まだファンダメンタルズ分析とか言ってるの?

「大口が何を考えているのか?」
「中国がバブル崩壊したからアメリカ株が下がる」
「大衆のオーダー位置はどこか?」
「ヘッジファンドの戦略を先読みする」

それ、本気で言ってる?

……

基本的にFXの指南みたいなことはしないんだが、Twitterで勝ってるアピールをしている人で上記のような「マジ?」ということを言っている人がいて、しかもそれなりに反応があったりするとじりじりした思いになってしまった

ネットで何かを知りたいときに「〇〇って何ですか?」と聞くと「ググレカス」と言われるので「〇〇って××なんだよ」と適当なことを書くと「いや、〇〇は~~だからね」と知りたいことを教えてもらえるというテクニックがあるが、彼らも適当なことを書いて本当のことを教えてほしかっただけかもしれない

とは言え、ファンダメンタルズ分析派というのは実は一定数いて、初心者ほど多いような気がしている

相場を無理やり難しく考えている感じだ

私はFXにおいてテクニカル分析過激派なのでほとんど全てのファンダメンタルズ分析を否定しているわけだが、これは無根拠で言ってるわけではない

そういうわけで、今回はファンダメンタルズ分析をボコボコにする記事

その前に、軽く用語解説

テクニカル分析
→チャートデータのみを根拠として未来予測をする分析方法
ファンダメンタルズ分析
→チャートデータ以外の情報、世界情勢や大衆心理、ヘッジファンド心理などを根拠に未来予測をする分析方法

では行こう

価格は1秒の遅れもなく常に適性値である

ファンダメンタルズ分析は言い換えれば、世界情勢や心理分析から「現在の値は高すぎる/安すぎる」から、次はこうなるという形の分析である
しかし、それはありえるのだろうか?

話を理解しやすいものとするためにPS5転売の話で例える(やってないよ)

PS5を10万円で売り出したとしたら売れなかった
しかし8万円で売り出したら売れた

これは、10万円だと「市場価格より高い」と判断されている
一方で8万円だと「市場価格より低い」と判断されたわけだ

そこでPS5の中古市場を見たら9万円で出品されているものが多数見受けられた
つまりはPS5の市場価格は9万円だということになる

この9万円より安ければ一瞬で売れ、それより高ければ永遠に売れない

これは相場でも言える

相場は常に、大口の思惑、ヘッジファンドの戦略、そして多くの個人投資家の売買によって揺れ動いている
そして「今は安すぎる/高すぎる」ということはない
常にあらゆる要素を全て込み込みで「適性値」である
それは地球コマの中心のように、ピンポイントで少しのずれもなく、常に正しい値を指示している

なぜなら相場には200兆ドルというすさまじい出来高があり、1秒間に数え切れぬ数の注文が飛び交っているからだ

分かりにくい人はさっきのPS5で考えてほしい
PS5が1秒間に1000台転売に出され、そのうち900台が「9万円」で販売しているとする
9万円より1円でも安かったら一瞬で売れ、9万円より1円でも高かったら一生売れることはないだろう

適性値は9万円ぴったりだ
高すぎも安すぎもなく、9万円だ

相場という200兆ドルの波の中なら、コンマ秒も居座ることはない


たしかに大口の思惑もヘッジファンドの戦略も存在するだろう
値が動くのには理由があるから
しかしそれは既にチャートの中に反映されている

テクニカルはファンダメンタルズに先行する

チャートこそが最新情報であり、だからこそ、それを分析することが未来予測のために最も有効となる

「理由」の分析に意味はない

上記でファンダメンタルズ自体が存在することを認めたのは意外だったかもしれない
しかし、確かにファンダメンタルズは存在する
価格は世界情勢やトレーダーにより決定していることは明白だし、むしろそれ以外では動かないだろう

でも、そもそもそのファンダメンタルズを分析することに意味があるのだろうか?

相場における最新情報がチャート、つまりは現在価格であるということは上記で説明した
テクニカル分析はその最新情報と過去の情報を統計的に見比べて先を予測するわけだが、一方でファンダメンタルズ分析はその理由を予測するものである

理由を分析することの無意味さの種類にはいくつかある

・確かめようがない
・サンプル数が少なすぎて統計的に無意味
・1つの理由で動いてるわけではない

ファンダメンタルズ分析は非常に複雑だ
例で出しているPS5転売価格の適性値について、その現在価格の理由を正確に言える人がどれだけいるだろうか?
おそらく一人もいないだろう

相場におけるファンダメンタルズ分析の難解さはいわずもがなだ

しかも予測を立てたとしてもサンプル数が少なすぎて検証できないし、理由が本当にそうだと確かめる方法もない

ファンダメンタルズ分析は科学とは離れたところにある


経済指標もテクニカル分析に従う

これは気になって実際に統計を取ったのだが、経済指標によりトレンドが転換するのは2年に1度の頻度だ

それ以外は経済指標もテクニカル分析に従う

経済指標はその時に初めて出るファンダメンタルズだ
それなのにチャートでは指標発表前から、まるで内容を知っているかのような動きをする
なぜそうなるのだろうか?

経済指標の最たるものは米雇用統計だと思うので分かりやすくそれで例える

雇用統計とは簡単に言えば、どれだけの人が職にありつけているかというような数値だ
雇用統計の発表数字が良いとドルか買われ、悪いと売られる

この時、発表した瞬間に雇用状況が悪くなるのだろうか?
そうではない

実際は雇用状況が悪くなる何かが既に起きていて、各企業の雇用状況が悪くなっているというような話が出回り、それから雇用統計発表となる

チャートは常に全てを織り込んでおり適性値にあるので、雇用統計の数字が悪くなる原因が発生した瞬間に既に動いている

よって、まるで雇用統計内容を知っているかのようなチャートの動きになるわけだ

逆に、二年に一度外れるというのはなぜかと言えば、それは予期しないことが起こったときだ
これは経済指標に限らず、急にテロが起きた、自然災害が起きたなどの前触れがないものには全て当てはまる
(ただもちろん、ファンダメンタルズ分析であってもこういったものを予測することは不可能だ)


FXはテクニカル分析のみで十分に戦える
むしろ他には何もない
チャートを単純化して現実に即してルール化できた人が勝つゲームだ

ファンダメンタルズ分析を取り入れるなど、複雑にしていくとどんどん勝てなくなっていく

難しく考えている人は今一度、単純化することをおすすめする

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