です🎂
ほんといつもお世話になってるので、これからもお世話になります‼️
色んなとこで何回もお祝いしてるけど、ほんとに姉ちゃんのことが大好きだからね!
これからもよろしく‼️
ってことで。
ほんじゃあね👋
じぃ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?