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Drの僕が転職して良かったと思うこと(パート②)

1.時間に余裕ができた

2.収入が増えた

3.単純に仕事内容が楽しい

4.学会に入る必要がない

5.職場環境が良い

6.車で移動が多くて逆に良い

7.リスクを冒す場面が少ない

8.win-winを感じれる

9.自身の人生観も深まる


今回は4番目について書きます。

4.学会に入る必要がない

〇普通、Drであればなんらかの学会に所属している

〇ちなみに複数の学会に加入している

〇当然だが入った分だけ学会費が発生する

大多数の医師はその道を志すときに素晴らしい信念とともに医学部に入学する(裏〇入学とかの例外を除いて)。

んで、医学部6年間を無事卒業するとやる気は十分だが医師としてどう歩いていけば分からないので進みたい専門領域を決める。

そこでまず現れるのが学会の門なのです。

学会のメリットを紹介しますと、
まず、レポート審査試験に合格すれば認定医専門医の資格を得ることができること。そして一度獲得したその資格というのは決められた期間に必要単位を取得しておけば永久保証(死ぬまで)となる。

自分が思うに上記のメリットを最大限に生かす場というのは病院勤務かもしくはクリニック開業時の肩書として持っておくことです。

なぜ病院勤務で生かせるかというと、医師の3つの課題と深くかかわっています。その3つの課題とは、教育・臨床・研究です。

学会はこの三位一体を担保し、底上げし、高めていくために学会誌で最新情報を提供したり、専門医制度を設けて医師の質を保つように努力します。

専門医資格を病院で生かす(その①~教育~)

教育の対象として、研修医のみならず部長先生や院長先生、大学病院でいえば教授先生でさえ医師である限りずっと勉強し続ける立場であります。

医療の教育体制はその現場・環境に応じて様々ですが、最も安定している体制は”屋根瓦方式”だと思います。これは先輩医師が後輩医師に教育していくことですが、それぞれの立場が屋根瓦のように重なって知識を伝えていくという体制です。一般的には先輩医師になるにつれて知識も増えていき、自分の順番に来たら(医師〇年目とか)、専門医資格試験を受けるような”空気”が存在しています。「そろそろ〇〇先生も専門医とれるんじゃない?」とか「〇〇先生は今年受験資格あると思うからレポート作っておいてね」とかいう促しの言葉が出始めるのです。そうやって専門領域の階段を一段ずつ上っていくのです。
っと!ここで大事なことが、どこの病院にいても専門医資格試験の受験資格が得られるのではなくて、指導医(専門医のさらに上)がいて施設基準を満たしている病院でその専門科に何年以上所属していることという条件が必要になってきます。ですから研修医や若手医師がどこの病院で働こうかなーと考えるときに選択肢は多いほうが良いと考えますので、専門医が多く在籍している病院が良いと考えるのが一般的なのです。研修医や若手医師は病院にとっては重要なマンパワーとなりますので病院としてはたくさん確保したい人材となります。そのため研修医や若手医師にとって憧れる立場である専門医が多いと自然と医師も増えていき、潤沢な医療現場を構築していくことが可能になるわけです。

専門医資格を病院で生かす(その②~臨床~)

病院ではまさに専門科というのがたくさんあり、病院の機能としては様々な患者様様々な疾患にも対応できるようりできるだけ多くの専門科が必要になりますし、専門科が多いということはその病院機能の高さを意味し、地域から高い信頼を集めることができるので病院経営にも深くかかわってきます。しかしただ専門科を掲げるだけではダメです。なぜなら現在可能な最先端の技術(医療機器)や治療薬というのは往々にして専門医がいなければ使用もしくは処方できないのです。みなさんご存じの通り、医療の現場では日進月歩で研究が進んでおり、これまでは治せなかった病気でも治療法が確立されてきています。しかしその最先端の治療法を医師であるからと言ってすべての医師ができてしまっては適応を見誤ったり、不適切使用を起こしたりして重篤な合併症副作用などが頻発してしまう危険性もはらんでいるわけです。ですから通常はまず専門医がいる施設認定を受けた病院でないと最先端医療は導入できないのです。最先端医療ができるということは紹介患者数も増えますし地域からの信頼は高くなりますので病院経営はうまくいく可能性が高くなります。なので専門医資格を有している医者は病院から重宝されます。無印Drよりもお給料が高くなるわけです。

専門医資格を病院で生かす(その③~研究~)

研究することがなぜ大事かというと、まずその研究が明日の医療を支える発見や功績となる可能性があるからです。それだけではなく、もっと実際的にいうと研究はその研究をする医師自身のためになります。ただただスタンダードの治療だからと言ってひたすらガイドラインという教科書に従った治療をするだけではインプットに過ぎないと思います。自分で治療してきた患者様一例ずつから学びを得たり、数を増やしてデータとして解析したりしてその結果を発表(アウトプット)することこそ最大の学びであると考えます。その点で患者様がたくさん通われる病院や大学病院は研究の場に適していると言えます。

といった上記の医師にとって大事な3つの課題をクリアするための下支えとして専門医資格や病院などの患者様が多く集まる施設という場が役立つわけです。

んと、ここまでは学会を支持する内容です。
しかし、これを今から私は否定したいのです。なかなか苦し紛れな状況となりそうな股間、いや予感であります!

まず、若手医師としては何か刺激を得ながら仕事していたいという人たちが多いので、「専門医合格するぞーっ!」ていうモチベーションを上げるために自分に目標を課している、もしくは周りから専門医頑張ってとプレッシャーをかけられている状況で何とか頑張らなければと自分を鼓舞しているに過ぎない状況に遭遇するわけです。というのは結局、専門医資格を得てそのあと何がしたいかどうかは全然考えていないということが多いと思うわけです。(もちろん研究をしっかりやって世の為人の為にと頑張っていらっしゃる先生方もたくさんいらっしゃいますので一概にはそう言えませんが)

というのは、専門医試験に合格するために勉強をしているような状況に陥るからですね。勉強するだけなら専門医とらなくても自力で勉強しまくって、そこら辺のとりあえず専門医合格しましたよという先生よりも努力して強し続けていれば資格なんて二の次なんだと思うのです。

ある意味、学会というのはユー〇ャンみたいなモチベーションをカ〇にした部分と似ているなと感じるわけです。(オイオイがちでディ〇ってるやん)

学会での資格を維持するためには単位というものが必要になります。その単位というのは学会発表や学会に参加することで加算されていき、一定の単位数を獲得すればまた何年かその資格を有することができます。学会発表することはとても素晴らしいことですし、自分のためにもなりますが学会に参加するためには交通費や旅費が必要になります。たいていの場合は費用を援助してくれる病院が多いです。また学会費に関しても所属部署が援助してくれる場合が多いです。

やはり病院や専門科にとって認定資格や専門医資格はとても重要であるということですね。

でもそれって裏を返すとピラミッド構造によるコントロールとみることもできるかと思います。

ここまで学会に対するアンチテーゼをぶつけてみましたが、正直言って学会は医療において必要不可欠な存在であり、僕自身もその恩恵を十分に受けている身なので学会の存在にとても感謝しています。本当にありがとうございます。なので怒らないでください(笑)。

でも病院をやめて診療所勤務となった今は、これまで所属していた学会に加入し続けている必要はほぼ無に等しくなり、学会費だけが吸い取られていく状況となったので僕自身は元気に退会していきたいと思っています。

アルパカぱかぱか去っていく~

ということで、これからは『無印良医』目指して頑張りたいと思います。


今回は以上です。
最後までお読みいただき大変ありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。

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