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この症状知ってますか?アキレス腱腱付着部症(リハビリ生活)

1年間「右足の痛み」を感じながら仕事を続け、
その結果「右アキレス腱腱付着部症」及び「右陳旧性アキレス家断裂」と言う病名を頂いてしまいました。

聞き慣れない「病名」…
この症状と処置について、ご紹介させて頂きます。

症状の特質

足のかかと付近から「骨」が成長してくる症状です。
厄介なのが、「アキレス腱」と「かかと」の接触部分から、骨が出てくるので、内側にある「古いアキレス腱」に接触して、そのアキレス腱を、成長と共に断裂していく状態です。

ですので病名としては、骨が出でくる「腱付着部症」と「アキレス腱断裂」の2つがセットになります。

私は約1年ほど前から、荷物を運びながら「一日約3万歩前後」歩行する仕事を行っていました。初めは足全体の「筋肉痛」で、痛みを感じながら行っていましたが、半年が経っても痛みが取れず、睡眠時にも「ズキズキ」と痛む症状が続きました。
その後は、突発的な「激痛」が頻繁にあり、足のかかとの上部(アキレス腱の付け根付近)が、固く盛り上がっていました。

「寝起き」「休憩後」は、特に痛みが辛く、足を引きづりながら歩行をするようになりました。

ここで初めて病院へ行き、この病名を知る事となりました。

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症状の原因とケア

この症状は、アキレス腱が常に引っ張られている事が原因で、その状態を長く続けている事で、骨が出て来てしまいます。
この状況になるには、いくつか条件が想定されます。

・座っている事が多い
・体重過多
・運動や酷使による、ふくらはぎの筋肉へのストレス
・他の箇所に関節炎がある

この様な事が原因と考えられているので、陸上選手やサッカー選手などの「アスリート」に、この症状が見られる事があるようです。

日常的に「ストレッチ」を行い、「ふくらはぎ」や「アキレス腱」の筋肉をほぐす事で、症状を抑えられると考えられています。

アキレス腱と言っても「筋肉」です。
筋肉は全身に繋がっているものなので、「お尻付近」から「太もも」「ひざ」「ふくらはぎ」「アキレス腱」のストレッチが効果的になります。

治療方法

日常のストレッチでも痛みが取れない場合は、血液が固まっていたり、骨が石灰化している可能性があるので、「体外パルス(衝撃波)治療」等が行われます。
これは、音波を利用して体外から圧力波(衝撃波)を与えて、血行を促したり、石灰化した部分を取り除く治療です。1回20分程度で、定期的に数回行いますが、保険適用しても「高額な治療」となります。

私の場合は、上記レントゲン写真のように、既に骨が成長している状態でしたので、「骨を削る手術」となってしまいました。

手術の内容は、
①「アキレス腱」と「かかと」の接触部の切開
②「アキレス腱」と「骨」の剥離
③骨を削る
④切開部の縫合
⑤ギブスを巻く

手術は全身麻酔で、「うつ伏せ」で行いました。
術後2時間くらいで意識は覚めましたが、神経ブロック注射をしているので、痛みは感じられませんでした。

また、この手術が出来るドクターは、あまり人数が居ないので、限られた病院になるので、病名が分かった時点で、病院探しが必要となります。
私の場合は、近所の「整形外科」に行きましたが、「紹介」は「拒否」され、自力で病院探しをしました。(拒否の理由は、地域内で処置出来る病院が無いとの事でした)

その後は、アキレス腱が剥がれている状態ですので、「アキレス腱断裂」の処置とリハビリになります。

術後の入院


術後1週間ほどは「車椅子」の入院生活となり、その後「松葉杖」を併用させて行動します。シャワーも可能です。
ただし、行動するとき以外は、足を上げた生活が必須となります。
足を下げると足の血行が良くなり、痺れや痛みの原因となるので、ギブスが外れるまでは、睡眠時も含めて、足を上げている事をおすすめします。

そして松葉杖での行動が容易になれば、退院可能となります。(入院約10日間前後)

私は10日間入院をして、その後は自宅静養(待機)をしました。

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退院は「装具取り付けまで」が、おすすめ!

退院をしても、足をつける事が出来ないので、とても不自由な生活になります。「起き上がる時」や「トイレ」など行動する時は常に「松葉杖」となります。病院とは違い、家や部屋の中は狭くて想像以上に困難な生活と成ります。特に両手が使えないので物を持つ事が出来ません…

段差のあるスペースでは、松葉杖の使用も難しくて、バランスが崩れて転倒に至る可能性も高く、買い物へ行けても商品を手にする事は出来ず、一人では持ち帰る事も出来ません。

車も運転出来る状態で無いので(右足はギブスで固定)、通院には公共機関を利用するしかありません。しかし、バスや階段、距離、天候等を考えると、通院はほぼ不可能です。

装具取り付けまでは、20日~30日かかるので、その間は入院しておくのが、最適だと思います。

ギブス静養中にやっておく事

退院後約1週間、つまり術後約2週間で「抜鋼」(ばっこう)しました。「糸」ではなく、ホッチキスの「針」のような金具なので、「抜糸」ではなく「抜鋼」と言うそうです。
今回の治療の中では、この処置が一番痛かったです…
時間は1~2分の出来事ですが、肉にめり込んでいる金具を、麻酔無しで抜くので、抜くたびに体が「ピクン!」とし、全11本抜きました。

その後、再びギブスを巻きます。
ギブスを外すまでは、約1週間~10日になりますが、この間にやって置いた方が良いことがあります。
・足はなるべく下げない
・指先など、動かせるところはすべて頻繁に動かす
・かかとは着けない
以上の事を徹底しておくと、その後の回復が早くなります。
約1ヶ月間足を固定していると、血流や筋肉は勿論の事、「脂肪」も固くなり、その後の回復が遅くなったり、固まったところを「ほぐす」時に痛みが出てきますので、傷口に影響しない程度に、ギブスをしている状態で動かしましょう。

装具取り付け

ギブスを外し、いよいよ装具取り付けになります。
上文でも述べましたが、ここまで入院して置いた方が「楽」です。
また、ここからは体の行動が劇的に変化します。

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入院中に「装具屋さん」が「型」を取りに来ます。

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ギブス外す日に合わせて納品されますが、費用は病院では無く「装具屋さん」へ直接支払う事になります。私のこの装具は約¥75000円になります。
ただし、自分の所在地の「健康保険課」へ申請する事で、いくらか返金されますので、いったんは全額支払いとなります。(返金額は、全年度の収入や保険の種類によって異なります)
ちなみに色は十数種類から選ぶことが出来ます。

装具でのリハビリ

これまでは、片足で松葉杖2本で行動していましたが、装具を装着した事で、両足をついて歩行することが可能となります。
始めは不安で両足をつける事に「不安」と「ためらい」がありますが、装着する事で、足首が固定され、アキレス腱には負担がかからない構造になっているので、思い切って体重をかけても痛みはありません。
私はこれを「装具との信頼関係」と呼んでいますが、心を開いて装具に身をゆだねる事が大切です。
私の場合は、装着当日のリハビリで即、2足歩行が出来ました。
ただし、装具の底はヒールのように「かかと」が高くなっています。片足だけがヒールのようになっているので、不安定な歩行になってしまうので、外を歩くときは「方松葉」(松葉杖1本)が必要となります。自信がつけば、家の中での「杖」は必要ありません。

私が初日から、2足歩行が可能であった理由は2つあります。一つは、「装具への信頼関係」を直ぐに作った事(精神的)。そして2つ目は、上記で述べたように、指先などを頻繁に動かしていたことで、スムーズな動き、体のバランスを取れたことだと考えます。

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また写真のように、底の「かかと」は4層になっています。
病院でのリハビリは週に2~3回となりますが、1週間単位でこの「かかと」の層を1枚ずつ剥がし、4週目に全て剥がれ、ほぼ地面と平行に足を着くことになります。
そして、「立ち上がる時」「歩行時」は装具の装着が必須となりますが(アキレス腱に負担をかけない為)、それ以外は極力装具を外し、足の指先や足首を動かし、ふくらはぎ周辺のマッサージをする事で、回復が早くなります。
また、湯舟はダメですが、シャワーは傷口を保護しなくても入る事が可能です。ただし、傷口は大きく「かさぶた」となっており、自然に剥がれ落とす必要があるので、傷口は乾いた状態を保つことが要注意です。
私は、傷口をタオルで巻き、コンビニ袋などを利用して保護し、ガムテープで固定して、傷口を濡らさないように心掛けました。足は「濡れタオル」や「アルコールティッシュ」で拭き、傷口以外を保湿クリームを塗って維持していました。また、装具を装着すると、傷口が触れて痛みが出たり、すね部分が蒸れたりするので、足首から膝までを覆うサポーターなどあると重宝します。

さよなら装具・・・そして新しい装具

4週間が過ぎると、ふくらはぎまで覆っていた長い装具が卒業となり、新たに短くてゴム製の装具に代わります。
値段は約¥17000円程となりますが、前回の装具同様に、所在地の保険課へ申請する事で、数割の返金が出来ます。

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この頃は、術後約3ヶ月目になります。
松葉杖も返却出来るので、歩行が伴う仕事も出来るようになります。
ただし、筋力が弱いので「片足立ち」が出来ませんので注意してください。
また、サイドの白い部分はプラスチックで、体重をかけた時の「安定を保つ」ものです。それ以外はゴムで締め付けて装着しています。

リハビリとしては、付着部の痛みはありますが、引き続き入念な「ほぐし」といよいよ「筋トレ」になります。
ウォーキングも可能ですが、歩行程度で1~3㎞が限界です。片足に負荷が掛かり過ぎるので、極度の筋肉痛になります。
筋トレ内容としては、「立ちながら壁に手をついた片足立ち」「タオルやボールを使い指先訓練」程度に抑え、それ以外は「ふくらはぎ」「太もも」「おしり」のストレッチがおすすめです。

やり過ぎると、違う方の足への負担が大きいので、極度の筋肉痛になってしまい、数日間苦痛でトレーニングが出来なくなるので、同等の筋力が戻るまでは、控えながらのリハビリが有効だと思います。
この時期に無理をし過ぎて、アキレス腱断絶をして、再手術を余儀なくする人も少なくないようです。

この1ヶ月は、地道なトレーニングが回復への近道となります。

術後4ヶ月目

通常の日常生活を送れますが、「地道なほぐし」と「地道な筋トレ」は、毎日必須です。リハビリの通院は、週2~3日ペースで通っています。
痛みは余りありませんが、付着部の奥の方の「凝り」が残っている為、強めのマッサージや、負荷が大きいと「激痛」が走ります。

日常での苦悩は、「階段の昇降」(特に下り)は、手すりが無いと厳しいです。歩行は2000~3000歩で「筋肉痛」と「過多」となり、ヅキヅキと約24時間痛みが残ります。

日々の「ストレッチ」と「筋トレ」の内容は、

・とにかく「足首」や「付着部」「ふくらはぎ」の「もみほぐし」
・タオルを敷いて、足の指で引く
トレーニングチューブを使い、「指先」と「足の甲」「ふくらはぎ」の外側の筋肉を使う
・かかと上げ(平面の床・階段を利用して「かかとを浮かして上げる」)
・軽めのウォーキング(散歩程度)

いずれも、やり過ぎると「筋肉痛」や「痛み」が生じて、出来なくなるので、地味ですが「少しずつ」行うのが、早期完治の近道だそうです。

現在、両足での「かかと上げ」は出来ますが、片足での「かかと上げ」は、未だ1回も出来ません。これを20回連続で出来るようになると「完治」となるようです。



次回の診察は、3ヶ月後に「MRI」を行い、「骨」と「筋肉」の状態を診察するそうです。それまでは、この「地道なリハビリ」の継続となります。
また3か月後に「更新」致します。

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